2場面 お見舞い
彼女からお付きあいOKの返事を貰った次の日。
僕は猛烈に風邪をひいていた。
「はっ、はっ、はっくしゅん!」
豪快なくしゃみをする僕。熱も40度と結構高め。
「くそ〜!せっかくOK貰ったのに〜!(泣)」
ベットの中に潜り一人で悔し泣きしていた。
学校には親が勝手に連絡をして、さっさと仕事に行ってしまった。
その時、僕のケータイの着信音
「○タ●イマ○ョウ」が流れた。
「もしもしぃ〜(泣)」
泣きながら電話に出る僕。
「何で朝から泣いてんの?」
彼女からだった。
「え?っはい!何で僕のケータイの番号を?」
「ふふっ(笑)秘密の情報源から手に入れたぁ〜」
不適に笑いながら彼女は言う。
怖い!その情報源って何処だ!何処なんだ!
「えっと、それで何ですか?」
さっきの事は軽く受けながし聞いた。
「あんた今日学校休むの?」
「なっ何故それを!?」
「それも、秘密の情報源からぁ〜!」
何なんですか!その秘密の情報源って!いじめですか!
ていうか昨日と態度変わってませんか!
あきらかになれなれしいでしょ!
昨日は君付けだったのに!
「って事であんたの家行くんで宜しく!」
「っはい!?ちょっとまっ・・・」
(ブツン。プープープー)
きられてしまった。
また秘密の情報源から俺の家を突き止めるのか!?
やばい(汗)その情報源、なるべく早いとこつぶさなきゃ僕の情報がつつぬけ過ぎる。
(ピンポーン!)
はやっ!まだ電話きってから10秒もたってないんですけど!
ていうかまだパジャマだし!スウェットだし!
こんな姿を彼女に見られる訳には・・・。
(ピンポーン!ピンポーン!ピン♪ピンピン♪ピンポーン♪!)
どんだけ連打するんですか!しかも最後の方ちょっとリズムにのってるし!
急に来られたら誰だってパニックになる。
その時の僕の言動はこうだ。
「ちょっと待ってくだせぇ〜!今あけるっすから!#ΩΛ∬∩#±×≧≧≦!」
俺って何言ってるんだろう・・・。
とりあえず服を着替えて歯を磨き、顔を洗い、まぁ適当に髪型を整えドアを開けた。
「遅い!何分待たすの!」
「いや・・・僕、今病人ですし・・・熱40度もありますし・・・」
少々いじけながら言ってみました!
彼女の格好は・・・え!私服!
「何で私服何ですか!?」
「あたしも学校休んぢゃった!」
そんなにキッパリ言われても困る。
でも私服姿見たことなかったなぁ〜。
まるでモデルだ。可愛すぎる!
モデル並のスタイルでこんな綺麗な顔で、ここに来る途中一体何人の男がすれちがう度に振り返ったのだろう?
彼女を見ているうちにだんだん意識が遠のいて・・・。
「ありゃ?遠志?」
(バタン!キュー!)
何故か昔のお笑い芸人のネタみたいな音がした。
「ん?何かいい匂いが・・・」
何かの匂いで目を覚ました僕。台所から匂いがする。
ベットから起き上がりまだふらつく体をしっかりと立たせて台所に向かう。
そこにはエプロン姿の彼女!
「ん?目が覚めた?」
僕に気付き声をかけてくれた。
「その姿は?」
「見れば分かるでしょ!料理作ってんの!料理ぃ〜!」
何で最後叫んだのかは分からないが、意外と優しい所があって良かった。
でも彼女が僕のために料理を作ってくれる何て・・・想像しているうちに体温が上がってきて・・・。
(バッタン!ドッシン!)
効果音は置いといて僕はまた倒れた。
僕は夢を見た。
彼女が寝ている僕に近付いて来て、ジャンプして、僕の上にダイレクトアタックをしてくる。
「ぐぼっ!」
夢じゃなかった(泣)
お腹に彼女の全体重がのしかかり一気に目が覚める。
「ちょっ・・・ちょっと痛いですって!痛い!」
痛がっている僕をよそに彼女は額を僕の額につけた。
「っ・・・!!」
やばい!これはやばい!彼女の顔が間近だ。息が顔にあたる。
ほら、こんな事するからまた体温が急上昇♪
「熱い!熱いよ!熱はまだ下がんないみたいだねぇ〜」
あなたのせいです。あなたの。
「どっかに冷えピタ無いの?」
「多分あそこの引き出しの中にあったかと・・・」
「了解♪」
彼女はスキップしながら引き出しに向かう。
「ん?あれ?んっと・・・あった!」
引き出しの相当奥に入っていたらしい。
「これだよね?」
「はい。それです」
彼女は笑顔で冷えピタを僕の額に貼った。
「よっし!また料理作り再開っと!」
一体何を作っているのか?
この匂いは・・・カレー?
その時、彼女が料理を持ってきた。
「カレー作ってみました!」
「いやぁ〜カレーは大好きで・・・」
「何かあたしカレーだけは得意なんだぁ!」
確かに旨そう。
ただ一つグツグツに煮えていて物凄く熱そうな所以外は・・・。
「あのぉ〜。作ってもらって何ですが・・・ちょっと熱すぎじゃ・・・」
「そう?うちではこれが普通だよ?」
こんな熱い物を食えるあなたの家がどうかしてるだけです。
「でも、ちょっと・・・」
「分かった!あんた病人だし!ふぅーふぅーしてあげるよ!」
「えぇ!そんなっ!」
彼女はカレーをスプーンですくい、息を吹きかける。
その光景を見ている僕はカレーの気持ちが凄く分かる。出来る事なら交代したい。
「はい!あーん!」
カレーが乗っかったスプーンが僕の目の前に差し出される。
確かにもう熱くはなさそうだ。
だが!いいのか!?いいのか僕!?
少し考える僕。彼女の顔はあいかわらず笑っている。
そして、決意。
口を小さく開ける僕。
「もう少し口開けないと入んないよ(笑)」
そう言われもう少し口を開く。
(パクッ)
うん!確かに美味しい。幸せだぁ〜!
今僕は幸せと言う山の頂上に居る。
そしてそこで、
「くそ〜!旨いぞバカヤロ〜!」
と叫んでいた。たが、山に頂上から一気に急降下して行く。
「辛っ!うわぁぁぁ!辛すぎ!」
後から来る辛さ。幸せから一気に絶望へ・・・。
「み・・・水!水を〜!」
「え?そんな辛かった?唐辛子を5本とラー油を大さじ5杯入れただけなんだけど・・・」
そんなに入れ過ぎだぁ〜!
普通それの半分以下だよ!人殺す気ですか?毒殺ですか?
いや、この場合、辛殺ですか?
「でも、家ではこれの2倍は入れるよ(笑)」
笑いながら言うなぁ〜!
笑顔が眩しい!何でも許しちゃう!
「まっ・・・まぁいいよ。ぐふっ!作ってくれてありがとう。うぅっ!」
あまりの辛さに僕は吐きそうになりながら必死にお礼をする。
「そう!?じゃあ今度はもっと本格的なカレー作るね!」
「止めてくれぇ〜!それだけは!」
そして、この日はあまりの辛さに胃が痛くなり、ずっと唸っていた僕でした。
どうでしたか?
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ありがとうございました。