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1回目

私は今、深い後悔と大きな不安を背負い学校を後にしている。神様、いらっしゃるのなら私を2時間前の世界に戻して下さい!!仏様でも構いません!!どうかあの時の私にもう一度!!



琴葉ことはは部活何にするか決めた?」

「私、部活は入んないよ。高校生になったら生徒会に入るって決めてるんだ。」

憧れの生徒会。きっと裏方の仕事が殆どなんだろうけど、それでもいい。高校生活3年間が一生の思い出になるように私は生徒会で全力を尽くすんだ。さっそく今日ホームルームが終わった後話を聞きに生徒会室に行ってみよう。


「かなり迷っちゃったけどここかな。落ち着け琴葉。最初が肝心よ。」

生徒会室と書かれた部屋をようやく見つけた私は自分にそう言い聞かせて扉をノックした。

「失礼します。」

目に飛び込んで来たのは閑散とした教室で紅茶を飲みながらオセロをする男女の姿…???

何ですか?これは…

「入会希望者かな?」

男子生徒が人懐っこい笑みを浮かべ私に話しかけた。

「ええ、はい。そうです。」

「まあ、うれしいわ。あなた新入生ね。私は2年の岬京華みさききょうか。そんな緊張しなくていいわよ。入会希望ならこの用紙にクラスと名前を書いてくれればオッケーだから。」

(生徒会て選挙とかで決めるんじゃないのかな?その時はそんな単純な疑問すら浮かばずすんなりと渡された用紙にクラスと名前を書いていた。私の単純バカ!!)

「これであなたも正式なメンバーよ。ようこそ生徒会同好会へ。」

「あの…もう一度…」

「だ・か・ら生徒会同好会へようこそ、柊琴葉ひいらぎことはさん。役職は、そうね書記なんてどうかしら?」

「ここって生徒会じゃないんですか?部屋の外に生徒会て書いてありましたけど…」

「ああ、あれはそれっぽい雰囲気出すための小道具みたいなものよ。」

「そもそも生徒会同好会て何するんですか?そんなの聞いたことありません!」

「生徒会っぽい事をするの。生徒会に憧れはあるけど堅苦しいのは苦手って思ってる人は是非!同好会だし、まったりしながら生徒会気分を味わえるなんて最高でしょ?」

「私は堅苦しくても本物の生徒会で仕事がしたいんです。お邪魔してすみません。」

「どこに行くの?」

部屋を出ようとする私の背中に突き刺さるような視線を感じた。その口調はさっきまでとは別人のように冷ややかだった。

「もうあなたは入会済みよ。ちなみに会の規定で1年間は退会、他の部や同好会との掛け持ちはできない事になっているから。」

「そ、そんなの聞いてません!」

「ちゃんとここに書いてあるんだけど」

そうやって先輩はさっき私が名前を書いた紙をぺらぺらと揺らし、私の目の前に持ってきた。


会則1条 上記の署名をもって当同好会に入会するものとする

会則2条 在籍期間は入会より1年を最低期間とする

会則3条 当同好会に在籍中は他の部活・同好会又はそれに準ずる団体に加入することはでき

     ないものとする


用紙の下の方に確かにそう書かれていた。


「こんなのズルです!」

「そうだよ岬さん。強引すぎるのはよくないんじゃない?」

それまで黙っていた男子生徒がフォローを入れてくれた。この人は常識をわきまえた人のようだ。少なくともそうあって欲しい。

二階にかい君は黙ってて!そんなヌルい考え方だからいつまでもメンバーが集まらないのよ!柊さん、あなたにチャンスをあげる。私にオセロで勝ったらあなたの入会をなかったことにしてあげるんだけどどうかしら?」

(こんな馬鹿げた勝負相手にすることないじゃん!って気付けよあの時の私。いくらオンラインゲームのオセロで無敗だからって相手のペースに乗っちゃダメだよ…)

「その言葉、忘れないで下さいね。」


10分後


「参りました。」

盤上をは真っ黒に染まっていた。いくらなんでもパーフェクトで負けるなんて。

「そんな悲しい顔をしないで。本物の生徒会よりずっと楽しくて有意義な所よ、ココは。改めてよろしくね、琴葉ちゃん。」


そう、あれが今から2時間前の悪夢の始まり。勝負で負けたんだもん、正々堂々と入会してやるわよ。だけど…やっぱり不安!!私の高校生活はいったいどうなちゃうの!?



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