ジャックと世界龍
前の続きといえば続きだけど最初は話がわからないと思います。
この話は第二章への準備なので。
「よう、相変わらず地味な洞窟を住処にしているな、世界龍(原始の神)」
ある男は"世界龍"と呼ばれる通称"原始の神"にそう言った。
何故、地味と言ったか?
それは、神域だというのにもかかわらず洞窟、宝石なども一切なしに"自然"が味わえるだけのところだ。
地層は見えるからまだマシなのだが、それがなかったら言い方悪いが、ただの古代の牢屋みたいなところだ。
別に世界龍はこの世界に害をもたらしたわけではない。
単純にこの住処を気に入っているのだ。
その男にしては理解できていないみたいだが。
「なんだ7大龍の契約者.......いや、主神に成り上がった元人間というべきか?」
世界龍は7大龍の契約者、ジャックにそう返した。
ちなみに、ジャックが人間だったのは12歳までだ。
なりたての神なのだ。
ので、ジャックは原始の神である世界龍に度々質問などをしに来ている。
「どっちでもいい。だが、元人間は何かと気持ち悪い。だから一応人間にしてくれ」
「儂からしたらどっちでも一緒だと思うが?まあ、7大龍の契約者である一応人間君がそう思うのならば別に構わないが」
いや、何故両方使うのだ?
まず、人間君ってなんだ?人間馬鹿にしているのか?人間というのは実に愚かなものが多い?が、まとも君もいるぞ。
まあ、俺としちゃあリア充の方が死ね!って感じだけども。
「で、今回は何の用だ?」
「勇者召喚についてだ。お前は原始の神なんだろ?なら止められるだろう?あの異界の人間を無理矢理この世界に引きずり込むことを」
ジャックの目的、それは異世界から勇者召喚をやめさせることだ。
ジャックは雷斗、異世界人についてのことを心配している。
だが、全ての異世界人ではない。
自分達のせいで巻き込まれた人、勇者召喚と言う名の拉致をされた人のみだ。それらは単なる被害者でしかない。
が、転生者や侵略者は例外だ。
転生者の場合、自分の能力がチート過ぎて調子に乗って国を乗っ取ったり、潰したり、世界バランスを崩したりするから、見つけ次第、一生転生出来ないような体、もしくは地球の日本人から絶賛嫌われ中のGに転生させるかだ。
侵略者は徹底的に殺し、それが神の場合は能力を略奪してから平凡な人間にして、過酷な世界へ送還。
過酷な世界、それは冥界のことだ。たまに冥界は死んだ人が行くところだと思っている人がいるが、生きている人だって行けるのだ。そこに生きている人を送ると即死。
そして、其の後、冥王ハーデースや、冥王龍、冥界龍にしごかれるという最悪のシナリオ。
特に冥界ハーデースは働かないものを嫌っているので"働いたら負け"などを口にしたら速攻最悪のシナリオ。
または、ブラックホールに叩き込まれるかのどちらかだ。
ちなみに、冥界に存在しているブラックホールは特殊だ。
本来ならばブラックホールは惑星からガスなどを吸収して吸収したものを一切外に出さず、その中でどんどんと縮ませて行く。いや、圧縮と言った方がいいか?まあ、そんな感じのことだ。
話を戻すが、冥界にあるブラックホールに叩き込まれると、魂がブラックホールに吸い込まれて行き、吸い込まれていくと同時に魂が破損、破壊されるような痛みが発生し、その中で完全に消滅し切るまで永遠と続く。創造神でもひくのだから。
「帰すことはできる。だが、召喚を止めることは出来ない。申し訳ない。儂がこの世界をつくったのだが、勇者召喚法を作ったのは2代目だ。2代目は一応人間君に能力を吸収され、人間にされてからブラックホールに叩き込まれて消滅。儂はまずそのつくりが知らないから出来ない。3代目も同じく変な企みをしていたら冥王ハーデースの鉄槌と一応人間君の能力略奪のため現在地球ライフ中。それで4代目は一応人間君。できるのは一応人間君ぐらいだ。儂に言われても専門外だからなにもできん」
なんか一応人間君もムカついてきた......
