第1話 初陣
故郷を出てから2時間・・・。
俺達はとにかく東へと進んでいた。ただひたすら、歩き続けていく。
出発し始めた頃は、言い争いをずっとしていたが、進むにつれ口数は減っていった。
そんな時、クレアが紙を片手に持ちながら歩いているのが目に入った。
「なぁ、クレア。その紙にさっきから何を書いているんだ?」
クレアは待ってましたと言わんばかりに、胸を張って自信満々に答える。
「ふふん。地図を書いているのよ!私達が歩いてきた世界を一枚の紙に書き綴ることで、実際に旅に出ていない人も、世界はこんな感じっていうのがわかるでしょう?」
それは確かに、いい発想だ。軍や商人達に使ってもらえれば大いに役立つだろう。
「それを軍や商人に売りさばけばかなりの額になるわよ!大もうけよ!」
・・・そうだった。クレアはこういうやつだったな。
さすがは雑貨屋の娘。抜かりが無い。
俺はため息を付き、気を取り直して前を向いた。
しかし、前方に見慣れない物影があった。
「グルル・・・・・。」
一目でわかった。あれはモンスターだと。
犬型だが、大きさや眼の色、体中から溢れる殺気が普通の動物とは明らかに異なる。
やはり、街とは違いモンスターなるものが外に存在することを改めて認識した。
「おい、クレア!モンスターだぞ!戦いの用意は良いか?」
「大もうけ~♪・・・・って、モンスターですって?!あ、あれが?!」
クレアが現実に引きもどされ、突如現れた目の前のモンスターに呆気にとられる。
「用意はいいな?俺があいつと接近して足止めするから、クレアは魔術であのモンスターを倒してくれ!」
「え?!ちょ・・・ちょっと!待ちなさいよ!危ないわよ?!」
クレアの言葉を聞き流しつつ、犬型モンスターに接近する。
・・・見たところ、なかなか動きは敏捷だろう。反応できるか・・・・。
腰の剣に手を添え、モンスターに向かってダッシュしていく。
初のモンスターとの戦闘だが、うまくやれるだろうか。
最悪、死ぬことだって・・・・。
いや、死ぬことばかり考えても、仕方の無いことか。
俺が接近してきたのを確認したモンスターは予備動作も無く、いきなり飛び掛ってくる。
思ったとおりだ、こいつは早い。
【スラッシュ】では間に合わないだろう。
発動する前に喉元を噛み切られて、あっけなく終わってしまう。
そんなことはわかりきっていた。
だから俺は・・・‘あえて’鞘から剣を抜かなかった。
その時、親父から貰った剣が黄色い光に包まれ、無駄の無い、最速のスピードで鞘から刀身が抜けていく。右手で剣の柄を握り、ダッシュの勢いを活かしてそのまま剣を前方へ振る。
タイミングは、ピッタリだった。
俺の前方1mくらいのところで、モンスターと剣が触れ合った。
「セイヤァァァァ!!」
---ドンッ!!
まるで何かが破裂したかのような音だった。
いや、実際破裂していた。犬型モンスターの身体は木っ端微塵に消し飛んでいた。
・・・威力が強すぎたのか?そもそも今の技は一体なんだ・・・?
