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第2話 異世界人がネットに接続したら、そら混乱するわw


「おぉぉ~見える! 見えるぞ!」


 皺だらけの、白髪の老婆が白目を剥いて口を開けてる。

 彼女は、村の占い師だ。

 彼女の目の前では、水晶玉が青白く輝いていた。

 丸いテーブルを挟んで、金髪の少女がその様子を見守っている。

 これは、ショウタが召喚される前日の光景である。


 少女が、恐る恐る老婆に尋ねた。


「何が、見えるんですか?」

「あぁぁ~、ロボッ……ト……」

「ロボット?」


 少女は、聞き慣れない単語に困惑した。

 彼女は身を乗り出して、老婆に説明を求める。


「ロボットとは何ですか?」

「あぁぁ~、二足歩行する巨大な人型の機械が見える!」

「二足歩行する人型の機械……それって!」


 少女の目には、希望の光が差した。

 彼女は突然、笑顔になる。


「それってつまり、ゴーレムですよね!」


 占い師の老婆は、口をあんぐりと開けたまま頷いた。

 少女は、はしゃぐ。


「やった! やはり、この世界以外にもゴーレムライダーがいるんですね!」


 少女は、興奮を抑えきれない様子だ。

 もしかしたら異世界から優秀なゴーレムライダーを招いて、この村が一発逆転を果たすことが出来るかもしれないのだ。

 この村は、ゴーレムトーナメントで万年最下位の弱小チームだった。

 その為、トーナメントの賞品である女神ポイントを全く稼げずにいた。


 女神ポイントは、ゴーレム本体の強化、武器の購入、魔法の取得などに使われる。

 またそのポイント自体が通貨にもなっており、買い物も大体このポイントで行う。


 ポイントを稼げないと一向に強くなれず、他のチームとの戦力差がどんどん拡大していくのだ。

 そして、村がどんどん貧困に陥っていく。

 既にこの村と他チームの戦力差は、どうしようも無いほどに開いていた。

 村人達は小さな畑で取れる野菜などを売って細々とポイントを稼いでいたが、このままではジリ貧だ。


 そこで、魔法使いの少女が提案した。

 他所から優秀なゴーレムライダーを招いて、この村を救ってもらおうと。

 しかしこの世界には、こんな寂れた村に手を貸してくれる酔狂な人間などいない。

 その為、彼女は異世界に目をつけたのだ。


 そこで彼女は、占い師に異世界の優秀なゴーレムライダーを探してもらっていたと言うわけだ。

 そして、彼女達はこの世界と同じようにゴーレムに乗って戦う世界を見つけた。


 占い師の老婆は、急に呼吸が荒くなる。

 それを見て、少女が心配して声をかけた。


「大丈夫ですか!?」

「ハァハァ……凄い!」

「!」

「彼らは地を駆け、空を飛び、星々を股にかけておる!」

「星々を!?」

「おぉ!! 見たこともない武器が見える! 物凄い破壊力! 物凄いスピード!」


 少女は、聞いていてワクワクしてきた。

 彼女は、老婆に尋ねる。


「そのゴーレムを操る人々は、何という種族ですか?」

「あぁぁ~、人間……いや、もっと細かい分類がある……あぁぁ~」


 老婆の脳裏には、沢山のキーワードが浮かんでいた。

 この二足歩行する人型の機械を、操作する種族。

 人間という名前だが、もっと頻繁に目に付く種族の名前がある。

 老婆は、その種族の名前を読み上げた!


「あぁぁ~、オタクじゃ! オタクを召喚するのじゃ!」

「オタク……それが、ゴーレムを操る者達の名前なのですね!」


 老婆は、口をあんぐりと開けたまま頷いた。

 そして老婆は、少女に手のひらを差し出す。


「今回の占いは、100女神ポイントになります」

「はい……」

 

