ホシ眼鏡
その日の昼食は
珍しくうどんに
梅がのっかっている奴であり
噂には聞いていたが
実際に目にするには始めてであり
どういう風の吹き回しがあったのかという事について
はなはだどうでも言い疑問があるが
どうせたまたまが重なった
たまたまな昼食であろう
僕はそのたまたたまたまな昼食を多べ終え
今日も
無駄に布団に寝っ転がろうとしたとき
僕はふといわかんを覚え
何となく窓に目を向けると
そこには黒装束のような
黒い女がこちらを見ていた
と言うかそれは先ほど
「黒」とか
自分で偽名だかなんだか知らないが
そういった女である
「・・・なんだ」
ついた目口のような言葉がでるが
窓から入ろうとする人間に
丁寧に話す力は僕には技量的にない
「的がきた、ガストだ」
「・・・ふぁもれすの」
ーふぁもれす・ガストー全国のチェーン店である
「・なんのことだ、地質的密猟者ガストだ」
「・・ちゅうに病的な人ですか」
僕は危うくそう言いそうになるとどめるが
「違う本当だ」
と
なぜかそう言われた
顔にでるのだろうか
「地質調査的密猟者とは、いわゆる通称名にすぎない
この組織は、土の分離により
世界滅亡を考えているのだ」
「・・・・・・」
僕はどうしたものだろうか
あれほど見ず知らずの美女が無条件で話し相手になってくれるのを望み
結果的のその後
どちらにしてもそんな人間はいない
ときがつき
さらには
最初からそんな物は求めていなかったのではないか
そう思い始めて早いちねん近く経過した頃に
どうも、世界的に見ても
まれな人間が
実に奇跡的な事故を起こしながら
人為的に目の前で何か言っている
僕は馬鹿になったのか
それとも世界は最初から馬鹿だったのか
またまた今馬鹿になったのか
どちらにしても
地球滅亡させる組織が居ると言う少女が目の前にいた(少女の定義について知りたい)
「・・しかしそれはどういうことを活動としてしているのですか」
僕はそれを少しでも理解しようとしているつもりになり
そんなことを聞くも
「・・あはは、簡単ですよ」
彼女は笑わずに笑うという実に不可解なことをしてから
「土を別の場所に移せばいい」
「・・・」
彼女は手短に話し始めた
「簡単なことです
土とは本来
その土地の物であり
その土地の場所に居てこそ土なのですが
それを別の場所に移動させるということは
それはすなわち共鳴を呼ぶのです」
「・・・共鳴」
「はい、それは時として
不可解な現象を
または、大規模な災害を起こす可能性があります」
「どうやって」
「物事は引っ張り合う力があり
そのせいで、
磁場が歪み
その力が時として
その土地の中間にいちする
また別の土地を動かす
これが地震だというのです」
「まさか、確か地震って言うのは」
「ええ、プレート同士が引きずり込み合い
それは跳ねたときに起こる・・みたいな
それもありますが
それは所詮ほんの一部の弁解
この現象は
また別の次元での力なのです
先ほどあなたは私の視線を
病院でみましたね」
そこで僕は先ほど見た光景を思い出す
「あれは」
「あれは我が研究施設と言う施設の開発した物でして
あれは人間の意識を
シンクロさせるという優れ物なのです」
優れているのかどうかは別だが
「優れているのです」
「何で聞こえる」
「あなたと私は先ほどシンクロしたからです
あなたがあれを拾ってかけた瞬間
私はあなたとパートナーになってしまったのです」
「言っている意味が」
「簡単なことです、そう言うことです」
「意味が分からない」
「・・・・・だからつまり、あなたはきょうこのときから」
「・・・京子の時から・・」
「違います・・・あなたそんなこと言ってると死にますよ」
「・・・まあもう死んだようなせいかつはしてるがな」
「・・ふざけるな」
「・・っえ」
僕はそのときいやな感じがした
それは僕にとっていやな雰囲気
怒り
嫌悪