まるでその技が‘最初から’使えていたような・・・。
呆然と立ち尽くす俺の耳に聞こえる叫び声。
「生命の根源たる水よ。邪悪なるもの達に女神の怒りを天より降らせよ。【アクエリア・ショット】!・・・って、えええええ!!やっつけちゃったの?!避けて!避けてぇぇぇ!!」
なんか、空に魔方陣が・・・・。
そうだ、きっとだれかが魔術を使ったんだな。
滝のように強い水流が空から叩きつけられる。
「ちょ!まっ・・・!ゴボゴボ・・・・!し・・・しぬぅ・・・!!ごぼっ・・・!!」
こ、呼吸ができん。水ってけっこう痛いんだな。おまけにめっちゃ冷たいし。
寒い・・・寒い・・・。
ああ、段々意識が遠くなってきた・・・・。
気が付くと、俺は毛布を掛けられ、横たわっていた。
服は脱がされており、いまは毛布1枚で俺の身体を全て包んでいる。
辺りを見回すと、近くに焚き火が焚いてあった。
・・・クレアがここまで運んでくれたんだな。
しかし、そのクレアの姿が見えない。どこへいったのか。
とりあえず、焚き火にあたって待つとするか。
遅い。遅すぎる。
30分は待ったぞ。
俺は段々不安になってきた。
身体は温まったが、肝心の服がどこにも見当たらない。
仕方ない、もう少しだけ待とう。
「あ、気が付いたのね!よかった~・・・。」
15分後、ようやくクレアは戻ってきた。
「けっこう前から起きてたよ。にしても、どこに行ってたんだよ?」
「どこって・・・食料とか水とか集めてたに決まってるでしょ?」
・・・・ああ、説明していなかった・・・・。
「水や食料は3日分くらいは俺が持ってきたぞ?」
「えぇぇ!!聞いてないわよ!ったく・・・何のために探したんだか・・・。」
頬を膨らませるクレア。そんなこと言われても困る。
「てか俺の服返してくれ。このまますっぽんぽんだと色々と不安がある。」
「あ・・・そ、そうだったね。服、脱がせてたままだもんね・・・。ほ、ほらっ!」
俺の服を放り投げてくる。普通に置いてくれればいいのに。
さて、着替えるとするか・・・ん?
なんだか、不自然だ。服の繊維のサラサラ感が、ない。
ひんやりとしていて、繊維に水気が含まれている。
「お、おい・・・。俺の服、乾いてないじゃん!」
なんということだ。こんなものを着れば風邪を引いてしまう。
「あ、あれ?!・・・な、なんで?!」
「お前が焚き火の前に俺の服置いていけばよかったのに、持って行っちゃったからだろ!」
少し考えればわかるだろうに。
「だって、私が食料とか探している間に盗まれちゃったらどうするのよ!」
「誰が俺の服を盗むんだよ!」
普通、脱ぎ捨てられている服なんて盗むだろうか。
「そ、それは・・・と、通りかかった旅人とか!」
「俺が旅人なら他のやつが着てた、しかも濡れている服なんて絶対盗まないよ!」
「し、知らないわよ!そのまますっぽんぽんでいればいいわ!私こっちで寝るから、来ないでよね!」
逆ギレされてしまった。これは理不尽ではないだろうか。
とはいえ時刻はもう11時を越えているあたりだろう。俺も寝るとするか。
・・・・・眠れない。
どうにも身体がスースーしてしまう。
俺は初のモンスター戦闘を振り返ってみることにした。
あの時はやばかったな。動作が1つでも間違えれば死んでいたのではないだろうか。
モンスター戦闘というのはけっこうシビアなんだな。1つのミスで死に・・・。
しかし、俺はあの時なぜ【スラッシュ】以外の技を使えたんだ?
確かに【スラッシュ】はあの時使えないというのは頭でわかっていた。
【スラッシュ】以外の技が使えない俺はあのとき、本来なら慌てて逃げるか、適当に剣を振り回すくらいしかできなかったはずだ。
あの時俺は違う剣技を使っていた。剣が光で包まれていたのだから、紛れも無く剣技だ。
・・・シュウからもらったあの本に何か書いてあるかな。
案の定、シュウ直筆の本に、俺が使ったと思われる剣技の名前などが詳しく書かれていた。
この剣技の名は【イアイ】
鞘から剣を抜きながら、そのまま相手を斬りつける技だ。
ただし、この技は片手直剣限定。俺の剣は両手剣だから本来ならば使えない。
どうやら、使った剣の種類で名前が変わるみたいで、派生技として、しっかり記載されていた。
両手剣使用の場合は【アバランシュ】といい、威力が高く、クリーンヒットすれば相手は木っ端微塵に吹き飛ぶほどの威力らしい。
あの時俺が使った技は【アバランシュ】ということが判明した。
シュウの書いた本にはさまざまな剣技が載っており、その中でも気に入ったものを俺は練習することにした。
・・・・どうせ眠れないし、練習するか。
---ブンッ
---ブンッ
素振りを繰り返す。やはり先ほどの戦闘みたいに突然、技が使えるようになるケースは少ないようだ。
いま練習しているのは、上段から下段へと振り下ろす、基本技の【スライサー】
恥ずかしいことに【スラッシュ】しか使えてなかった俺はもう1つの超基本技の【スライサー】を習得できていない。今は難しい技より簡単なものから始めていくのが得策だろう。
1時間後
服が乾いたので、服を着てから再度トレーニングを始めた。
---シュッ!!
