大会を終えて アトランタ国と文化祭前編
「よぉ〜シェルヴェア。大会を終えてすぐに文化祭ってだるくね?」
「あくびしながらいうな。後、それは仕方ないことなんだよ。だいたいいつの日からこの日なのかもわからないし、わかったとしても特になんの変化は得られないだろう?」
へぇーこいつなんでそんな今年ってんだろう?って言うかこいつが出るときって毎回戦闘系の前かその後ぐらいだったよな?ってことは今回も戦闘とかあったりして......
面倒だ。
ジャックは心の中でそう思いながら教室のドアを「ジャック!!教室はそっちじゃない!!」開けようとしたとき、シェルヴェアがそう叫んだが、もう遅かった。
ジャックが開けた部屋、それは更衣室だった。更衣室を開けたジャックはもろに見てしまったのだよ。
「あれ?教室こんなところだったっけ?..........」
と、知っていないかのようにその場に立ち尽くす。まるで、シェルヴェアの言葉を無視し、自分からその道を歩もうとしたかのように。
そして、ジャックにこの後、幸運?いや、不幸?が訪れる。
ジャックのいる部屋、そこにはなんと着替え中のメサイアがおり、なんとも偶然に絶対逃げれないという不幸。
メサイアは別の話で説明したように、時や空間魔法を感知できる。
例え、ジャックが見てしまっても時魔法で飛べば大丈夫なのだが今回もそうはいかない。
そして、その時がやってきた。ジャックがなんか変なところに来てしまったと、ドア(更衣室内は鏡がついています)を開けようとした時、そこには…
「............」
え?どうしてこんなところにメサイアさんがいるの?しかも だし。
きづいてないよね?絶対にきづいてないよね?そうだよね?皆、うん。と言ってね。
え?今、どんな状況かって?
それは鏡にメサイアのはd.....
「なんで更衣室にジャックがいるかなぁ?」
メサイアはメサイア独自の殺気を出しながらジャックに言った。
「い、いやー、教室の場所忘れてしまって.........まさか、Eクラスの反対側にあったとは.......はい、すいません。申し訳ございませんでした」
ジャックは土下座しながら言った。
「どうしようかしらね〜。このままみんなにバラしてやってもいいんだけどね」
と、ジャック的に1番やって欲しくないことをやろうとしているメサイア。
ジャックはそれだけは勘弁と首振ってお願いします。それだけは勘弁を!!と叫んでいる。
「じゃあ、あれね。文化祭後の休みの時、首都にある高速魔導の駅、イルピー駅の北口にいるから来なさいよね」
ジャックはそれを聞くとはい、わかりました。と言って時と空間魔法で転移で廊下に出た。
「あ"〜あ飛んだ不幸だ。せっかく次の休みこそ南国に行こうと思ってたのに」
ジャックは机にもたれかかりながら隣の席にいるシェルヴェアにそういった。
「あの時ちゃんと言ったぞ。聞いてないお前が悪い。俺はなんの関係もないし、俺のせいでもない。あそこにいるメサイアとその部屋に入ったお前が本当に悪い」
シェルヴェアは数学の問題を計算しながらジャックに答えた。
ちなみに、この世界の数学は16,17歳から始められ、数学という名前はついているが、やっているところはせいぜい掛け算、割り算ぐらいだ。
この問題を例えば雷斗がやったとしたら雷斗が満点、1位を取ることになるだろう。
「そうだよな.....やっぱり俺が悪いだろうな...