僕はもうこの人とはそりが合わない気がした
しかし
その人は、言う
「怖がるな、ただな、あんたの前にいたパートナーは死んだ・・それだけだ」
「え・・・なんで」
「糖尿病だった」
「・・それはあの組織とは無関係なんですよね」
「・・・・・・・」
僕はその沈黙が怖くもあった
っえ、本当なんですか
「それで僕に何をさせようと言うのですか」
「何も、ただ生きてくれればいい」
「・・・・・」
「理由を聞かないんだな」
「それについて僕はいささか何もいえません
なぜなら僕は毎日死にたいと思いながら死ねないくずです
ですが」
「そうか、なら楽しく生きさせてやる」
「はあぁ」
「どうした楽しく生きる自信はないのか」
「いえ合ったらこんな場所には居ません」
「それなら今から遊園地にでも行くか」
「どこからお金は出るんですか
引き籠もっているのでお金はありません」
「心配するな、お前がバイトとすればいい」
「・・・なんで」
「私がついてってやる」
かくして僕は深夜のコンビニアルバイトを始めるのであるが
しかしながら
そのときに思う
良いこととは
反対に悪いことであり
僕は少し浮かれた自分をけっ飛ばして正気に戻したくなる
どうしてあれを普通にデートのようなものだと思ってしまったのか
僕は結局
生きるため
そのバイトを始めること
一ヶ月が経過しようとしていた
その間
幾度と無く
僕はこんなことをしている場合ではない
そんな声が頭の中をぐるぐると回り
今すぐどこかへ生きたい気がするも
彼女のことが頭にちらつき
まるで蛇に絞められた蛙のように
ぐうのねも出さず
ただただ深夜の誰も来ない時間を
遊泳する深海魚のごとく
ただそこに突っ立っていたのである
「よお」
それはとずぜんいまから就寝しようとしていた
僕の部屋に現れた
しかしながら
いつの間にかそのミステリアスな雰囲気ははがれ
なにか
どこか
なんなのか
「何のようですか」
「いやたまたま近くを通りかかったから
それでデズニーシーの方はどうなのだ」
「・・僕は富士急で、さらには吉田のうどんでもと考えていたのですが」
「何を言っている、来年あたり、ヘドロの上に立つディズニーシーが水没するのだ
今のうちに見納めに行かなければならんだろ」
「確定事項なんですか」
「ああ、だから行くのだ」
「・・・・・・」
かくして安い広告に載っていた
そんな旅行のプランの奴を2シート買うも
そのときになって
僕は何をやっているのだ
そう思わずには居られない
だいたい彼女は何だ
僕とどういう関係だ
そんなことをうじうじ悩むくらいであれば
こんな関係ぶっつりと物理的に切ってしまった方がいいのではないか
精神的にも
そうだ
こう思うことは幾らでもあった
しかしながら
それが真実であったことは
一度としてないではないか
僕はそう思いながら
それでもこれは経験だと
きづつくのが分かっていながら
購入に踏み切るのである
「・・・・それはどういう格好ですか」
彼女は泥棒ネズミか突混みを入れたくなるような
通常運行以前に
その服装は
ジャージだった
黒いジャージ
「・・・っえ・・・視察でしょ東京」
「・・・あのすいません、あのハート眼鏡
あれはいったい何なんですか
それにガストとか言うのも」
「・・・だから悪の秘密結社と
それに立ち向かう組織の秘密兵器」
「・・・・それは電話じゃだめなんですか」
「・・・・君は、音の消去法を知っているか」
「防音設備とか」
「ブーーーだ」
「・・・・・」
そう言う人には見えなかったが
こうも無機質にいうことではないと良うことから
・・・いや同じか
「全く同じ音を流せば
それは互いにおとを消し合
音をなくす
これはその効果がある」
「むりでしょ、黒さんが言っているのは地震を起こすものでしょ
それと同じくらいの力がここにあるとは」
「だから秘密兵器なんです」
「・・・・・・・」
かくして僕たちは
