禁断の兄妹恋愛になるように仕掛けてみた件
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あるところにエロゲをやっている男がいた。その男は止めどない怒りに体を震わせた。
「実妹と恋愛なんざ、するんじゃねぇ! 馬鹿馬鹿しいったらありゃしない。姉妹持ちの男なら分かるだろうがチンピクともしないっての! せめて義理にしろや! 実は血が繋がってないとかあるだろ。開発陣ももう少し姉妹持ちの男どもに配慮してくれや。めちゃくちゃ推しなのに、その設定だけで立つものも立たなくなるだろうが!」
彼はPCをスリープにしてベッドに寝転んだ。 はぁ...自然とため息が漏れる。自分が少数派であることを自覚しながらもどうしても納得がいかなかった。でも、禁断の近親恋愛の良さが義理だとしたら幼少期からの付き合いがなければ弱くなるし、血が繋がっているからこそカタルシスがあるのだと理解出来ないわけじゃない。
自分だったら…ぼんやりとそんなことを考えながら明日も仕事だとゆっくり目を閉じた。
目が覚めると見たこともない人に囲まれていた。誰だこいつら?どこだここは?内心パニック状態だったが周りが動き出す。
「若旦那様、お目覚めになりましたか!3日も寝込んでましたよ。だから砂漠越えルートは危険だと申したではございませんか。あそこは…」
「すまないが、とりあえず水をくれ」
水を飲んでひと心地つくと不思議と自分の知らない知識があることに気づいた。自分が商家の跡取りであること、山越えの交易を行い熱病に掛かったこと、周りにいるのが、丁稚や親父、側付きであること、そして、自分の容姿と名前が異なっていること。
元の自分がどうなったのか、今の自分は何なのか、この世界は何なのか、分からない事ばかりだったが表面上は取り乱すことなく対応することが出来た。
「すまないが、軽食をもってきてくれないか。起きたばかりだが、腹が減ってたまらん。話は飯を食った後だ。とりあえず親父以外は部屋の外に出てくれ。」
訝しげな目でこちらを見つめる親父と二人きりになった。
「お前が言い出した事だからやらせてみた今回の交易だが、品は全部売ってこれないだ、ましてや、病もらって帰ってくるとは。」
何も言えずに頭を下げる。
「向こうはどうだった?帰ってきたときには意識がない状態だったからな。しゃべり方から変わるほどの衝撃があったかい?」
「あぁ…向こうでは色々見たよ、一番驚いたのは人が堂々と売られていた。言いたくないがこっちでも裏側で売り買いは行われてるのは知ってるし、丁稚もはした金で雇ってるもんだからな。だけど、得られたものは大きかった。向こうとのツテもできたし絹の原材料も手に入れた」
「何!絹だと、そんなことは一言も聞いてないぞ」
「当たり前だ、独断だからな。だが、絹の製造については小規模かつ内々的にやっていくつもりだ」
「おいおい、うちの商いをでかくする折角に機会じゃないか」
「いや、これは向こうのツテとの賭けで取ってきたものだから次が期待できないんだ。だから、ひっそりと育ててふやすつもりだ」
「それならそれでいいが、枯らしたりしてないだろな」
「枯らす?絹の原材料は蚕っていう虫だぞ。お~い、誰かいるかい」
外に出て行ったばかりの番頭が入ってきた
「へい、なんですかい」
「今回の交易で手に入れた俺の籠を持ってきてくれ」
分かりました、と頭下げすぐに持ってきれくれた。
「ありがとう、じゃあまた外に出といてくれ」
「あの~、それの中身って結局何なんですかい、向こうから持って帰ってくるときから一遍も見せてくれなかったもんですから、気になって気になって」
気になっていたのか番頭が籠について言及してきた
「見せてもいいが、こいつの面倒を一緒にみてもらうことになるぞ」
そういうと、怖くなったのかオドオドしながら遠慮しますと出て行った。
「なんだい、毒虫かなんかってことか?」
「いや、そういうわけじゃないが、虫の世話なんざわざわざしたくはないだろ。」
「それもそうかもな、そんでこの籠の中にいるのが蚕ってわけかい。育て方とかも教えてもらったのかい、賭けに勝ったとは向こうさんも気前がいいねえ」
「それに関しては、残念ながら知らねえよ。まあ、虫だから葉でも食わせとけば何とかなるだろ」
「なるほどね、育て方がわかんないから向こうさんも蚕っていう絹の原材料を渡したんだな。おい、そうなってくるとお前が賭けたもんも怖くなってくるな。何を賭けたんだ
「いいだろ別に、勝ったんだからよ。大事なのは蚕を育てて増やして他の商やに気づかれないように絹を売ることと向こうとのツテを増やし大きくすることだな」
不満顔の親父を無視して今後の予定を想像してほくそ笑んだ。
早10年が経った。絹については、不思議と頭の中にあった記憶を元に順調に養蚕を進め絹による利益は潤沢に手に入った。また、養蚕に関しては秘密裏に進めたかったため向こうとのツテを使って人を購入した。周囲の人間にはうまい事、人の情がどうのこうのと言い訳した。どうせならばしっかりと吟味して美男美女を4人購入し記憶の中にあった人権を元に多少配慮してあげた。こちら側の環境や人達に慣れるまで1年かかったがなんやかんやあって連れてきた人達と周囲の人達も融和することが出来た。
しかも、10年という月日は子供まで出来てしまうようだ。連れてきた女性や男性と恋してしまい子供が出来たと明かされた時はもう少し避妊とかも考えろよと思ったもんだし、子供が出来たといわれた時はめちゃくちゃ困ったものだが記憶の奥底にあった欲望がムクムクと湧き上がってきた。
近親恋愛が見たい!!
偶然にもベビーラッシュだし連れてきた美男美女の処遇は俺自身に一任されているし、立場がしっかりしていない親の間に生まれてくる子供も可哀そうだ。そうなれば、俺が自分の子供として引き取って近親恋愛に誘導してたっぷりと観察する。子供たちもハーフになることは確定だし、顔の違いも分かりにくいだろう。あとは、男女がきれいに2:2でそろう事を祈るだけだ。
「私があんちゃんのお嫁さんになってあげるからね」
「ありがとね、でも僕たちは兄妹だからお嫁さんにしてあげることは出来ないんだよ」
「やだやだ、絶対に結婚するし子供も片手じゃ数えきれないくらいつくるもん」
「いや…まあ、僕たちまだ8歳だし先の話だから」
隠れ見ながら知識の偏りが著しいと思わず心中でツッコミながら心が高ぶっていた。いいぞもっとやれと喉元まででかけながらグッと黙りこみ息を殺す。順調に兄妹恋愛が進んでるが近親恋愛による苦悩が少ないと悩む。まだまだ俺の暗躍はこれからだ。
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