11場面 運命のテスト
“テスト当日”
さて、テストの日です。満点を取らないと可視さんと愛理さんに何をされるか分からないので昨日は徹夜で勉強しました。
おかげで……今猛烈に眠いです!今なら歩きながら寝れ…
「すぅ〜、すぅ〜。」
「あら?遠志?大丈夫?」
「ぐぅ〜、ぐぅ〜。」
「歩きながら寝てるよ…。凄いなぁ〜。仕方ない…。」
「ごぼっ!」
可視さんは僕の鳩尾に鉄拳をくらわせたらしい…。
寝てたんであんま覚えてないもので…すみません。
可視さんに何回も殴られながら学校に着き、可視さんとはクラスが違うので一旦別れる。
教室に入ると皆勉強している。この学校も少しは真面目な所があったようだ。
(キーン♪コーン♪カーン♪チン♪あ!出来た!コーン♪)
何か電子レンジで作ってたみたいですね…。一体何処で放送してるんでしょうか?
(ガラッ!)
勢いよく教室に入ってきたのは…副校長、沖坂池児だった。
「おっす!皆ちゃんと勉強したか!?ちなみに俺は高校の時は一切勉強していない!あっはははは!」
やっぱり馬鹿だ……ていうかよくそれで先生になれたな?
「よっし!じゃあ早速テストだ!教えあうなよ!カンニングはOKだが…」
「いいのかよ!」
そこはクラス全員で突っ込みをいれる。
「冗談だ!あっはははは!」
逝かれてる!この人逝かれてるぞ!恐い!恐いよぉ〜!
そんなこんなでテストが始まった。可視さん達との特訓のせいか、結構スラすらとく事ができた。
この学校は1日で全教科のテストを終わらせるので午後までびっしりある。
そして最後のテスト。また沖坂がやってきた。
「よし!お前らよく頑張った!これで最後だ!」
「よっしゃー!」
クラス全員が喜びの声をあげる。
「最後のテストはこれだ!」
「えっ!?」
席の前の方の生徒が驚きの声を出す。
「はぁ!?」
「何だこりゃ!?」
等々…次々と驚きの声をあげる生徒達。
何だ?一体何が起こって……。
そしてとうとう僕の所にテストが配られた。
『沖坂池児様の問題!!』
何じゃこりゃ〜!
あまりにも驚きの展開に僕は絶句した。
「おい馬鹿!何でまともなテストじゃねぇんだよ!」
クラスでも不良系の子が文句を言う。
「ははは!私からの問題だ!解けない奴は……別にいい!」
「いいのかよ!」
またクラス全員が突っ込みを入れる。こんなにクラスがまとまったのは初めてだろう。
「とにかく始めぇぇい!」
沖坂が大声で叫ぶ。皆は渋々始めた。
問1 沖坂池児が産まれた場所は?
問2 沖坂池児の好きな異性のタイプは?
問3 沖坂池児は今いくつ?
問4 沖坂池児の足のサイズは?
……。どうでもいいわ!こんな問題!でも、とりあえず答えを書く。
問1 ヘドロの中
ゴジ〇か!?
問2 ゴジ〇っぽい人
どんな人だ!?
問3 108才
お数珠か!?
問4 10センチ
ちっちゃ!?
と自分でも突っ込みをいれたくなる程の珍解答をしてやった。沖坂がこれでどんな反応をするか楽しみだ。
さて、沖坂の馬鹿なテスト?も終わり下校。
隣には可視さんと……愛理さん。二人で何やら話し合っている。
「こんな事はどう?」
「いや、私は××を〇〇した方が…」
何言ってんの!?放送禁止用語ですよ!?愛理さん!無表情なのが余計恐い!
「遠志…満点じゃないテストがあったら…ふふふふ」
恐っ!!可視さんが可視さんじゃない!
「絶対満点ですから!」
そう言って逃げるように家に帰る。
自信満々に言ってはみたが心の中は不安で一杯…というより恐怖で一杯。
明日が恐い。こんな事は初めての体験です。
今度からは絶対あの二人には勉強は教わらないと強く心に決めた1日でした。