剣がオレンジの光に包まれ、斜めの軌道を描きながら上段から下段へと振り下ろされた。
これだ。どうやら習得できたらしい。
もう一度やってみる。
---シュッ!!
次も成功、もう物にしたようなもんだろう。
これで使える技が3つ。技のバリエーションが広がったが、今の歳で3つしか使えないのもなんだか恥ずかしかった。
「どうやら習得したようね。おめでとう。」
寝ていたはずのクレアが俺の近くに来て、話しかけてきた。
「すまない。起こしたか?」
「いいわよ、別に。それに・・・・さっきはごめんなさい。
素直に謝ってくる。なんか気味悪かった。
「別にもう乾いたし、いいよ。気にすんなって。」
「そう、なら良かったわ。・・・あまり無茶しないことね・・・・。今日のモンスター戦だって死んじゃうかと思ったから・・・。」
「んなもん、大丈夫だよ。俺は死なないから。」
こんなところで死んでたまるか。そのために俺だって強くなろうとしている。
「あなたは無茶ばかりするから、心配してあげてるのよ。・・・今日はもう寝ることね。明日の行動に寝不足で足を引っ張るなら置いていくからね。」
クレアはそのまま自分の寝床へ戻っていった。
・・・・俺も今度こそ寝よう。眠気が容赦なく俺の意識を奪っていった・・・。
翌日の朝。
どうも、外で寝てしまうと早く目が覚めてしまう。
時刻は太陽の位置を見る限り午前6時くらいか・・・。
身体を起こしてあたりを見渡すと、クレアが料理を作っていた。
「おはよう。何か手伝うことはないか?」
「ないわ。邪魔だからどこか行ってて頂戴。」
朝っぱらから邪魔者扱いである。仕方ない、剣でも振ってくるか。
技のキレを上げるため、既に使える3つの技を何度も繰り返していた。
やはり熟練者は同じ技でも、威力やスピードが初心者とは比べ物にならない。
シュウの【スラスト】なんて、初級技なのに中級技と同格の威力を持っていたと思う。
・・・あいつが上級技なんか放ってきたら俺なんてひとたまりも無いだろうな。
30分後
クレアの朝食ができたらしく、俺も剣を置いて飯を食いに行った。
肝心のお味は・・・。
「お、驚いた。これは・・・旨い。」
すごくおいしかった。なんていうか、微妙に隠し味も効いてるし。
「お前雑貨屋なんかならないで、料理人になれよ。」
そのくらい旨い。クレアがこんなに料理が出来るなんて・・・。
「ふふふ。そう簡単になれるものじゃないわ。料理の道は、長く、険しいのよ。」
「りょ・・・料理人って奥が深いんだな。恐れ入った。」
「まぁ、おいしいって言ってもらえたなら良かった。口に合わなかったらどうしようかと思ったわ。」
「こんな料理まずいっていうバカは舌が病気か何かなんだよ。」
「そんなにおいしかったの?おかわりあるわよ?」
「頼む。」
そんな感じで朝食を平らげ、また東へと歩き出す俺たちだった・・・。
どのくらい歩いただろうか。
体感ではすでに3時間は歩いている気がする。
周りの景色も、殺風景なもので面白みが無い。
「なぁ、ずっと東にばかりいってるけど、大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、シュウが東のほうにずっと進むと洞窟があるって言ってたから。」
「なんで洞窟なんていくんだよ。暗いし不気味だし、モンスターだってどんなのいるかわからないぞ。」
実際、洞窟に行くのはあまり乗り気じゃなかった。
「あら、びびってるの?そこの洞窟は希少な鉱物や薬の材料も取れるし、モンスターもまだ戦闘になれてないあなたにとっては、いい練習相手になるってシュウが言ってたわよ?」
なんだ、そんな理由があったのか。
「それなら別にいいけど。既にシュウがいってるのか・・・。」
本当はもっと遠くのほうへ行きたかったが、弱いままの今では自殺行為といえる。
さらに2時間が過ぎ、時刻が正午を過ぎようとしていた。
「そろそろ休まないか~・・・。俺疲れたし、腹減ったし。」
「男のクセにすぐにへばらない!もうすぐ洞窟が見えるはずだから、そこまでシャキッと歩く!」
全然近くじゃなかったね!かなり遠くだよ!
