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流れ星  作者: 雨世界
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1 あなたに恋の告白をしてもいいですか?

 流れ星


 あなたに恋の告白をしてもいいですか?


 三笠小夜が扉を開けると、そこには彼がいた。

 天文部部長の綾川波先輩。

「おはよう」

 綾川先輩は部屋に入ってきた小夜を見てそう言った。

「……おはようございます」小夜は言う。

 それから小夜は薄暗い部室の中を歩いていつもの自分の席に座った。綾川先輩は天体望遠鏡を覗きながら、その望遠鏡のレンズを布で拭いたり、位置を確かめたりしながら、窓の近くで、(星も見えないのに)そんな作業にいつものように夢中になって取り組んでいた。

 ……はぁー。

 小夜は心の中でため息をついてから、いつものようにカバンの中から文庫本を取り出して本の続きを読み始めた。

 それは、小夜のお気に入りの恋愛小説の本だった。

「三笠さん。今日も本読んでるんだ」

 天体望遠鏡の手入れが終わったようで綾川先輩が小夜の反対側の席に腰を下ろした。

 二人は向き合うように座っている。

 それがいつもの二人の位置であり、それがいつもの二人の距離感だった。

「はい」本から少しだけ視線を動かして小夜は言う。

 すると綾川先輩はじっと小夜の顔を見ていた。

 そんな綾川先輩の綺麗な顔を見て、思わず小夜はその小さな顔をほんのりと赤く染めた。

 なぜなら三笠小夜はこの中学校生活の二年間、(小夜は今、中学二年生だった)ずっと綾川先輩に片思いの恋をしていたからだった。(だからこそ、小夜はこのあんまり興味もない天文部に入部したのだった)

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