間幕のお話
報告書
被験者...リクト
ヒメギ メイカと会って数日しか経って以内にも関わらず、体を張って守るその姿を見るからに更生は順調のよう。
今後に期待したい。
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「えらく調子がいいな」
「そんなことないですよ〜
今日とかビクビクでしたからね〜」
「人とはいえ魂が誘拐されるとはな...
魂は人に対して良い印象を残さないはずだが...?」
「それが『彼女』じゃないですかぁ〜?」
「潜在的な物か...魂は『彼女』だからな。
元から持っていた特殊技能なのだろうか。」
「『彼女』だけに限らずリクトもですよ〜」
「被験者にも能力か...」
「今日も発動していましたよ〜
かっこよかったなぁ〜」
「被験者の力も特殊だな。
では、そろそろ私は帰る、引き続き更生の手伝いを怠るなよ」
「はいはい、重々、承知しておりますよ...」
と記録表を取り出し、付け加える
だが、いまだ更生の決定打はない...
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次の日
部活動活動時、リクト、リオン、メイカの3人が話し合っていた。
「明日、課外研究なんてどうかな〜」
「課外研究!!やってみたいです!」
「どうせゲーセンにしか行かないだろ?
おれはパ...」
「メイカちゃんが行きたいなら明日課外研究決行だねぇ〜」
「やったぁ〜!楽しみです!」
...最近振り回されてるような気がする。
まぁ、いいかと心の中で思いつつ会話を続ける。
ありきたりで、何気ない日常を、リクトは楽しんでいた。
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リクトはいつも通り、ヒメギを途中まで送った。
「今日もありがとうございます!」
「あぁ、じゃあな」
「あ、あの!先輩!」
「ん?なんだ?」
ヒメギは何故か顔を赤くし、もじもじしていた。
「私のこと...メイカって呼んでくださいっ!」
「言わない。言う必要が無い」
「そんなぁ〜、1度だけでいいですからぁ〜」
ヒメギは目に涙を浮かべながら訴えた。
流石にそこまできたら言うしか無かった。
「分かった。泣くな、メイカ」
メイカはそれだけで笑顔になった。
気がつくと自分も何故か笑っていた。
どこか、懐かしさを感じながら。
「やったぁ!リクト先輩!」
「いつもは言わないからな。」
「そんなに照れなくてもぉ〜
いつでも呼んでくれていいんですよ!」
じゃれ合う二人。
絵に書いた様な夕暮れ。
その空には、綺麗な虹がかかっていた。