閉ざされた思い出
「私、ーくんとずっと一緒にいるね!」
雨が上がり、夕暮れの空に薄く虹がかかっていた
「僕も、一緒にいたい」
2人の帰り道、いつもと同じように途中まで一緒に帰っていた。
「今日も一緒に遊べて楽しかったよ!」
「僕も同じさ、また一緒に遊ぼう」
「じゃあね!バイバイーくん!」
その日、彼女はこの世から居なくなった。
目を覚ました。
時計を見ると朝の7時を少し過ぎていた。
今日は学校の入学式、3年生の自分には余り関係ないが、所属する部活の為に新入生を呼び込まなければならない。
「行ってきます」
そう言い、学校へと歩き出した。
入学式もすぐ終わり、授業のない今日は新入生達がどの部活なら自分が輝けるだろうかと一生懸命に部活を見て回る。
「僕達は何もしなくてもいいの〜?」
「1年の教室中、階層に張り紙をしておいた。
やれるだけのことはやったはず。」
「さすがだねリクト〜
話さずして部員を増やす作戦上手くいきそうだね。」
自分の唯一の友達、リオンはいつも通りだ。
「話すことが苦手な俺達にはこの部活の良さは伝えきれないからな。」
「でもほかの部活は捕まえに行ってるからね〜
もしこの部活に興味を持っても取られちゃってるかもね〜」
「200を超える新入生で1人も入ってこないはないだろう。」
「入って来なければ廃部だからねぇ」
この「娯楽研究部」は活動人数が2人だけだ。
校則にはこう書かれている
「入学式1ヵ月後に部員が3人以上でない場合は、その部活を活動不十分とみなし、廃部とする。」
「まぁ、自分に合う部活が無くて1年持てばいい方だったからこれでいいんじゃない?」
「最後の1年も興味のない部活にお世話になるのか...」
コンコン
・
・
・
ん?
「誰か来たみたいだねぇ〜」
「開けてくる」
その扉の前に立っていたのは見たこともない女子生徒だった。