「あれか・・・?洞窟って。」
「そうね。入り口が大きいけど、暗闇で奥が見えない。あれだわ。」
東にずっと進み、俺たちのまえに現れた洞窟。
名称は知らないが、かなり不気味な雰囲気を醸し出している。
「ここで1時間休憩を取ってから中へ入りましょう。」
洞窟の近くで、昼食をとり、休憩した後俺たちは洞窟の中へと入っていった・・・。
「うわぁ・・・暗くて何も見えねぇ・・・。」
「あなたの得意の魔術で照らしなさい。」
得意って・・・1種類しか使えねぇよ。喧嘩売ってんのか、この女。
「ちっ・・・。しゃあない。精霊よ、聖なる光で闇を切り裂き、前に進むものたちの道標となれ。【フラッシュ】!」
俺が【フラッシュ】を詠唱し終わると、俺の身体から光が周囲に広がった。
「ふーん・・・。ダサい魔術ねぇ。実戦で使えそうに無いわ。」
「当たり前だろ!身体から光放つだけだし。」
「まぁ、術が発動した時はけっこう眩しかったわ。周りも見えるようになったし、進みましょうか。」
洞窟はひんやりしていて、少々肌寒い。
さらに、洞窟内部は外よりずっとモンスターの数が多かった。
奥に進もうにも、モンスターが邪魔をしてなかなか進むのにてこずった。
何度目かの戦闘の時・・・。
「ハァァァ!!」
「紅蓮の炎よ。怒れる龍の如くその力を解き放ち、邪悪なる者たちを焼き尽くせ。【ファイアー・ショット】!」
俺は今日何度目かわからない【スライサー】を放ち、クレアはあのモンスターの弱点である火炎系の魔術を何度も撃っていた。
たしかに、これを繰り返してだいぶ戦闘には慣れてきたが・・・。
「このままじゃキリがないわ!あいつらを一斉に葬る術ならあるけど、ちょこまかと動くし・・。」
そう、完全に俺達は疲弊していた。この長時間にわたる戦闘で体力もどんどん減っていた。
洞窟内は、飛んでいるコウモリ型モンスターが7割、その他のモンスターもちょくちょくいて、モンスターの群れが出来ていた。
「一掃できる術があるのか?!」
「ええ。だけどもう魔力も少ない。撃てるのは一度きりだし、標的がうろちょろと動いていると一斉には倒しきれないかもしれない。」
考えろ。チャンスは一度きり。
俺の技ではモンスターを一掃することは出来ない。クレアの術に頼るしか方法はない。
動きを・・・止める・・・?
ふと、俺達が洞窟に入ったばかりの時のクレアのセリフを思い出す。
---まぁ、術が発動した時はけっこう眩しかったわ。
・・・眩しい?
あいつらモンスターにとってはどうなんだろう。
普段、暗い洞窟の中で生息している奴らは、突然の光を受けたときどうなるんだ?
