神聖グラティン帝國1
俺の名前は比良概羅 魔裟斗。
神聖グラティン帝國の元勇者だ。
俺の知り合いのジャックという奴に神聖グラティン帝國が近々戦争するという話を調べにさっき城に忍び寄ったのだが、失敗だ。
もう兵士に部屋を囲まれている。
「貴様、何の真似だ?」
「何の真似?そんなの決まっている。戦争を遅くするためだ。いいからそこをどけ」
「断る。勇者……いや、元勇者魔裟斗!貴様をここで捕縛する」
捕縛?んなことできるとでも思うのか?俺はこれでも魔王に擦り傷負わせたぞ。
え?例えが微妙って?んなの気にするな!
「やれるものならやってみろ!!」
魔裟斗は走りだし、剣を抜いて片っ端から兵士の首を撥ねていく。
「貴様……ええい、怯むな!やれぃ!!」
兵士は魔裟斗から逃げるものもいるが、少しでも時間を稼ぐが、瞬く間に斬られていく。
その時、魔裟斗の何かが変わった。
「なんだ?その様は?帝國兵士?はっ雑魚だな。最高に楽しめるとでも思ったのによ〜……あ"ぁぁ?なんだその目は?殺されて欲しいのかあ"ぁぁ!!?」
魔裟斗は手の平を兵士の指揮者の額にくっつけ、その兵士の頭を何かが貫通した。
それは手ではない。剣でも刀でも固体というものではない。
それは……
「どうだ?俺の魔力砲は?中々役に立つだろう?……役に立たないのか……まあいい。これには他にもこういう使い方がある」
魔裟斗は1人をとっ捕まえてその人の額に前と同じくくっつけた。その時、魔裟斗は魔力でその兵士の頭の中、体内を掻き回して内臓と内蔵のつなぎ目を破壊し、血管は千切らせ、リンパは完全に破壊された。
体中から体液を撒き散らし、体内で動く魔力の塊をちと外気に晒したり、鼻から紅の液体を出したりしてその兵士は死んだが、魔裟斗の変態人形として成り代わった。
ちなみに、この技を考えたのは2代目魔王である人物だ。だが、2代目魔王はこの世には存在せず、ただ、宇宙の中心で蠢いているだけである。
まあ、その話は今後も今も関係はないと思われるが。
魔裟斗は宮殿の中を進んで行く。
だが、その時……
「しまった!!転移魔法陣とか仕掛けているだと!?」
とだけを残して何処かへ飛ばされた。
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「痛かった。うん?ここはどこだ?」
魔裟斗は何故か、南国の島にやってきていた。
海水は澄み渡り、空は青空。
砂浜は整っており、自然が感じられる。
気温も適温で泳ぐにはもってこいの日だ。
「そういえば俺って血塗れだな」
よし、ここで少し泳ごうか。
俺といえども血塗れのままだと不快で仕方が無い。
魔裟斗は重装備を外し、海に飛び込んだ。
そして、血を洗い流してゆく。
一時間ほど、魔裟斗は遊び終わると、重装備を着て森の中に進んで行った。
進んで行った魔裟斗は龍と軍隊が戦っているところに遭遇した。
「神聖グラティン帝國の軍隊……これがイルピー国に攻めるためのものか……そして、あちらは準7大龍か……」
軍事介入という言い方は変だがこれは介入しないとな。
準7大龍に乗れるかもしれないという機会だし、一緒反逆したら帝國が楽しいことに……
第3帝都滅ぼしてやるぜひゃっはーーができるかもしれないな。
一度反逆と言うか魔王みたいなのやりたかったんだよな。
いつも勇者勇者って何かうっとおしいしな。
魔裟斗はそう思いながら軍隊の中に堂々と突っ込んで「【暗黒物質】」と呟いて軍隊を丸々何処かへ消し飛ばした。
正しくいえば軍隊は地面にできた黒い空間に吸い込まれて行って軍隊はこの世から消え去った。と言った方がいいだろう。
正直なところ、こいつも最強でもある。だけどジャックがいるから最強と名乗れない。それ以前にこいつはこの作品の主人公ではないからあんまり威張れない存在に属する。
雷斗やメサイアやフラン、ティア、クリュ、ヴィールン、ヴィレオスはまだ主要キャラだから出る余地があるが魔裟斗はあくまで毎回最後らへんで出てくるからあんまり目立たないと思う。
この編が終わったら多分だけど第二章の最後まででないかもしれない。
