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話すと長くなるけど僕は語る。  作者: 青山優作
第一章 八乙女かおり
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第一章3 「八乙女かおりは再度語りだす」

「や、八乙女。疑って悪かった。」


「何のことを?」


「影のことでだ。」


「まあ同じクラスになってから話すの始めてだから仕方ないわ。」


 正直言ってこんな他愛のない会話でどうこうなる話では無かった。

 僕は本気で八乙女のことをどうにかしてやりたいと思った。

 今日初めて話したが、そんなことはどうでもいい。

 昔から僕は世話を焼いてしまうのだ。

 

「八乙女・・・。もっと聞かせてくれないか?そのあと何があったのか。」


「ええ、いいわ。」


 八乙女は再度語りだした。



 影を奪われたことに気付いた次の日の四月二十三日。


 私は突然の出来事に学校を休んだ。土曜日の学校の日だった。



 影がないという事実に私はよく気付いた。なぜなら服は影を持っているからだ。よく気付いたと言うべきなのか・・・。


 私の頭部の部分が全て影に反映されてなかったからだ。その後服を脱いで確かめて見たがやはり影はなかった。


 すぐに原因のうちの一つとして上がったのが四十海舟だった。

 人間というものは、私自身もそうだが一つのあまり良いとは言えない原因のわからない出来事が起こったときに原因を探そうとするのだが。奇妙なことがあるとそれを理由にしがちなのである。


 勿論私もそれを理由にした。

 でもこう思う人も中にはいると思う。


『不死身になれるのであれば影ぐらいい良いのでは?』


 確かにごもっともな意見だが人間というものの一番怖いと思うこと。それは


『分からない』


 なのだ。心霊スポットでここには幽霊はいないと言われたら、ただ暗いのが怖いのである。実際のところ暗いのが怖いのも何が何処にあるのか『分からない』から怖いのである。


 この時私は原因がないから怖かったのである。

 どこかで四十海舟のせいにしていた。実際そうだったが。


 結果的には影ぐらいでは済まないのである。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 結論から言う。

 私は四十海舟を今でも憎んでいると同時に殺さなければいけない。



 四月二十五日休み明けに私は学校へと足を運ぶのだけれど。

 理由は四十海舟にもう一度会えるかもしれないということからだった。


 



 放課後四十は前と同じ校門の前にいた。


 そして四十の方から口を開いた。


「そろそろ、俺に尋ねてきたくなる頃だと思ってね。」


「ええ、色々聞きたいことがあるわ。」


 ここで先に言っておきたいことがあるのだけれど、昔から私はちょっととがってたのよ。だから「喋り方昔からきついなー」とか「昔は尖ってたんだなー」とか得意気に言うのはやめてほしいわ司馬君。




「聞きたいことはだいたい分かっている。影がどうとか、体の傷が瞬間的に治癒するだとか・・・。」


「あんたと関係があるの?」


「あるとも、大アリだ。でもそれについて話す時はあることを信じてもらいたい。じゃないと話が進まないからね。」


「分かったわ。」


「オーラというものについてだね。俺はオーラというものを読み取ることができる。俗に言う『魂』だとか『気』とか『霊気』とか『魔力』とかね。まあそれらを俺は『オーラ』と呼んでいるんだけどね」


「それがどうかしたの?」


「せっかちになるのはあまり良いことでは無いぞ。話を最後まで聞くことだよ。そう、それで『オーラ』というものはもうすでに君にも見えてくる頃なのだが。『オーラ』を読むことができる人はその人の人生や名前をある程度把握できるんだよね。」


「それでこの話と関係があるのよね?」


「ああ。大アリだ。『オーラ』が大きければ大きいほど超能力が使えるんだ。そして『オーラ』には色がある。お前の『オーラ』色が『ピンク』だったまでだピンクは再生の色。珍しいぞ。これで理由が分かったろ?」


「ええ、わかったわ。私にも見えるようになったもの『オーラ』が。」


「ほう。俺にはどんな色が?」


「黒のオーラが・・・。」


 私はこの時オーラが本当に見えていたわ。決して当て勘とかいう低俗なものではないことを司馬君には理解してほしいわ。


「御名答。強いオーラを持つ超能力者と・・・つまり『覚醒者』と呼ばれるものと触れ合うことでお前は『覚醒者』になったらしいな。喜べ。」


「覚醒者・・・。」


「簡単に言えば超能力者に目覚めた。ただそれだけのこと。」


「覚醒者になると影が無くなるの?」


「これは俺の能力の問題だ。」


「能力?」


「俺の能力の色は『黒』黒のある特質は『影を奪った者の寿命をもらう』」


「寿命を?」


「そう、正確には存在もな。影を奪うことによってお前の存在は消えていく。」


「なっ!」


「お前の寿命はあと多く見積もって一年だ。その頃には存在が消えて無かったことになる。存在が消えたら誰も覚えてるやつはいない。俺はそうやって三百年生きてきた。」


 四十海舟は相手の影を奪うことによって寿命を奪ったものから奪うことができる。

 つまり私は奪われた・・・。

 

 影が薄いと言うより消えると存在そのものが消える?


 あと一年だけしか生きられないの?


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


 私はショックのあまり校門の前で倒れ込んだ





 



次回更新は今日中にするのでお待ちください!

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