神聖グラティン帝國2 雷斗視点
エタッテイルわけじゃありませんよ
俺の名前は姶良 雷斗。
鹿児島県出身だ。
そんなことはどうでもいい、俺は今、敵地のど真ん中にいる。
どうしてだと思う?それは、ジャックに騙されたからだ!
ひどいと思わないか?
まあ、俺が最初望んだことなんだけどさ。
え?Mだって?なわけないでしょ。
俺がMだったら魔裟斗君までもMだよ。
「やあやあ、ようこそ。イルピー国の勇者さん。ここは僕、グラフティラナランが相手になるよ」
「グラフティナン?いや、グラフテイル?グラフ…グラフティラなんちゃら、受け手たとう」
「君、失礼だよ。僕の名前はグラフティラナランだよ。まあ、みんな噛むんだけどね仕方ない君もこれからこう呼びなさい。グラフティナさんと」
グラフティラナランはそう言う。
「わかりました。グラフティラナランさん。あ、言えた(笑)」
よかった。ぐらふてぃなさんってなんか省略していて失礼だと感じていたし。
敵だけどな。
俺は遊び、こんな茶番を終わらすため、戦う時に起こる緊張感を出し、相手に察しろと言わんばかりに相手の目を見た。
すると、相手はそれを察してか戦闘態勢に入った。
「茶番は終わりだ」
「僕もそう思っていたよ。皆、この人には手を出さないようにね」
グラフティラナランは部下らしき人しにって俺の方を見た。
この地に、冷たい風が吹き、一つの枯葉が俺とグラフティラナランの間をふわりと風に任せて飛んでそれが下に落ちた時、勝負が始まった。
グラフティラナランは自分の懐から短剣を幾つも取り出した。
八つ程取り出すとそれを自分の指と指の間に挟み、俺に向かってそれらを飛ばしてきた。
「結局投げてんじゃねぇかよ!?」
投げるなら普通に投げろよこの野郎と俺はそう思うが俺はまだ攻撃を行使する気はない。
まず、相手の弱点を見なければならないからだ。
魔法には属性というものがあり、火は地に有効。だが、水には半減という相性というものがある。
まだ、あいつが何属性と決まったわけではないので俺はそれを伺う。
たが、それにも一つだけ例外がある。
それはジャックの存在だ。
ジャックはどんなに不利な相手でも不利な属性で殺していたりする。
それは魔力が多いのと魔力濃度が濃く、澄んでいるからだ。
この3条件が揃わないとジャックの芸当は真似出来ないだろう。
「いつまでもにげているばかりじゃ体力を消耗するだけだよ」
何こいつ人がみんなに説明している時邪魔してくるんだよ…これが戦闘というものだな。
雷斗はそう思いながら、グラフティラナランに向かってこう言い放った。
「そっちこそ短剣投げ過ぎたら無くなるんじゃないのか?」と。
短剣は無限にあるわけではない。
そのうち木の棒でも投げてくるに違いない。
俺はその可能性を願いながら飛んでくる短剣を弾き、掴み、投げ返している。
幾つかの剣が俺の頬をかすめたりはしたが、まだ双方共にダメージというダメージは受けていない。
これはもはや体力戦となっているだろう。
「さっきからちょこまかちょこまか逃げやがって【ファイアアロー】」
グラフティラナランは無詠唱で火属性の魔法を発動し、それを俺に向かって飛ばしてきた。
なるほど。魔法は掴めないし弾けないだからこう来たのか…
だが、お前はこの魔法を放つことによって墓穴を掘ったことになるだろう。
今更後悔しても無駄だ。
「お前は火属性単品だな」
「単品?よく言っているわけがわからないけど僕は火属性と闇属性持ちだよ。その2色だけだよ。うん…」
おいおい敵にそうやすやすと情報を渡すのか?魔導具で一応真偽を判定したけど嘘ついていないみたいだし…
こちらとしては相手の弱点属性がわかっていいけどあちらは得していないんじゃないかな。火と闇なら水と光か…
俺、一応勇者だから光の二重属性、聖を使えるけど水属性魔法は残念ながら得意じゃないんだよなぁ。
一応契約精霊的な生き物は近くにいるけどそれも火と木の混合種だからな…
仕方ない光属性魔法で攻めるしかないか…
俺はそう考えながら相手の次の行動を伺う。
グラフティラナランは今度は近くに落ちている刃が欠けた短剣を拾った。
そして、それを修復魔法でか修復してまた、俺に向かって投げてきた。
それも、魔法付与でだ。
「君が勇者だからね、光属性と対になる属性、闇属性を付与しているから当たると、どうなるかわかっているかな?」
「もちろん。重度の場合、その人の心が邪悪に染まり、勇者の場合は堕ちた勇者となるのだろ?」
「わかっているじゃないか。でも、この短剣に付与したいるのは闇属性だけじゃないからね?」
グラフティラナランはそう言って何処かに転移した。
「何処だっ!?」
俺はキョロキョロと周りを見渡すがいない。
そうか!上だな。
「【諸刃の剣】」
グラフティナランは俺に向けてその忌々しい剣を振り下ろしてきた。
「ぐっあぶねえ」
俺は足元にあった短剣でその一撃を受け止め、グラフティナランの動きを止めた。
「【イルピー国に伝わりし禁術第四、第1条。我が敵、グラティン帝國皇帝ギース直属部下グラフティナランに神樹の鉄槌を下す。まず、胴に鎖を、手首に鎖を、足首に鎖を永遠に動かせんようこの地、神聖グラティン帝国に封印する。第2条。その鎖で永遠に閉ざさりしとこに住まうもの、グラフティナランに幾千幾万もの聖なる剣で刺し殺せ】」
俺はイルピー国に伝わる禁術を唱え、こいつを地に縛り付けた。
そして、こいつの周辺を何処かに転送した。
俺は、操っているものに違和感を感じ、それを詠唱しながら握りつぶしかつ、刺し殺しの刑にした。
今頃血塗れだろう。
「あれ?グラフティナランさーん」
「グラフティナランさーん」
「おい、雷斗。お前何をした?」
魔裟斗がそう俺に聞いてきた。ので、俺は血塗れの服装を見せて察しろというような雰囲気を出した。
「なんだ?その察しろという雰囲気は?」
「じゃあ察しろよ!殺してきたよもう…」
雷斗は魔裟斗が察してくれなかったという残念さと自分が犯罪者以外で始めて人を殺したというなんとも複雑な感情を抱いていた。
次ようやくジャックとギースの対戦です。
戦争編は後に改稿します。
では




