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話すと長くなるけど僕は語る。  作者: 青山優作
第一章 八乙女かおり
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第一章4 「覚醒」

 ・・・・・。


「司馬君。分かってくれた?影を取り戻すにはやつと戦わないといけないのよ。」


 八乙女が何秒か黙って声を出した言葉だった。だからといって人を殺して良いのだろうか。


「でも四十海舟を殺さないといけないんだろう?」


「ええ、これから殺されて存在を消される人が出る前に消すべきなのよ。」


「・・・・・。」


「あと自分のことが可愛いからまだ死にたくないのよ。」


「正直でいいことだな、八乙女。結局皆自分のことが一番可愛い。」


「まあ、そうね。上から目線なのがムカつくけど。」


 ・・・・・・・。


「しかしな。八乙女。僕は正直に言って勝てる気はないし。オーラが見えるなら強い僕以外のやつに頼めば良いだろ?」


 ん・・・。まさか。


「司馬くんは私がただのバカに見えるらしいわね。」


「バカとは言ってない。」


「でた、そういう屁理屈的なやつ。私も『らしい』しか言ってないわよ。」


「屁理屈的なやつってなんだよ!」


「・・・・・・・話がずれたわね。あなたのオーラが四十よりも強いからよ。だから頼んだの。」


「嘘だな。大体能力とか覚醒とかしてないと生身の人間なんだろ?」


「飲み込みが早いわね随分と。安心して四十にかつ勝算はあるから。」


「色は?」


「い、色ね。・・・・無色よ。色は無い。オーラのモヤモヤしたのが見えるだけ。」


「んんん、適当なこと言ってんじゃないだろうな?僕はもう八乙女のさっきの話を信じているんだ。」


「覚醒者になったら色が変わるだろうし・・・・。もとから無色なのかもだけど。」


「というか八乙女。一年後に存在が消えると言われたってことは。もうあと半年ぐらいには存在が消えて死ぬということだよな。」


「ええ。そうね。」


「大丈夫なのか?」


 さっきも話した『大丈夫?』とは違う意味の時間の方だ。死ぬまでの時間は大丈夫なのかと・・・。


 割と自体は深刻だと思う。割とと言うよりかは、予想以上に・・・。

 まだ単に「憎んでいるから」という子供じみた発想か

 「実はドッキリでしたー」のほうが全然いい。


 僕は八乙女の傷が一瞬で再生したからこの突拍子の無い話を信じなくてはならない。


 まだ現実と僕の頭の中が追いついていないが・・・。

 第一そいつは三百年もの間人の影を奪ってきたんだ。



 第一仮に僕にオーラがあるとしてそいつに勝てるのだろうか?戦うとなれば当然自分も『覚醒者』にならなければいけないはず。


「八乙女。そいつはどこにいるんだ?そいつから影を取り戻すと言っても。そいつが居ないと始まらないだろう?」


「・・・・・。分かっているわ。版宮公園の廃ビルよそこで寝泊まりしてるわ。」


「ここから自転車で二十分か・・・。」


「そうね。戦う日は夜にしましょう。」


「なんで?」


「あいつは私の影を踏むことで奪ったのよ。つまり夜は影が生まれない。私をわざと帰らそうとしてすれ違うときに。奪うのには時間がかかるからね。だからわざと訳のわからない話をしてたのよ。」


「いや、八乙女!?なんでそんな詳しいんだ?」


「もう二人の犠牲者を見て知ったわ。私のだめだったところは四十と話しすぎたことね。」


 ・・・・?犠牲者が他にもいるのか?

 なるほど四十と話しすぎるとだめなところはそういうことか。

 というか僕はまだ戦うとは言っていない。

 

 本当に殺さなくてはいけないのか?和解という方法は・・・。


「まさかまさか。司馬君?和解とか偽善者めいたこと考えてるんじゃないでしょうね?」


「まさかまさか。しかし、決闘と頑張って美化しているけれど何でもありな殺し合いだろ?」


「まあ言い方を悪くすればね。とにかく。今しなくてはならない事それは・・・。」


「それは?」


「あなたに覚醒してもらうことよ。」


「どうやって?」


「痛みで。」


 すごく嫌な予感がするのは気のせいだろうか。あのグーパンをもう一回。二度ではなく何度もくらわなくてはいけないのか?


「歯を食いしばってね。」


 八乙女はそう言ったと同時に拳を構えた。


「あのさー八乙女。なんでお前そんな強いんだ?」


「さあ?覚醒した日から身体機能が上昇したわ。多分それ。」


 なるほど。


「ちょっと待て八乙女。校庭で思いっきり僕のこと殴りまくったらなんか僕が良からぬことをして殴られたみたいじゃないか。周りに生徒はたくさんいるんだぜ。」


「んー。それもそうね。目立つのは嫌だし。一発一瞬で仕留めるわ。」


「おう頼むぜ。・・・今八乙女仕留めるっつたか?」


「気のせいよ。」


「だよな。ーーーこれって覚醒の保証何処にもないんだよな?」


「ないわよ。私はコケた反動でなったわ。」


「じゃあわざわざ思い切り殴る必要はないだろ!」


「さっき夢オチの話のときに殴ったけど覚醒しなかったじゃない。」


「あっ。」


「覚醒にはショックが必要なのよ。本気で行くから。」


「おう。」


 実際のところ女子の本気なんてたかが知れてるのだ。さっきのちょっと上の痛みなら全然耐えられる。

 

 

 

 おっ空がきれいだな。夕日?・・・。と思ったときには八乙女に殴られていたらしい。

 僕は五十メートル走を今日三秒で走った。世界的記録更新だ。

  

 と言うより殴り飛ばされた。五十メートル先まで


 

 痛みを忘れるほどのショックだった。




 そして僕は『覚醒』した。


 

 


 次の日四十海舟と戦うのだがそんなことは僕と八乙女には知る由もなかった。




話はだいぶスローで進んで来ましたが

ここから急展開してくれるはず・・・・・?

更新は早めにします!

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