ディズニーシー
旅行チケットのプランのはずが
なぜか下町に来ていた
これなら
東京行きのバスだけで良かったはずであり
大体どれでけばすがい者の人を説得したと思っているのか
まあ、こういうハプニングがそれほどきらいじゃないからいいのだけれど
それはあま、それほど今回の旅行先が気になっていなかったことに由来はすくなからずする
もし浜田山集会なれば
僕はそれを断固拒否するだろう
伊勢花菖蒲園でも、全く同じことがいえる
もし北アメリカなどと言ったら
僕はすぐにお彼女との縁を切りかねない
もし縁があればだが
もしお寺の人に言わせれば
もう縁はあります
縁は切れません
などというのであろう
どちらにしても東京にいた
そこはすべてが人で埋め尽くされている以外には
イベントがある地域という観念が僕にはある
そう
イベントがあるから
都会なのであり
イベントがなければ
そこは実につまらない
灰色都市と思え
まさに
モモの灰色男達にも劣るような
そんな世界に思ってしまうのである
僕はそう思いながらも
なにやら双眼鏡で
先ほどからバス内からのぞきでもしているような
そんな隣の黒ずくめの女をみたが
この人は先ほどから久しく行わない会話を試みるも
「はあ」とか「ええ」
なんて曖昧な言葉でそれをかわすのであり
僕としては通常運行のごとき
実に無意味な行動にも見える
チャージに行動を移す
すなわちは
ひたすら睡眠をむさぼるという
実に排他的誘惑なのである
まあ、それが誘惑かどうかと言えばそうだが
どちらにしても人は睡眠が結果的にも止める極上の行動に思える
その頂点には
きっと睡眠があるはずだ
まあ、しかしながらバスは到着すると
彼女はいつの間にか降りる準備が完了しており
僕はそれに続くわけであるが
ここまでが一応の今回の良そうないの行動であり
このあとが予想外なわけだ
僕はなんとかバス会社と話を付け
彼女のあとをおう
しかしながら
その彼女の目には
あのハート眼鏡がかけられていた
「それ何なんですか」
僕の答えに対して
たいした話は得られなかったにも関わらず
しかしながら、物事という物は
実に遠慮なく進行する
彼女はリュックさっうを背負うと
派手なとおりから
徐々に徐々に
まるで沈むように
果たして戻れるのか心配になるような感じに
その細い路地の中を歩いていくのである
僕としては
もうかのじょの後を追うしかないが
しかしながら
果たしてこの移動は
一体どうなるというのだろう
僕はされどやはりまあどうしても
行かなくてはならない
なぜなら帰り道が分からないのである
彼女は迷うことなく
ただ突き進んだ
しかしながら
そうだからと言って
この人が迷っていないと言いきれるだろうか
いや言い切れない
しかしながら
確実に進んでいるその人間は
果たして本当に行き当たりばったりで進んでいるかなんて言うのであれば
きっとNOなのであろう
しかしながら何か目的があるかどうかも実に気になるところではあった
それはどこかに向かうというよりかは
その道道に不意に立ち止まる
それがどうもこの道にいる理由に思えたからだ
「しかしなんだ、どうだお昼でも」
僕は何となくそう言ってみる
「いえ」
彼女は僕の方を向くと
手をこちらに垂直に向けた
それはまるでバスを止めるかのごとく
いやタクシーか
どちらにしても
犬に対して
待て
その姿勢である
僕はそれを見ながら考える
果たしてこいつは何に対して待ってほしいのだ
それはたぶん
今から話をするな
そう言うたぐいだろうが
もしかしたら昼は要らない
そう言う感じなのかも知れないが
しかしながら
別の言葉をつなげようにも
その手が降りることはなく
僕はただ黙って彼女を見ているしかない
「・・・・・」
それは路地裏で
しかも見ず知らない場所で
果たして何やってるんだと自問自答しているが
しかしながら自問自答して