「あぁ悲しい。こんな力を持っているのに主人公になれないという悲しさ。まあいいさ。如何あれただ、あのジャックを越えればいいのだから」
魔裟斗は天を見上げながら、そう悟った。その時、魔裟斗の後ろに緑色の龍がやってきた。
『人間、あ奴らを何処かへやってくれたのは感謝するが私の聖域になんのようだ?』
「いや、あの軍の紋様は神聖グラティン帝國のものだから一緒に仕返しをしに行きましょうか?というものでして……」
それを聞いた木龍はよかろうといい、魔裟斗を乗せた。
「ついでにあいつらに連絡とっとくか……」
魔裟斗は何か魔導具を出して何ものかと通話し始めた。
〈おい、ヴィールン。頼みがある〉
〈なんだ?お前とも戦友という仲だからある程度のことはしてやってもいいぞ〉
〈じゃあ、今すぐ神聖グラティン帝國に『鴨』を派遣して欲しい。俺は今から神聖グラティン帝國を潰してくる〉
〈何?この俺を差し置いて戦争だと?……いいだろう。ただ、2年後に復興できる程度にしておけ。いいな?〉
プツリと通話が途切れ、音が消えた。
「よし、じゃあ頼んだ」
木龍は頷き、音速を超える速さで神聖グラティン帝國へ向かって行った。
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神聖グラティン帝國では
「勇者魔裟斗の裏切りか……」
ギール、7つの大罪 暴食のベルゼブブの契約者は皇城のとんがっているところに立って空を見ながらそう呟いた。
現在、帝國では静かな風、丁度いいくらいの風が吹いている。
帝國の領土は地球で言うロシア連邦ぐらいの大きさである。だが、ジャックの世界はそれでもまだ中くらいの方である。
ジャックの世界の大きさは地球の3倍あり、重力は同じである。
自転は25時間で公転は364日である。
地球とは少し時間が違うのである。
だが、地球でいう1日はジャックの世界で言う1年で例えその世界へ来ても地球ではあまり立っていないことも良くあった。
話を戻すが、神聖グラティン帝國の領土は四つの大陸をまたがっている。
一部は魔大陸、アトランティス大陸などに…
水産資源が豊富で領海も大きい。
そのような神聖グラティン帝國領空にある、龍と人間、そして、魔族の大群がやってきた。
それを目撃していた7つの大罪の契約者はようやく、動いた。
「やっと追いついたか」
そんなことも知らない魔裟斗は追いついた魔族を見てそう言った。
だが、魔族はそれを聞かなかったことにして戦闘に集中した。
「じゃあ、俺はここで降りる。木龍、お前はブレスでも派手にはなって軍基地を滅ぼしておいてくれ」
魔裟斗は飛び降り、何か魔法を発動させるためか重力に体を任せた。
魔裟斗の体はものすごい速さで落下して行く。
「…………【衝撃波】」
魔裟斗はパッと目を見開いてそう言ってから手を地面のすぐ近くに近づけた。
ドガンッ…ドガガガガガガガガガガッ。パリンッ、ガタガタガタ…ガシャンッ。キィーーーーーン。
などという地面が崩れ、それが周りに広がり、建物などを巻き込んで都市、第3帝都を破壊してゆく。また、魔車というのがレールから車輪が取れ、建物に突っ込んで次々と壊して行く。
パキパキ…バゴンッ。
そんな時、ある地面からとある人物が現れた。その人物とは
「相変わらず元気にやっているな」
『隼』序列4位の大気操作者のヴァルマインだった。
ヴァルマインはヴィールンに聞いて地下から駆けつけてきたのだ。
ヴァルマインは鉄片を手に取った。そして……
「【発射】」
といい、風力だけで鉄片を飛ばした。
その鉄片はものすごい速さで建物の基礎を貫き、それと同時に光を放ち、その光で周りにいる兵士の目を潰して行く。
兵士は今、
「目が!目がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
と叫んでのた打ち回っている。
「ざまぁ」
ヴァルマインと魔裟斗がそう言った時、よう役この戦いの中心人物が現れた。
「あーあ、まだ平和に過ごそーと思っていたんだけどなー。責任とれよ?この世の穢れよ」
次回、7つの大罪の契約者と魔裟斗とヴァルマインの戦い
です。




