神聖グラティン帝國2/現在
「あーあ、まだ平和に過ごそーと思っていたんだけどなー。責任とれよ?この世の穢れよ」
と、確かに7つの大罪の契約者はそう言った。
7つの大罪の契約者、ギールは血塗れの剣を懐から出す。
そして構えてそれを魔裟斗に目掛けて振り下ろした。
キィィィッ!!
魔裟斗の刀とギールの剣は火花を散らしながら相互、押したり押されたという一歩も譲らせていない。
「中々やるな」
「お前こそ……だが、俺には秘密兵器がある。それはこれだ」
ギールは戦っている最中、自分の右手を出した。その時、魔裟斗はこう思った。
"もしかして、自分の右手に眠る真の力をここに解き放つ"だとか厨二なことを言わないよな?
と。
だが、期待を裏切らず、ギールは
「自分の右手に眠る真の力をここに解ーー「厨二病……だが、お前にいいことを教えてやる。お前の右手になんも眠っちゃいねぇ。眠っているとしたら何処かの細菌だろうな」」
と、途中から魔裟斗に邪魔をされるが、最終的に言い切った。
だが、魔裟斗の言葉を聞いたギールはそんなことはないそんなことはないぞ!!と言い聞かせ、衝撃的な事実を叩きつけられてボロボロになった心を癒し、再び元の態度へと戻った。
「おい、厨二病患者!早くその右手に眠る力を出したらいいんじゃね?(笑)」
魔裟斗がそう言うと
「ふっふっふ。いいだろう。【さあ、降臨せよ!!我が右手に眠る世界を混乱へと導いた7つの大罪、暴食のベルゼブブよ!!】」と言って召喚させ始めた。
ベルゼブブはまるで神のように似合わないキラキラとした装飾をつけながら降臨してきた。
兵士は神に拝み、市民も自分の安全よりもそれを最優先してしている。
それを見た『鴨』とヴァルマインと魔裟斗は唖然している。
そして、「「「「に、似合わねー」」」」
と皆でそう言っている。
「さあ、私のパートナーが降臨したところでだ!ここに盛大な花火を打ち上げてやろう。【大噴火爆裂】」
そう言うと帝都のいろいろなところに火山ができ、噴火した。
それは市民を巻き込み、焼き殺しながら川のように流れる火砕流や、空から降ってくる軽石。それらはまるでこの戦いを歓迎するかのように降ってきている。
「【比良概羅流、抜刀術一式 空斬り】」
その刃はまるで空間を引き裂いて行くような感じに地面や建物、火山や雲を切り刻んで行く。そしてその刃は7つの大罪の契約者の目の前に来たが、ベルゼブブに防がれた。
「【我、7つの大罪の暴食の契約者、ギールが我らが部下、アギエル、アモン、カイムをここに召喚する】……あいつ逃げようとしているな…よし、殺しに行こう」
ギールはそれらを召喚し終えると"あいつ"を殺しに何処かへ去って行った。
だが、その場には悪魔と呼ばれる者どもが魔裟斗を睨みつけている。だが、そのうち2人はキョロキョロと辺りを見回している。
「おい、そこの人間。ここはどこだ?」
カイムは魔裟斗に指を指してそう言った。
「あの……質問の意味がわかりません。ただ、俺お前らの敵だから死んでもらうぞ」
魔裟斗はそう言ってカイムに向けて再度【空斬り】をした。
ズシャッ。
そのことによってかそのような音が確かにした。
「何……?」
「人間、私はここが何処かを尋ねているのだ。質問に答えよ」
魔裟斗は自分の横腹を手で押さえつけながら立ち上がる。すぐに傷は癒えていき、数分後には傷は塞がっていくはつだった。だが、いつもと違う。魔裟斗の傷は広がって行き、血が徐々に出て行くばかり。意識は薄れて行き、喋るのがやっとのくらいになっている。だが、悪魔は無傷でポキポキと指を鳴らしている。
「ここは……お前らのいる地球と違ったところの世界…俺もこの世界の世界名は…ら…お前…を呼……だのは7つの……罪、ベルゼブ…ブ……」
バタンっ。
この時、魔裟斗は倒れ、それを見たヴァルマインや魔族はこれを見てこいつらを相手にするのは無理だと思い、木龍と共に撤退した。だが、魔裟斗を置いてだ。
魔裟斗は悪魔に拾われ、カイム達はとりあえずここで息を付くのだった。
「カイちゃんどうする?」
アモンはカイムにそう聞く。
カイムは魔裟斗の鞄を漁りながら答えた。
「そうだな……ん?これは……」
カイムは魔裟斗が持っていた地球の写真や日本の沖縄で撮った写真、イタリアへいって撮った写真、フランスにいって撮った写真などいろいろな写真を見て思わず声を漏らした。
「どうしたのー?ってまさか…」
「そのまさかだな……まさか同じ世界の出身だったとは……」
カイムはその時の年号を見て、今は何年経っているかを思い出している。
魔裟斗が地球から消えたのは1999年。現在は2013年。14年経っている。そして、魔裟斗は122640年前にやってきたことになる。
そして理解した。
もう帰れないのだと。
「くっはっはっはっはー…はあどうやら俺らは異世界に来ちまったようだ」
カイムは笑ながらあとの2人に言った。
後の2人もそれにつられて笑う。
「さて、こいつを少し回復させて旅に出るぞ」
「カイちゃんがそういうのなら賛成ー!」
「同じく」
そして、3人は魔裟斗を治療し、担いで何処かへ拉致って行った。
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一方、ジャック達は……?