答えが出ることは
ほとんどが実にいい加減であり
すぐにひっくり返されないことが多いが
しかしながら
ひっくり返すことは誰でも出来る
しかし
それを遂行することが実に大変なのは
もう大変であり
何がいいたいかと言えば
考えているうちに
脱線電車が
別の場所にその進路を向かわせていたと言うことである
「・・・近くで地震が起こる」
彼女がそう言って手をおろすかおろさない内に
僕はかすかな揺れを感じた
それはビルが揺れるなんて言う
そう言うほど大きな物ではない
それはわずかに感じるほどであり
すぐになくなったことから考えて
そこまでおおきくないのかも知れないが
「・・・何で分かるんだよ」
「来る」
彼女が言った
そのときだった
僕は一瞬空中に投げ出されるような気がした
それは実際には半分合っていて
もう半分は間違っている
実際には
片足が空中に投げ出されるような
まるで
下から突き上げるような
そんな揺れだった
僕は一瞬何があったか分からなかったが
しかし
分からないからと言って
いつまでも分からないような難解なことではない
今さっき彼女は地震が来ると言った
確か言ったような気がする
しかしだ
どちらにしても
もしそれが地震であった場合
それはいわゆる
初期微動のような先ほどの地震から
本来の大きな
それこそ
余震の次の地震なのではないだろうか
そう考えれば
二回来た意味が分かるような気がする
しかし
果たしてどうだろう
「どういうものだ」
僕は何がどう言うのか言ってから気がついたが
しかし
それでも彼女を見ると
もうはしっていた
僕はここにとどまることを選択できず
彼女が走る方へとはしった
そこになって
僕はひどい状況になっていることに気がついた
あたりのビルは半壊しているものがほとんであり
その壊れかけているようななかを
彼女は疾走していた
果たしてどういうことだ
彼女はなぜ予知できた
そう言えば
眼鏡がすごいとかなんとか
しかしながら
僕は今現在
残念なことに
その眼鏡を持っていた
いつも彼女がなぜか持っているので
つられて持って持って来ていたのであるが
しかしながら
いざ自分がこれをするとは思っても見なかった
大体普段かけても
なんかよく見えないし
太陽なのかどうかは知らないが
赤く光ったりするが
それが何か意味を持っているかと聞かれても
たぶん聞かれないとは思うが
聞かれても
答えに詰まり
結局無辺とうということになりそうだ
しかし
僕は走りながらそれを付けたとき
目の前には
黒い世界ではなく
白い世界が広がっていた
あたりがすべて白っぽく
いや
すべてが数学の図形のような
そんな要点だけの簡素な物へと
そう、線だけのような
僕はそれを唖然と見ていたが
唯一僕はその世界で色のある物をみた
それは先ほどみた女性であり
黒であった
僕は彼女のあとを追った
しかし
いくら追っても
運動量的に
きっと、体躯かいけいか
どちらにしてもまるでスケートでも乗っているかのように
白い世界を抜けていく
僕は賢明に彼女をおう
しかしそんなときになって気がつくことがあった
この世界に動くものが居ない
果たしてどういうことなのか
僕はただそう思うしかない
もしかしたら物と思っているだけで
ボクは人をふんずけているのではないか
・・・・・
しかし今の僕は
彼女と離れる方が心配であり
今にも爆発しそうな呼吸をなんとか落ち着けとなだめすかせながら
なんていうペース配分を
などと思いながらも
僕は彼女のあとをおうのである
それはしばらくはしった頃合い
彼女はふいに立ち止まった
果たしてなんだろう
僕もそう思いながら
ようやくかのじょの近くにたどり着くと
僕はそこで眼鏡を取った
そこで始めて自分が地下鉄にいることに気がつき
そして目の前に電車が止まっているのにも気づく
「・・・・・乗るのか」
僕は聞く
しかし彼女はうんとももんともせずに