....後、シェルヴェアお前全問不正解だぞ。っていうかお前99×99+49×30も出来ないのか?」
ジャックは何故あの時、未来予知せずに学校に来なかったんだろうかと後悔しながらシェルヴェアの間違いを本人に何の気遣いもなく直で行った。
「じゃあ答えはなんなんだよぅ......」
「それを俺に聞くのか?まあいい。答えは11271だ」
まったく。これぐらい筆算で解けるだろうが。馬鹿だなこいつ。
ジャックはそう思って自分の席に再び座ろうとしたが、シェルヴェアの机の上に何かの冊子があって、それが何かを確認するためにシェルヴェアの机からとって中身をみた。
書いてあったのは1-Eの文化祭の計画書だった。
どうやらシェルヴェアは運営委員ならしく、1-Eの担当をしているそうだ。
候補としては、魔獣の卵採集、魔獣奴隷屋、使役魔獣講座、ジャックとヤマサメの3分クッキング、魔国ヴィレオス自治領産の天然ヤマサメの卵屋という案が出されていた。
このヤマサメの卵売り場は誰が提案したかというと、ジャック本人だ。
ジャック曰く、遅れてきた詫びだ。
ならしい。
ジャックは自分のとってきたヤマサメの卵のうち、1000分の1(10kg)を1-Eと学校に寄付したのだ。
学校に寄付したヤマサメの卵は先日の大会優勝パーティーの時に振舞われた。
「シェルヴェア、算数の計算はもういいから運営委員の仕事やってこい。俺は少し用事があるから今はいない。と言っておいてくれ。魔獣の卵は俺が仕入れる」
ジャックはそう言って窓から飛び降りて下に着地してからアトランタ国へと向かって行った。
近く?の森にやってきたジャックは早速邪竜を召喚してそれに乗って属国アトランタ国へ向かった。
「いやー、やっぱり邪竜ってやばい感じの何かを出しているけど速いねー」
ジャックは海、海水面すれすれのところを飛んでいる邪竜が映っている水面をみながらそう言う。
海水面は邪竜によって大きく水を飛ばしながら波がたち、やがては大きな波へと進化して行った。
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同時刻のアトランタ国
「はあ、いつまでたっても俺は魔王ヴィールンに勝てないのか........にしても今日、晴れていて風もないというのに海が荒れているなぁ」
勇者魔裟斗がアトランタ国の防波堤でグランと共に釣りをしている。
「何時ものことだよ」
「やべ、ちょっと俺用を足しに行ってくる」
勇者魔裟斗はそう言って防波堤から離れ、誰も見えないようなところで用を足し始めた。
その時、
海水面スレスレで移動していた邪竜が
ゴォーーーーーーっとものすごい風の音を立てながら魔裟斗の頭上、約3cmのところを通過した。
「なっ!?さっきのは邪竜?!」
魔裟斗は当たり前ながら少し遅れて反応して好奇心旺盛な子供のような感じになった。
そしてーー「おい、魔裟斗!やめろって!俺はまだ釣りをしたいんだよ!!」ーーって叫んでいるグランをひきずりながら邪竜の着地したところ、ヒクトリカル山の五合目へ走って向かった。
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「危なかったなダーク」
『そうだな。もう少しであの小便臭い小僧に小便かけられるところだったは』
ダークとジャックはうんうん。と、うなづきながらダークは契約証のところに戻り、ジャックは追ってがいないかを確認して帝國国都ミレルヴァとアトランタ国国都アトランテへ向かった。旧国都は現在、魔王軍最新鋭の『隼』に所属するリーフィンという女魔族によって緑に変えられ、自然環境を取り戻している。隼には災害使いのヴィールン、霊力使いのラースン、圧力操作のパースン、大気操作者のヴァルマイン、精神操作のフィーラ、変態なニャルラ、妖怪使いのドロン、創造者のシェンミアとあと1名を合わせてできている組織でもある。
変態なニャルラはおいておいて、ほかの大気操作者のヴァルマインは62代魔王であった人だ。
大気操作者、といっても窒素や二酸化炭素、酸素などの量を自由に変化できるということだけだが、彼はこれでもその能力で神聖グラティン帝國の国土面積の3分の1を消し炭にしたことがある。まあ、そんなことどうでもいいが。
「帝都ってそれなりに近いからいいよね〜」
ジャックは独り言を言いながら走る。
その時、
「君、ここら辺で邪竜を見たんだけど消えちゃって.....知らないかな?」
と声をかけられた。
「お、ジャックじゃねぇか」
「なんだ。負け犬さんとグランじゃねぇか....」
あ、つい言っちゃった(笑)
なんで負け犬さんって言ったかというとな、負け犬のような台詞を言っていたからだ。
どんな台詞かは言わないがな。
「俺は負け犬さんじゃねぇ!!俺は誇り高き神聖グラティン帝國 勇者の魔裟斗だ!!名前くらいちゃんと覚えろや!!」
うーん。声でかいねぇ。
「で、負け犬さんここで何を?」
「負け犬さんじゃねぇってんだろうが!!......じゃあこうしよう。俺とお前がこの都市にあるフィールドで戦う。お前が勝ったらなんとでもいえばいい。ただし、俺が勝ったら俺のことを神聖グラティン帝國勇者の魔裟斗様って呼べ!!」
「いいだろう。早くそこに連れて行け、お前のプライドを否定してやろう」
俺が勝ったら誇り高き神聖グラティン帝國勇者の"負け犬さんな魔裟斗様"って呼んであげようかな。
ジャックはくっくっくっと、笑ながら魔裟斗の後ろをついて行った。
次回、神聖グラティン帝國の勇者魔裟斗vsジャック/文化祭準備