「朝か……」
(ねえ、ジャック。神聖グラティン帝国で戦争っぽいものがあったみたいだよ)
その念話を聞いたジャックは"何!?"というような顔をして身を整えながらエンに何かを聞いた。
(えーっと、神聖グラティン帝国は第2,3,6帝都壊滅と敵軍、『鴨』と魔裟斗とヴァルマインのうち、魔裟斗が死亡したっぽい。だけどこの情報は嘘だね。今もなお生命反応を出しているし、その横には今は同じ理のもとだけど明らか地球の理のものだよ)
(炎龍、ここは私に任せろ。代わりに説明するが、昨日、神聖グラティン帝国に7つの大罪の契約者が召喚した悪魔、カイム、アモン、アギエルが魔裟斗と共に行動しているというわけ。他の情報は、木龍が神聖グラティン帝国の兵士の4割殺したとか)
(おい、ヒョウ。何か忘れているぞ)
ーもういい、お前ら。俺は今から急いでメサイアと共にイルピー国に帰還しようと思う。
だからヒョウ、今ここに姿を現せ!
ジャックが念話でそう言うと、ドスんっと氷竜が召喚され、地面に着地した。
偶然近くにいた毒龍は何かびっくりして隅によっている。氷竜は咆哮して周りの木々を凍らし、朝方の景色にダイヤモンドダストをプラスして神秘的な雰囲気を醸し出している。
だが、そんな氷竜に宣戦布告したものが現れた。それは…?
『やい!私の聖域を穢すなこの雪だるま!!』
ブチッ。
『うるさい!!私は誇り高き氷竜だぞ!!準となの付く雑魚がほざくんじゃねえぞ!!』
「……………」
ジャックはそんな二人?を見ながら黙って毒龍が凍りつくような顔をしてその攻撃の撃ち合いをしている中に入った。
しばらくすると、その中から瀕死状態の氷竜が毒龍の真横に、木龍はその氷竜の上にのしかかるようにジャックに片付けられた。
それを見て毒龍は唖然している。
「ジャック、なんか騒がしーー!?龍が3体龍3体!?」
シェルヴェアは気絶している氷竜と木龍、唖然している毒龍を見て腰を抜かして立とうと頑張っている。
だが、ジャックはそんなことに気を配らず、氷竜の顔の近くの地面を力込めて踏んだ。すると、氷竜はビクッと体を震わせる。
『おい、ヒョウ。早く契約証に戻れ』
『は、はいっ!!今すぐ戻ります』
氷竜はそう言って光の粒となって契約証に戻って行った。
「シェルヴェア、いつまで腰を抜かしている?後、俺はメサイアと共にもうすぐ、学校に戻るからな」
「あ、ああ。わかった」
ジャックは屋敷からメサイアを呼んで倒れている木龍の近くに行き、木龍の脳天にチョップを入れ、起こした。
『いつまで寝ているんだ?早く俺らをイルピー国国都イルピー、イルピー魔導学院に連れて行け』
『いっいやー、少し話をーー『うるさい。早く俺の行った通りにしろ!!』……はい。すいません…乗り心地最悪でしょうが、お送りいたします』
木龍はそう言って乗りやすく翼を地に降ろした。
「じゃあ帰るよ、メサイア」
ジャックはお詫びも合わせてメサイアをお姫様抱っこして木龍の上に乗った。
それと同時に木龍は羽ばたき、イルピー魔導学院へ向かって飛んで行った。
カイムとはソロモンに関係している悪魔です。
悪魔というよりも序列53番目で30の何かを率いっている魔神の一人だそうです。




