12場面 副校長の悲劇
“テスト翌日”
今日は珍しく一人で登校です。いつも可視さんから電話がくるんですが……今日は来ていません。
一人でとぼとぼと歩いていると啓が登場。
「っよ!今日は可視さんやら愛理さんやらと一緒じゃないのか?」
なにやらにやつきながら僕に聞いてくる。
「たまには一人もいいだろ?」
ぶっきらぼうに言ってみる。何故ならテストの事でストレスが爆発寸前だったから。
「ふられたのか?」
(プチッ)
僕の中で何かが切れた。
「なわけあるかボケェ〜!」
啓の顔面に強烈ストレート!
「フガッ!」啓が吹っ飛んでいきました。よし!ストレス発散!
そして、また歩き始める僕。
「ちょ…ちょっと待てよ。悪かったよ。俺が悪かったから」
そう言って僕を追いかけてきています。
「るさい!」
啓が僕に追いついた瞬間にまた顔面に裏拳。
「ホガッ!」
本日二度目の見事な吹っ飛びだ。
啓が倒れたままぴくついているが気にしないで学校へ。
そして、とうとう運命のテスト返し。1日で丸をつける先生方。お疲れ様です。こっちはいい迷惑だ…。
結果
オール満点!
人生初めての満点!僕は嬉しさのあまり逆立ちをしていた。
『何でだよ!』
そこで一々作者は突っ込みを入れない!
『いや!そこは主人公として!いや!人間として変だ!』
別にいいじゃない!
『いや…でも…』
っとここで可視さんと愛理さん登場。
「遠志君!オール満点だって?良かったじゃない!」
「おめでとうございます」
「いやぁ、照れますね。そういえばお二人とも何点だったんですか?」
「「オール120点!」」
二人揃って自信満々に言った。ていうか120点て何!?
「120点ってどういう…」
「あぁ、何か普通に満点だったんだけど
「遠志も満点だから一緒じゃ可哀想だ!」とか先生方が言ってくれてプラス20点してくれたんだ」
やっぱりこの学校…どうかしてるよ…。
そういえばあの沖坂の問題がかえってこない。一体どうしたんだろう?
(ピン♪ポン♪パン♪ポン♪)
学校によくあるあの微妙に音程が変でたまに鳴るだけの音が鳴った。
「え〜っとですね。昨日皆さんがやりましたあの馬鹿!!副校長のテストは一枚残らず処分、燃やしましたので皆さんの手元にはかえってきません。迷惑をかけました。by校長」
最後に自分で
「by校長」って言ったよ…。
校長も意外と変人だ。
だが、自分のテストを燃やされた沖坂は一体どう思ってるんだ?
“沖坂視点”
珍しく私は学校に速く来た。何故なら……昨日私が作った問題を配るためだ。
テストは昨日の内に丸付けをしておいた。問題を正解している生徒は誰一人いなかったがな!
皆0点だ!あっはははは!
そして昨日自分の机に置いたテストを見る。
無い……。
無いぞぉ!どういうことだぁ!そこに校長が通りかかったのですかさず聞く。
「校長!私の机の上にあった答案は!?」
「燃やした♪」
「……。」
そう言って校長は通り過ぎていった。
「……。」
私は頭の中が真っ白になる体験を人生で初めて体験した。
“遠志視点”
可視さん達に何もされずに済んだ僕は学級委員の仕事があり職員室に入った。3回ノックをし職員室に入ると馬鹿が一人。
全く動かず立っていた。
「馬鹿…じゃなくて副校長!何してるんですか?」
「……。」
反応がない。とうとう本当の馬鹿になったか?日本語が通じてないのか?
「副校長!何をやってるんですか!」
「……」
まだ反応がない。仕方ない…。
「起きろ!馬鹿!」
そう言って僕は思いっきり尻を蹴っ飛ばした。
(ガッシャーン)
沖坂はまえのめりに机に向かって勢いよく倒れた。
「うわっ!何だ何だ?敵襲か?」
我にかえったように叫ぶ沖坂。
「おい馬鹿!しっかり起きてるか?」
僕はちょっときつめに言ってやった。
「馬鹿?先生に向かって何という…」
「そんな事より何をぼーっとしてたんですか?」
沖坂の話を遮って僕が話す。
「あ…。そういえば私のテストが校長の手によって燃やされてしまったんだ……」
相当落ち込んでいるようだ。だが、あんなテスト燃やされて当たり前だろう。
「あっ…そうですか」
適当にあしらってやった。
「あっ…そうですか……じゃないんだよ!!分かるか!?私はテストを生徒達に渡すのを楽しみにしてたんだ!!」
はっきり言って僕にはどうでもいい事だ。だが、このままにしておくと馬鹿な沖坂の事だ。何をするかわからない。ここはひとつ励ましておく事にしよう。
「大丈夫ですよ。生徒達は副校長のテストを楽しんでやっていましたよ」
「本当か!?」
食いついてきた。これでまぁいいだろう。
「本当です」
「そうか!良かった!じゃあな!」
沖坂はそう言って職員室を出ていった。
う〜ん…。本当に馬鹿だ…。そういえば何しに職員室に来たんだっけ?
まぁいっか!
少し更新が遅れました。すいませんでした。
もし良かったら評価をして下さると僕的にも励みになりますし小説の質もあげる事が出来ると思いますので……。
宜しくお願いします。