俺の予想が正しければ・・・。
この状況を打破するには、これしかない。
「クレア!その術を詠唱しておいてくれ!いまから光を消す、再び光が放たれた時にその術を撃て!」
「ちょ、ちょっと?!・・・もう、仕方ないわね。生命の根源たる水よ。荒れ狂う海の如く・・・」
クレアが詠唱を始めたのを聴いた俺は、そのままモンスターの群れの中心へ突入する。
クレアが目を丸くして驚いていたが、術の詠唱を途中で止めるわけにもいかなく、再度集中していた。
モンスターの攻撃をぎりぎりでかわし、たまに攻撃を食らっても、気にせずに突っ込む。
魔術【フラッシュ】を詠唱しながら・・・。
「・・・・の道標となれ。【フラッシュ】!」
群れの中心に到達した俺は、すかさずフラッシュを放つ。
身体から光が溢れ出す。
予想通り、モンスターは目を塞ぎ、動きが止まっていた。
「いまだ、クレア!こいつらを一掃するんだ!」
っと・・・そういえば、ここに居たらクレアの術が当たっちまう。
さっさとどけよう。今度こそ当たったらただではすまないだろう。
「・・・彼らをこの世の果てまで押し流せ。【アクエリア・ウェーブ】!」
魔方陣から大量の水が溢れ出す。その水は荒れ狂う海の如くモンスターを飲み込み、そのまま押し流していく。クレアは洞窟の入り口に向かってこの術を撃ったから、水はそこから外へ放出されるだろう。
「ふぅ・・・。いきなり何をしでかすのよ!絶対死ぬかと思ったわ!」
「説明している時間がなかったからしょうがないだろ。それに、半分賭けだし。」
確信はあったものの、やはり戦闘は何が起きるかわからない。
「あのまま【フラッシュ】が効かなかったら、あなたは殺されていたわよ?!わかってるの?」
「だけど、【フラッシュ】を使わないで戦い続けても、俺達は死んでただろ。」
そう、だったら使ったほうがなおの事いい。もしも【フラッシュ】が効かなくても・・・。
「あなた、効かなかったとしても、自分がターゲットになってモンスターに攻撃させることで、私に術を撃たせるつもりだったんでしょ?!・・・なんで、そんな無茶するのよ・・・。」
「なんのことだ?俺は絶対に死ぬつもりはないし、効くって確信があったから行ったんだ。」
「ふんっ・・・。勝手に言ってなさい。しばらく、休憩しましょう。身体を休めなさい。」
クレアは壁に寄りかかって目を閉じてしまった。
クレアの足元に薬を置いて、俺も薬を飲んでしばらく休むことにした・・・。
(悔しい。またグレイが私を助けてくれた。)
(いつだって、自分を犠牲にして守ってくれるのがグレイ。)
(弱いくせに、自分は強いと強がって誰かを守る。)
(結局こうして旅に出たって、私は守られてばかり。)
(これ以上グレイに無茶させたくない。このままだと・・・いつか死んでしまう。)
(それを回避するには、結局私が強くなるしかない。)
(そうだ、私が強くなればグレイに無茶をさせることもない。グレイを死なせることも、ない。)
(強くなろう。守られるだけじゃなく、守るためにも・・・。)
「そろそろ、いきましょうか。グレイ。」
モンスターを一掃してから、1時間。だいぶ体力も戻ってきた。
「そうだな。もうモンスターもあまりいないだろうし、進むか。」
俺達は出口目指して、再び歩き出す・・・。
「なぁ、出口はまだか~・・・?」
歩き出して30分。だいぶ進んだと思うが、出口は見えない。
「そうねぇ・・・。もうすぐ、だとは思うけど・・・。」
「この洞窟一体どこに繋がってんだよ。長すぎるだろ。」
「知らないわよ、出ればわかるわ。・・・あ、あれじゃない?!」
クレアが指差した先にから漏れ出しているのは薄い光。
やっと出口が見つかった・・・。
「いこうぜ!やっと外に出れる!」
「待ちなさいよ!そんな走ったら危ないわよー。」
光が漏れる穴へと一気に走る。
穴を超えるとそこにあったのは・・・。
「「・・・・え?はあああああ?!」」
天国から地獄に落とされた気分だった。
俺達の目の前にいたのは・・・巨大なモンスター。
この旅が始まって、何度目かわからないピンチだった。
次回はボスモンスターとの戦闘がメインになります。