普通にジャックって読んでくれればいいのに。そういえばそんな奴らいたなぁ。ゴミだったけど。
「でもできないのか?勇者召喚には聖石という石を使われている。それを生み出すもの、それすらを破壊してしまえば何の問題もないのでは?勇者送還はそれぞれの故郷への切符なのだから。そこらへんを地球の神と協力すればなんとかなるんじゃないか?」
アマテラス様とかスサノオ様とかカグツチ様や稲荷様とか玄武様、朱雀様や青龍様、白虎様などに.......あの世界神様大量発生中だし..........俺みたいに人間から神に成り上がったの多いし..........
「確かにそれでもできないことはないがこちらの理や彼方の理を崩す可能性があるから無理だ。儂らも流石に地球神に頼れん」
理か....彼方の世界、理厳しいもんな.........
科学という魔法の代わりとなるものは発達しているんだがな.....
魔法はあの世界には荷が重いか。
「確か勇者召喚されるものってほぼ死ぬの確定していた人だったよな?それなら一層の事これから召喚されたやつを転生者として地球に送り返すのはどうだ?」
「一応人間君のジャックよ、それは多種の世界の神々全てのルールに反している。例えそれが許されたとしても絶対に人間に生まれるかはわからない。菌類になるかもしれないし人間に生まれるかもしれない。そのことは神でもわからない。人間かどうかの決めては生まれてからにしかわからん。にしても、ジャックがそんなに熱心になるのがわからんな」
失礼な。人のプライド壊すのは熱心になるぞー!!最近壊してないけどな。
「いやな、勇者は一応あのうっとおしい女神の眷属であるけど、雷斗はこの世界に堕とされるような人じゃない。だから無事に送り返してあげようと思ってな。けど、あいつはこの世界の平和も望んでいるからそう簡単には帰る気にはならないだろうけどな」
あいつは心の中で重く考えていなかった。が、世界を背負うことはもう勇者とか魔王とかそんな奴らでもできない次元のことだ。
世界の平和、人魂の調整、破壊と創造がある限り絶対に平和にはならない。
世界には破壊と創造があってこそ成り立つものであり、それがなくなるとただの何もない星としかならない。
何もない世界。
全てが暗黒に包まれる世界。
光もなく、隕石、災害もない。
何もない世界とはそういうものだ。
何もない世界には生命は生まれない。魔力もないし、科学もない。
神すらも生まれずに放置され、いずれは世界が終わりを迎え何もない空間、音もない世界、何もないところで何もなかったかのように消えていく。
忘れられた世界。
侵略者すらも侵略しに来ない。
放置されている。
例え生命の危機だったとしても干渉せず滅びを待つ日々。
そんな世界は多い。
神は失敗作をちゃんと処分せずに置いて行くのだから。増えすぎた世界。その中に忘れられた世界はあるが破壊、創造の起きない。
世界の融合を待つのみ......
「随分と仲間思いになったものだなジャック。やはり下界に行かせたのが正解だったか。お前はまだ神になって日が浅い。下界で学べ、そうすればある程度通用する......っと時間のようだな」
「ああ。じゃあな、原始の神」
ジャックは世界龍の神域からスーッと消えて行った。世界龍の神域、それはこの世界の夢、人の夢などからしか干渉できない。
今までジャックが世界龍と会話していたのも所詮は夢でしかない。
「さて、俺はやるぞ。この世界の勇者召喚を止めることを」
ジャックは新たな目標をたてた。それはジャックのいった通りのままのことだ。
今回のジャックは本気だ。
ジャックは召喚に頼らずともこの世界が維持できるとわかっている。
そして、この世界の聖書にもそう書いてある。聖書には勇者召喚が終わった日が書かれている。聖書にかいてあること、それは1人の異界の少年と成り上がりの神がこの世界を救うだろう。と。
ジャックは少ない望みではあるがこれを信じ、今にも勇者召喚がなくなる日を待ち望んでいるのだった。
寝ている時が日常で一番幸せ。
少しだけ世界龍について触れておきました。
世界龍が出るタイミングは章の変わり目などです。次出すのは第二章のプロローグかな。
なんか最近終わり方が......
次回は......
ジャックの神モード=7大龍と融合した時、または超怒り狂った時のみ。




