恋に生きるアラフォー
プロローグ
うちの職場に37歳独身、実家暮らし、フリーターのユイがバイトで入社したのは、今から三年前だった。
彼女の名前は、如月ユイ。
所謂、就職難の為高校卒業するも、とりあえずフリーター。実家暮らしの為、月10万程度のバイト代は全て自分のお小遣い。
気がついたら歳だけ行っちゃったパターンだ。
うちの職場は、総合スーパーの二階に入る、アミューズメント施設、昔で言えば単なるゲーセン。
求人出せば大抵、独身フリーターが応募してくる。
こちらとしても、安い給料で都合よく使えるフリーターはありがたい。
前置きが長くなったが、ちゃっちゃと自己紹介すると、私はオープン当初から、このアミューズメント施設と敢えて言おう、で働く39歳既婚子ナシ女子である。
幸い10年前、私を妻にと言う男性に出逢いスムーズに結婚し、パートとして、オープンしたばかりの、このアミューズメント施設で働き続ける、お局である名前は…とりあえず、わい子としておこう。
2歳年下の彼女から、最初、この話題を振られた時は、無謀すぎて、本気だとは到底思わなかった。
しかし、軽く聞き流した私とは違い、彼女は本気も本気、真剣にその夢を叶えようとしていたのだ。
同じデパートのお隣に並ぶ、100円ショップのゼリアで働く、21歳の彼の彼女になるためのミッションを。
これから私が語るのは、実際私が見聞きした、ユイが一目惚れした未成年の彼が、二十歳を過ぎるまで2年も待ち続け、そうして射止めようと努力する実話である。