3場面 孤立!?(前半)
今回はちょっと分かりやすくするため前半と後半に分けました!
風邪も治り元気になった次の朝。
僕は朝から一応は元気だった。
何故一応かと言うと・・・
まだ昨日のカレーの後遺症が残っている。
「うぅ〜。ちょっと腹いてぇ〜(泣)」
この少しの痛みって意外とキツイ。
また電話の着信音がなる。
「はい!もしもし?痛ててっ」
腹が痛いので声に出てしまった。
「おっはよ〜!ってどうしたの?何処が痛いの!?」
この人に言うとまた大変な事になりそうだから隠しておこう。
「いえ、なんでもありません!」
キッパリと主張。
「まぁそれならよし!」
こちらもキッパリと了承。
「そんな事より今日は学校行くんでしょ?」
「まっ・・・まぁ行きますよ。風邪も治りましたし・・・」
「じゃあ一緒に行こうか?」
「えっ!?いや・・・嬉しいんですけど・・・その・・・」
彼女と歩いている所を見られたら、男子からは殺意を向けられ、女子からは敵意を持たれる。
意外と彼女は男子だけでなく女子にも人気があるからだ。
「何でぇ〜?あたしの事嫌いなのぉ〜?」
めちゃめちゃぶりっこな声で聞いてくる。
それは反則ですよ。だって・・・断れないじゃないか!!!
「はい!喜んで御一緒させて頂きます!」
僕って本当に馬鹿だ。
「じゃあまたあんたの家に行くね!」
「え?またですか・・・」
(プツン。プープープー)
また切られた。
(ピンポーン!)
今日も来るのが早い。昨日よりさらに5秒位早いんじゃないかな?
うーん。凄い・・・。
って!感心してる場合かぁ〜!僕!
例のごとくまだパジャマだし、何にも支度してないし!
そして、またパニクる僕。
「待ちな!その扉に触れると火傷するぜ!っていうか待ってて!」
昨日に増して僕は何を言ってるんだろう・・・。
まず、学校の支度をして、服を制服に着替え、歯を磨き、顔を洗い、髪を整えた。
順番が変な気がするがパニクっているからしょうがない。
(ピンポーン!ピンポーン!ピン♪ドカーン♪ピンポーン♪)
何だ??何か今チャイムの音に爆発音が混じった気が・・・。
気のせいかな?
(ボコーン♪ドカーン♪バキッ♪ドスッ♪ぐはっ!おんどりゃ〜!)
えぇ!何!?何!?
扉の向こうで何が起きてるの!?
支度を全部終えた僕は恐る恐る扉を開けた。
そこにはにこやかな彼女の笑顔。
「もう〜!1秒遅刻だぞぉ!」
何故かスッキリしたような顔だ。
「今、外で何か起きてませんでした?」
「ううん!全然!」
うーん。ていう事は僕の錯覚かな・・・。
「じゃあ学校行こうか!」
「はい!」
家の前に人が何百人か倒れていたが気にせずに学校へ向かった。
学校へ行く途中幸いにも知り合いに一人も会わないという奇跡を体験していた。
学校に着き、校門をくぐると何故か僕達の周りに人が集まってくる。
「え?何?何!?」
すると、彼女は笑顔で言った。
「頑張ってね!藤宮君!」
あれ?キャラが変わってる?
っていうか頑張ってって?・・・。
彼女はさっさと校内に入ってしまった。
周りの人だかりは彼女が見えていないみたい。
「遠志・・・」
そう言ってきたのは僕の一番の親友の松戸 啓だった。
「啓!一体これはどういう事だよ!?」
「ふん!知れた事!貴様は学校のマドンナと付き合い始めた!」
「何でそれを!?・・・」
「何で知っているかはどうでもいい!とにかく・・・許せないんだよ!(泣)」
最後の方啓泣いてるなぁ・・・。よっぽど好きだったんだなぁ・・・可視さんの事・・・・・・ってこれはヤバイ!
「皆かかれー!」
「おぉ〜!」
よく見ると男子だけが集まったみたいだ。
「っていうか!これって逆恨みですよね!?」
「問答無用だぁ〜!(泣)」
皆が一斉に声をそろえ、泣きながら僕にとびかかってきた。
皆・・・そんなに好きだったんだなぁ・・・。
って!こんな事思ってる場合じゃな〜い!
「うわっ!ちょっと!きちんと話合いで解決しましょうよ!?」
「殺殺殺殺殺殺殺殺(泣)」
ヤバイ!皆、精神崩壊を起こしてる。
ここは逃げるが勝ちって事で・・・
「さよならぁ〜!」
僕は人混みの中を器用にくぐり抜け一目散に逃げた。
精神崩壊を起こしてる男子達はそれにも気付かず乱闘している。
まるで、ゾンビだ。
人間ってTーウィルスに感染しなくてもゾンビになるんだなぁ〜。
ここから僕の逃走劇が始まった!