こちらをハート眼鏡がかけられた顔で向く
「・・・・」
彼女は僕が見えているのかは知らないが
コクリ
とうなずく
「・・・・」
しかし僕の考えが正しければ
地震のすぐ後は電車などと言う物は
動かないのではないだろうか
しかし僕の意思とは反対に
その電車の扉は開く
そしてなお驚くことは
人が一人も居ない
それどころか
その電車の行き先は一つしかない
「如月」
果たしてどこだろう
この場所に行くためだけの
市電なのだろうか
どちらにしても
知らなかった
「どこ行くんだ」
それはぐもんだろう
行き先が一つしかかかれていないのに
これ以上聞く意味は
しかし彼女は怒りもせずに・・・
いや眼鏡でその表情の大多数は
分からないであるが
「・・・支社の国」
「・・・・何それ・・・新しいテーマパーク・・にしてもなかなかマニアックというか・・シュールというか」
「死者」
「・・・・・四捨五入」
「・・死んだ人の国」
「まさか」
しかし脳裏では全く持って信じられなくもないのではないかと
そう思わずには居られない
と言うのも
これだけ奇っ怪なことが寄せ集められて目の前に繰り広げられているのだ
今更嘘
なんて言う言葉がすぐに出てくるほど僕のこの状況に
翻弄されて
流され
いう気力も
反論する気もすぐには出てこない
「・・帰ってこれるのか」
彼女は心配になるくらい
あっさりと
普通に
すぐに
コクリと頷いた
果たして大丈夫だろうか・・・
その場所はすぐちにかを抜けて表に出た
しかしその風景はこれと言って不思議なものではなかったが
唯一よく分からないのは
いつの間にか夜になっていたとこだ
電車になぜかはっ付けてある
アナログ時計は
0・22を指していたが
これがはたして
午後なのか午前なのか
どちらにしても
午後ではないとは思うが
だとしたら僕たちは
ここに来るのに
東京に着いた
午前九時から
ずーーーーと
走り回ってここについたことになる
あり得ない
さすがにこんな時間休みもせずに走り回ることは無理だ
それにそんな長い距離を走ったとは思えない
しかし短くはなかった
どちらにしてもこれは不可解であり
先ほどまでたぶん明るかったのに
いきなり暗くなる理由が不明である
「どこに行くんだ」
僕は窓の外を完全に見ていない目で向いている黒いかのじょに聞く
しかしそれは振り返ることなく
ハート眼鏡をずらすと
僕の方を向いた
僕は一瞬その目が真っ暗な
洞穴のように見えたが
しかし
すぐに地下にはいってしまい
その真相は
オレンジ色の地下の明かりでさえ
確かめることは不能である
しばらくして損点滅する地下の蛍光色が
突然開けたような白に変わり
そこが外に出たことを知るが
またしてもおかしなことに気がつく
「おかしい」
そう、おかしのだ
なぜ先ほどまで暗い夜だったはずなのに
いきなり真っ昼間にトンネルを抜けるとなっているのか
まさか、タイムトラベルトンネルとかなんとか
そんな物にはいって
いつだか知らないが
夜から
いつかの昼に
タイムトラベラーしたか
または
まんま夢落ちなのか
しかしながら
先ほどこけたときに
しっかりとした激痛を味わっているから
それはないだろう
しかし
なぜ夢で痛みを感じないのか
もしかして夢での激痛は
時として人を死に追いつめるほどのことがあるかも知れないから
それでないのだろうか
それとも
夢は
自己進化ようの
思想ロボットなのか
そう、人体ではとても
耐えられかねないような
そんなことにでも耐えられる
痛みを感じないからだ
それに類する・・・・
そこまで考えたとき
「そろそろ降りるよ」
彼女はそう言って
そう言った
そう、言ったのだ
ただ口をわずかにうごかすが
しかし見間違えかも知れない
いつの間にか雨が降り出していた
外は曇り空だ
そして彼女は揺れる車内で喋るも
もしかしたら
気のせいかも知れない
しかしたしかに僕は聞いた
