君に向かって伸びる陽炎。
僕らの恋は所詮、いつわり。 いや、遊びだったのかな?
少しでも近づきたくって手を伸ばすけど、
僕のこの手が、君に届いた例は一度もない。
遠く。 遥か遠くに、響く声。 今は虚しさだけが残っている。
僕の愛はいつから、 こんなに虚しくなったというのだろうか?
あの夏祭り。 僕は君を誘うため、君の家まで押しかけた。
少し迷惑そうな顔をしていた君。 だけど、頷いてくれた。
僕は君に手を差し出す。 君はその僕の右手を握る。
少し緊張で震えていたお互いの手。 その時は、純粋だった。
いつから、僕の愛はこんなにも重くなったというのだろうか?
切れてしまった緊張の糸。
お互いを結びつけるのは、“束縛”の二文字。
別に隣に居る意味は、特にない。 だけど、使命感がそこには。
砕け散った心。 音をたてて、僕のところから去っていく。
気持ちがすれ違うたび、お互いはお互いを意識しなくなる。
いつから、僕は君の瞳を見なくなったというのだろうか?
あんなにも輝いていた僕らの将来。 あんなにも輝いていた君の瞳。
伝わらない想い。 届かない想い。 僕は初めから君を見てはいなかった。
遊びでの恋なんて、恋じゃない。 やっぱ、恋は本気じゃないと。