トラブルメーカー
「ー、どこだー?」
ザザッ
「そこか?」
「あっ!逃げなきゃ!」
「待てっ!」
2人は最初に隠れて、見つかっても逃げれば負けないというかんれんぼと鬼ごっこを混ぜたような遊びをしていた。
そして追いかけているうちに少女がこけてしまった。
「うぇ〜、いたいよぉ〜」
「大丈夫か?」
少女は目に涙を貯め、すぐにそれは零れそうだった。
「大丈夫、いたくないよ。」
と少年は少女の頭を撫でる。
「うん、ありがとう...」
「いたくなくなるまでずっと一緒にいるから」
「ーくん...」
「だーーなーー、、、」
なにを言ったんだ?
その次は?
少女の名前は...
ジリリリリリリリリリ!!!!!!!!!
目覚ましの音で思考が遮られ、目も覚めた。
だがその疑問だけは忘れられなかった。
「名前...」
だが長考する時間もあまり無いので準備をし、課外研究の舞台であるゲーセンへと向かった。
.
.
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ゲーセンに着いたが、どうやら一番乗りは自分のようだった。
少し時間をつぶそうと、スマホを取り出そうとした時見た事のある奴が目の前を自転車で通り過ぎた。
「リオン、おはよう」
「あ〜おはよ〜リクト〜」
とそのまま自転車を止め、向かって歩いてきた。
「人多いねぇ〜」
「休日だからな、ヒメギが心配だ。」
「ん〜?どうして〜?」
「あいつ、はしゃいではぐれたりしそうだからな」
「ありそうだねぇ〜」
「リクト先輩!リオン先輩!」
なんて話をしていたら、やってきた。
「待たせちゃいましたか?」
「遅刻じゃないなら待ってないよ〜」
「間に合ってよかったです!」
「じゃあ行こうか、ヒメギは離れるなよ。」
「さすがお守り隊だねぇ〜」
「お守りされます!」
と会話しながら中へと入っていった。
「わぁ〜...すごいです!!」
中に入るなりヒメギは目を輝かせ、あちこち歩き回る。
「これ、ボタンがいっぱいあります!
これは丸い形で、あっちはピアノみたいです!」
「はしゃぎすぎると危ないよ〜」
「大丈夫ですよ!」
と言っていたら案の定、人にぶつかった。
しかも、それも超怖い見た目してる人に。
ぶつかったせいで見た目怖い人の持っていた飲み物は相手の服に思いっきりかかり、床も濡らした。
「やりやがったな」
「やっちゃったね〜」
当然怖い人が標的にするのはヒメギであって。
ヒメギは全力でこちらに無言で助けを求めた。
「メイカちゃん半泣きだねぇ〜助ける?」
「助けないといけないだろ?」
と2人で仲裁に入る。
「なんだおめぇら!」
「申し訳ない。ジュース代、それに濡れた服の詫び代も出すので許して貰えないでしょうか?」
「早くだせ!そして目の前から消えろ!」
男の怒り声はリクトに集中砲火した。
そのまま財布をだし、お金を出そうとした。
そこで男は財布に入っていたゲームのデータ保存カードに気がついたのか、質問をしてきた。
「お前、ゲームすんのか?」
「ゲーム?まぁ...色々やりますけど...?」
「ならここはゲーセンだろ
この罪の重さをゲームの勝敗で決めようじゃねぇか」
唐突な誘いだった。
でもゲームに関しては自信があった。
「わかりました。」
「おれのツレを1人呼ぶ、そうだな...横の男とお前で2対2だ。」
「ぼくですかぁ〜?いいですよぉ〜」
何故かゲーム勝負になってしまった。
だが、負ける訳にはいかない物がそこには...あった?