短編#6
そのうち短編から設定盛って長編になるのが出てくるかも
俺は全て奪ってきた。
奪うだけの人生だった。
でも、それをお前達が変えた。
何かを与えられる生き方を教えてくれた。
(原罪の波動を一身に引き受け、体がボロボロのルドルディと守られる形となっているマルフィー含む仲間達)
ーーダメ! ルド!
感謝してる。だから、世界の修復の時間稼ぎをしてやるよ。
ーー聞いて!
なぁ、マルフィー。抱きしめてくれないか?
最期に、人を感じたいんだ。
ーールド……。……分かった。
ありがとう……。俺も、抱きしめていいか?
ーーうん……。
約束は守れない。
もう何も奪わないっていう約束は守れない。
ごめんな、マルフィー。
(ルドルディは「強奪」を発動する)
ーーえ……?
お前には、笑顔がよく似合う。俺の事なんか忘れちまえ。いや、忘れてくれ。
ーーいや! 離して! ルド! やめて!
(マルフィーは気を失い、仲間たちに抱えられる)
本当に、ごめんな……。マルフィー。
マルフィーの事はお前らなら、きっと大丈夫なんだろうよ。任せたぞ、未熟な「虚の巫女」を。
今のマルフィーじゃ、コイツには命を賭しても倒せないからな……。
ーーあぁ……、分かってる……。だが、ルドルディ……。
言うなよ、それ以上。これは俺の、そう、言うなれば……。
(距離を奪い、仲間たちをこの場所から突き離す)
ーールドルディ! お前は! お前に! 洗礼名を授けてやる! 聞け! プランダラ! 偉大なる簒奪者! プランダラだ!
(ルドルディは皮肉に笑い、大罪にそんなもん名付けんなよ、と思った)
そう、言うなれば……、俺の、わがままだよ。
罪滅ぼしとか、そんな高尚なもんじゃない。
(ルドルディは「簒奪」を発動する)
今なら、出来るかもな。原罪が吸収した他の大罪の強奪も……。
はは、さぁ、振り出しだよ。原罪。神の試練とかいう、ご大層な事ぁ関係ねぇ。
お前のモノを奪わせろ!
それが俺の! 業の極致だ!
(原罪の吸収した他の大罪を奪い取ることに成功したルドルディ)
やっぱ、キッツイぜぇ……。ワンチャン耐えれるかと思ったが、無理だな。
だが、このままただで死ぬわけにはいかねぇ。
(ルドルディは奪い取った大罪と自らの大罪を凝縮し、現出させる)
さぁ、世界に散れ、大罪の因子共。いつか巫女に救われろ。
(それと同時に大罪因子は弾け、大罪因子を失ったルドルディの体は原罪の波動を耐えられなくなる)
そのまま、生きていければよかった……。
あいつらと、一緒に、もっと笑っていたかったぜぇ……。願わくば、次の、大罪共に幸あらんことを……。
(それとほぼ同時、原罪の間から脱出させられた仲間達が見たのは、世界に散らばっていく大罪の因子)
ルドルディ……。お前は、本当に偉大だよ。その信条は、尊敬に値するものだ。
あぁ、任せておけ。お前の想いは俺たちが受け取った。必ず、達成してみせる。お前が命がけで稼いだ時間で、原罪を、超えてみせる。