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花と飴  作者: ふかとも
19/20

18場面 舞踏会(前編)

さてと…すっきりした遠志です。実は僕が仮死状態になった日から夏休みが始まっていました。

確かに休みじゃなきゃ皆僕の家でお酒何か飲まないですもんね。


いやぁ…うかつでした。本当…。だって…。


夏休みの宿題聞いてない!!

どうしよう……。可視さんにでも聞いてみようか?とそこに電話が来た。


「…もしもし」


ちょっと暗そうに電話に出る僕。


「あ!遠志?あたしあたし!可視だよ!」


絶好のタイミング!これは僕えの天の恵みか!?


「可視さんですか!ちょっと教えて欲しい事が…」


「何?」


「夏休みの宿題を教えて下さい!!」


「あぁ!宿題?聞いてなかった!」


キッパリ言うなよ!ってどういう事だ?


「あぁ。何か沖坂先生が『可視ちゃんは可愛いから宿題無し!』だってさ!」


あんのセクハラ教師ぃ〜!



「それと愛理ちゃんと紗香ちゃんも聞いてないみたいだよ。同じ理由で」おっと…これはまずい…非常にまずい。啓もきっとあいつの事だから聞いてないだろうし…。


「あ、そういえば何か用事ですか?可視さんから電話が来ましたけど…」


「あぁ!そうそう!ちょっと一回あたしの家に来て欲しいんだ!話はそれから!」


一体何だ?


「はぁ……別にいいですけど……」


「じゃあ決まり!早く来い!」


可視さんがそう言った後僕が返事をする前に電話が切れた。

何で命令形!?

それと気のせいか電話の向こう側で大勢の人の声がしていたような…。

とりあえず可視さんの家に向かった。






「こんにちは〜!可視さ〜ん!」


僕は気の抜けた声でチャイムを鳴らしながら可視さんを呼ぶ。

すると玄関が開いてドレス姿の可視さん登場。




ドレス?




何でドレス!?


「もう〜遠志!遅かったじゃん!とにかくさっさと着替えて!田牧たまき!」


「はい。お嬢様」


何やら執事みたいな人が出てきた。いやぁ…でもこの人…すっごい筋肉がムキムキ何ですけど…。

人間って見かけに騙されたら駄目ですね…。


「って!ちょっと!何処に!」


僕は田牧さんに担がれて何処かに運ばれる。


「今暫くご辛抱下さい。遠志様」


いやぁ…何やらマッチョの人が丁寧な言葉を使うと背筋が寒い。マッチョのオカマを見た時より激しい寒気が…。






「はい。完了ですよ」

田牧さんに無理矢理…というより抵抗する前に着替えさせられた。スーツに着替えさせられていた。我ながら結構似合ってるんじゃないですか?


「え〜と田牧さん?一体何があるんですか?」


「舞踏会がこの瀬倉グループ主催で本日執り行われます。それにさいしまして啓様には可視様との社交ダンスを行って頂きます」


「はい!?」


ちょっと待て!僕は産まれてこのかたダンスなんてした事が無いし、見た事も無い……と思う!


「待って下さい!僕は一度もダンス何かした事…」


「それは承知しております。可視様からその事に対して伝言を預かっています」


「え?本当ですか?」


「わたくしと練習しろとの事です」


「……」


マッチョな執事と社交ダンス?ありえん。


「いや…それはちょっと…というより舞踏会は何時からなんですか?」


「午後8時からです。ちなみに今は午前10時です」


「今の時間は別に言わなくても…」


「読者様への配慮で御座います」


おお!田牧さん!執事の鏡だ!読者にまでちゃんとした配慮をするとは…。マッチョだけど…。


「仕方ない…田牧さん…可視さんのために練習しますか!」


「はい。了解しました」


それから僕と田牧さんの地獄の特訓が始まった。




「ほらここ!もっと腰を落として!情熱的に!!」


いやぁ、田牧さん人格変わるなぁ〜。田牧さんをパートナーに踊ってるんですが…凄い厳しいです。これでもかという位に怒鳴ってきます。

初心者なんだからもう少し優しくしてくれてもいい気がしますが…。


「ほら!呆っとしない!」


「はいっ!」


何か泣けてきた…。


「泣かない!」


「はいっっ!」


とにもかくにも田牧さん教え方は上手い。全く踊れなかったのに一通り踊れるようになってきた。

社交ダンスって意外と楽しいですね。





現在午後6時



だいぶ田牧さんとのダンスにも馴れ僕も段々とダンスが上手になってきた。


「中々呑み込みが早いで御座いますね。遠志様」


「いやぁ、楽しかったからじゃないですか?」


「では、そろそろ時間で御座いますのでお心のご準備の方をお願いします」


「はい。分かりました。ちなみに今日は一体何の舞踏会なんですか?」


「今日は可視様のお父様の章介様のお知り合いの方々が集まる舞踏会で御座います」


「――という事は偉い人ばかりですか?」


「はい。皆さん社長クラスの方々、秘書等々の方々がお集まりになって頂く予定です」


「失敗は?」


「許されません」


「そんなぁ…」


まさかそこまでのパーティーだった何て……。うかつだった…。僕、本番には弱いからなぁ。


「あ。ちなみに言い忘れましたがこの舞踏会、瀬倉グループの面目がかかっていますので…」


重っ!このパーティー重っ!通りで田牧さん僕に対して真剣に教えてくれた訳だよ!


「では、遠志様。こちらへ」


田牧さんが手招きをして僕を案内する。僕は何だか浮かない表情をしながら案内された方へと歩いて行く。

かれこれ1時間位歩いただろうか?ていうか何て大きい屋敷なんだ!疲れた!こんなだと舞踏会が始まるまでにへとへとだよ…。

すると、少し大きな扉に辿り着いた。


「さぁ、こちらです」


ゆっくりと音を立てて扉が開かれた。

そこには…



何やら花より〇子で見たような雰囲気のダンス会場。もうちらほらと人が集まって来ている。




現在午後7時



舞踏会の開始まで残り1時間。



「あ!遠志!」


可視さんが人と人の間から出てきて僕の所に走ってきた。何やら物凄いドレスを着ている。走ってよく転ばないものだ。


「田牧。遠志はちょっとはましになった?」


「はい。度肝抜かしますよ」


「ふ〜ん。言うわね。遠志。ちゃんと田牧の面目守りなさいよ?」


意地悪そうに可視さんが言う。


「はい!任せて下さい!可視さんはもちろん!田牧さんにも恥はかかせません!」


「始まるまで後30分少々です。可視様、遠志様。ご準備を」


田牧さんが軽く会釈をしながら僕達に言う。


「分かってるわよ。こっちに来て、遠志」


「あっはい!」



更新が凄い遅れましたm(__)m

今受験勉強が忙しくてあまり更新出来ません…。

ですが少しずつ更新していく予定です。

これからも宜しくお願いしますm(__)m

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