それは腹話術のように
もしかしたら空耳なのかも知れない
しかしおかしいのは
その声に
電車の
ガタンゴトンという
そんな音が聞こえなかったことだ
混じらなかったことだ
まるで直接
心という
外部接触しかできない期間に
直接ズカズカと
土足ではいられ
それでそんなことを言われたような
どちらにしても
それはいまきがついたが
いつの間にか遊び半分
ふざけ半分
そんなひどい精神状態の中
彼女について来てしまったせいなのか
それとも今二人でかけている
ハート眼鏡のせいなのか
どちらにしても、もう付くらしい
世の中は移り変わりが激しい
しかしそれは表面上のことであり
中身はけっしてたいしてかわらないようなきがする
それはすなわち物事という物は
いつも不変であり
変わるのは生半可な心である
その生半可な心は
すなわち
物事を正しく見えないようにしていることで
かずおおくの失敗を生み出し
新たな進化への手助けへとしようとしている
それは
人は幸福より
不幸から逃れたい
不幸から逃れたいから
幸福をも止める
それはどこまでも潤しようのないことで
永遠に固執した乾きの中でいきることになる
結果的に僕はあの後
実に悲惨な目にあったわけであるが
これもどちらかと言えば
どうでもいいことの一つなのかも知れない
世の中という物は
自分以外が回っているにも関わらず
正しさとは結局だれも持っていない
あるとすれば
それはすべてであり
またそのすべては不変でありながら
また風化を余儀なくされる
それを知ったときに
人は本来の姿を見るのだろうか
「もう起きなさい」
僕はふとめを覚ますと
そこは先ほど乗っていた電車であった
「あれ」
「もう終わった」
彼女はそう言って何も見ていない目を
外に向けていた
「・・・・・」
僕は考えていた
果たしてあれは本当のことだったのだろうか
ようやく帰りの電車に今乗っていたが
疲れて寝てしまったらしい
しかし
あのこの電車より遙かに大きな魚は
いや、あれは怪獣と表現すべきであり
僕は夢でも見ていたのではないか
そう思うが
車内の至る所に
まるで切り裂いたかのように
風景を覗かせている傷跡
それを見るとあながち間違いだと認められない
そうなるとどう言うものだろう
どう言うものでもないだろうが
すなわち僕は帰ってきたらしい
しかしながら
彼女は腕に傷を負っていながらも
まるで化粧の一部ですとでも言うように
平然とそこにたっていた
僕たちはしばらくして
人が居る駅に着くと
そこは地震など無かったかのように
人々が誰とも視線を合わすことなく
それぞれの向かうべき方向に
まるで吸い込まれたゴミのように
意思無く帰っている
果たして帰りかいきかはそれこそ確かめようがない
しかし
僕は彼女のあとをおうしかない
それだけである
僕はしばらくすると
あることに気が付いた
彼女が徐々に消えているのだ
「・・おっ・・・おい」
僕は人混みの中彼女を見ていた
しかし彼女は何事もないようにある居ているようには見える
見えるが
何かおかしい
しばらくして僕は都会の地上に出ていた
ここまで来てようやくあの行きに来たバスの場所だと分かったけれど
そのとき僕の目の前に
彼女はほとんど居なかった
いや、
それは正しくは
ほとんど見えなかったと言うべきか
彼女の周りが徐々ににじみ
彼女までもそのじにみに吸い込まれるように
僕は思わず彼女の手を掴もうとした
しかし
それはれ以外無く
どうもおきまりのように
僕は何もかも忘れてしまったように
ただそこに突っ立っていたわけであり
ふと見るとそこには
彼女が持っていたであろう
あのハート眼鏡があり
しかし
それもまた例外ではないようで
消えていく
僕はただその嘘のようなこうけいを
嘘のように見ていたが
しばらくしてバスが来ると
僕は少し怪訝そうな顔をされながらも
バスで地元に戻るのであった