 少女は静かに、財布を取り出した。


 とまあ、こんな感じでショウタは呼び出されることになったのだ。

 老婆はどうやら、地球のインターネッツにアクセスしてしまったらしく、そこで見たアニメの中のロボットをゴーレムと勘違いをしたらしい。

 そしてロボットアニメと関連の深い人物達を検索で割り出したところ、オタクがそれらと深い関係にあることが分かった。


 よくインターネッツで、本来探している事柄とは無関係なウェブページが表示される事を「検索汚染」と呼んだりするが、この件もそれにちょっとだけ似ているかもしれない。

 まさかゴーレムを探していて、アニメが出てくるなんて思わなかったんだろうな。

 異世界の検索にまで、オタク文化が進出しているなんてほんとビックリだよね。


 まあそれはさておき、ショウタは闘技場に来ていた。

 それなりに大きな円形闘技場だ。

 中央は、土が剥き出しのグラウンド。

 その周囲を石の壁が囲っていた。壁の上には観客席が並ぶ。

 ショウタの側の観客席には数人の村人しか座っていなかったが、対戦相手側の席には100人を超える観客が集まっていた。

 彼らは、歓声を上げている。


 ショウタは、泥のゴーレムに搭乗しグラウンドに立っていた。

 そして彼の目の前には、いかにも強そうな岩のゴーレムが立ちはだかる。


「オラァ! ぶっ潰してやる!」


 岩のゴーレムは、巨大な腕をガンガン打ち鳴らしながらショウタを威嚇していた。

 中身は、厳つい戦士だろうか? 随分と声が図太い。

 自分もあんな、かっこいいゴーレムがよかったな~。

 ショウタは、ガチガチの岩ゴーレムを見ながら思った。


 すると突然、会場に女性の声が響いた!


「さあ始まりました! 第555回ゴーレムトーナメント! 私は司会と解説を務めます皆さんお馴染み、解説のお姉さんです!」

「いぇええええええええ!」

「うおおおおおおおおお!」

「お姉さん好きだ〜! 結婚してくれ~!」


 観客は沸いた。


「それでは早速紹介します! 赤コーナー、カタイタウンの王者、岩の戦士ロックゴーレムゥゥゥ!!」

「うおおおおおおおおお!!」


 対戦相手側の応援団は、凄まじい熱気だ。


「続きまして青コーナー、久しぶりの出場です! タダノ村の誇り、泥の戦士マッドゴーレムゥゥゥ!!」

「がんばれー」

「勇者様、おらだずの村を頼んだどぉ」


 ショウタは、盛大な応援を受けてロックゴーレムと対峙した。

 すると突然、解説のお姉さんが音頭をとった。


 「皆さん準備は良いですか? それでは、ご一緒に! GO!GO!」

 「ゴーレム!! いぇええええい!」


 何だろう……。

 この、洗練されていない感じ。

 すると直後、ゴングが鳴った。


「それでは、バトル開始!!」


 ショウタは、ゴングと同時に駆け出した。

 先手必勝だ!

 マッドゴーレムは、対戦相手に向かって全力で駆ける!

 相手は驚いているようで、対応できていない!

 これは、もらった!


 ショウタは、ロックゴーレムの懐に入り込んだ!

 そして彼は右拳を握り締め、相手の顔面を思いっきり殴る!

 すると……。


 ベチョ……。


「あれ?」


 マッドゴーレムのパンチは相手の顔に当たって、めちょめちょに崩れた。

 そうか、マッドゴーレムの体は泥なのだ。

 泥が岩を殴ったら、そらこうなるわな。

 ショウタは驚きながらも、冷静に分析した。


 次の瞬間!

 マッドゴーレムの胴体に、ロックゴーレムの強力なパンチがヒット!

 マッドゴーレムは、後方へと弾き飛ばされた!


「グハッ」


 ショウタは、壁に打ち付けられる!

 すると、観客席から声がかかった。


「勇者様……大丈夫でがすか?」

「うぅ……」


 立ち上がれないショウタを見て、村人達はヒソヒソと話を始めた。


「勇者様、やっぱし戦えねんでねぇべか?」

「んな訳ねぇべっちゃ。恐らく、まずは様子見だべ」


 ショウタは、よろよろとふらつきながら立ち上がった。

 そして力なく言う。


「こんなん無理ゲーじゃん。帰りたい……」


 それを見かねて、少女が声を掛けた。


「ショウタさん! 武器を使ってください、武器!」

「武器?」


 ショウタは驚いた。

 何だ、武器があるのか!

 それはそうだよな、いくら何でも無策のまま強敵と対戦させる訳が無いよな。

 焦ったわー。

 彼は考えながら、気を取り直した。


 そして、少女に尋ねる。


「武器は、どこにあるんだ?」

「頭の中で念じてください! そうすれば、武器が召喚されます!」


 お、これはイメージした武器が魔法で手に入るって言うことか?

 それは、ラッキーだ。

 何せショウタには、地球の知識があるのだ。

 ここは一つ、ガトリングガンでも出してもらって無双してみるか。

 やっと、異世界転生らしくなってまいりました!


 彼は右手を前へ突き出し、ガトリングガンをイメージしながら叫んだ!


「さあ、最強の武器よ! 来い!!」


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