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familie  作者: 遠藤 敦子
familie Ⅲ
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2

 しかしそう思ったとしても、面と向かって本人にそれを言うかという気持ちもあった。結局そのパーティーで良いと思うひとはおらず、カップリング希望も白紙で出してしまったのだ。このひと以外にも、実家暮らしでお母さんに言われて婚活している男性や30代の社会人なのに独特なファッション(ブリーチしたのか、金髪に近い茶髪。ドクロのTシャツにごつめのシルバーのネックレスといういでたち)で現れた人もいた。結局どんな人が来るかわからない婚活パーティーで相手を探すのは無理だと思い、婚活パーティーに行ったのはそれっきりだ。

 後にインターネットの掲示板で婚活パーティーの情報収集をしていた際、「新宿のパーティーに参加していた32歳経営者の田中(たなか)は妻子持ちです! 私の友達がこの人にバツイチ子なし独身って言われて結婚前提で付き合い出したら、妻子持ちって発覚しました。友達のように悲しい思いをする女性を増やさないためにも、田中には関わらないでください! 新宿とか池袋に出没してます」という書き込みが目についた。真偽はともかく、身分証を提示すればそれで良いので妻子持ちが紛れ込んでいる可能性もあるというわけだ。やはり私はもう、婚活パーティーへの参加をやめて正解だと思うようになった。


 そういうわけで、妻子持ちが紛れていることは絶対に有り得ない結婚相談所への入会を決意する。入会費はかなり高額だったものの、婚約破棄時の慰謝料でどうにか賄うことができた。どこが良いのかわからなかったので、何箇所かで話を聞いた上でじっくり検討し、業界最大手の結婚相談所に決める。

 何人か男性を紹介してもらい、お見合いを進めた。9歳上の佐藤(さとう)さんには具体的な将来像があり、将来像が一致しているのはこの人だと思う。しかし9歳離れていることもあり、一緒に歩くと見た目や年齢差が気になってしまった。デートをしていてもカップルというよりは、パパ活しているような気分だったのだ。佐藤さんには悪いけれど、私からお断りした。

 次は同い年のアメリカ人・マイケルさんを紹介してもらった。マイケルさんは20代後半の頃に日本人の妻と離婚したことがあり(子どもはなし)、ずっと独り身だったけれど結婚願望が強くなったそう。日本語が堪能なので会話に不自由はしなかったものの、私が仕事を辞めてアメリカに移住するか日本に住むかを悩んだ。LINEでのコミュニケーションが楽しくエスコートもしてくれるので、一緒にいて楽しいのはマイケルさんだった。

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