1場面 告白
花、それは四季によって咲く物が違う。それが花。
そう、君の心のように・・・。
飴、それはただひたすらに甘い物、そう、だらしがない僕のように・・・。
僕の名前は藤宮 遠志、今、彼女にぞっこん中。
そもそも、僕が彼女と付き合ったきっかけはこうだ。
「あ・・・。あの!僕と付き合って下さい!」
放課後の体育館裏に彼女を呼び出しいきなり前置きも無しに告ってしまった僕。自分でも、これは駄目だなって思った。けど、彼女の反応はこうだった。
「いいよ。」
即答。
「え?・・・・・・。」
流石にこれは驚いた。彼女は学校のアイドルで、名前を瀬倉 可視というちょっと変わった名前の持ち主だ。頭も良く、性格はちょっと気が強いが、優しい1面もある、まさに憧れの彼女が、いつもおとなしい僕と付き合うなんて思いもしなかった。
ちなみに僕は眼鏡の大して格好良くもないダメダメな男。はっきり言って彼女何かと釣り合う訳がない。
彼女には、一目惚れだった。いや、一目惚れしない奴何てこの世の中に居るのだろうか?
そう思わせるくらい彼女は美人だった。即答された後、僕は対応に困った。
まぁ気持ちさえ伝わればいいかな?と思っていた僕にとってこれは精神的にもショックな出来事だった。
「本当に・・・。僕何かでよろしいのでしょうか?」
何故か物凄い丁寧語になっていた。体は少し震えていた。彼女は笑いながら僕に言った。
「実は遠志君みたいな人がタイプなんだ。なんかおとなしそうで一緒に居ても静かそうで(笑)まぁちょっと頼り無さそうだけど(笑)」
僕は喜んでいいんだろうが少し落ち込んでいた。
「頼り無さそう・・・ですか・・・。ははっ・・・(泣)」
意気消沈の僕であった。落ち込んだ僕をしり目に彼女は近寄って来た。後退りする僕。
「な・・・何ですか?」
(チュッ)
「っ・・・!!!!」
いきなり頬にチュウ!いやぁ、はたから見れば美味しい場面。だけど今の僕にそれを楽しんでいる余裕はない。
「いっ・・・いきなり何するんですか!」
ついつい怒鳴ってしまった僕。だけど、彼女は全く気にしていない様子。
「だって私達付き合うんでしょ?だったらこれくらい当たり前じゃない?」
それはそうだと自分にいい聞かせつつ、緊張気味で言い返す。
「本当に・・・いいんですか?」
「あぁ!もう!何度もしつこいわよ!いいって言ったらいい!」
「っはい!」
まぁ始まりはこんな感じでした。
その時は幸せでした。
けれど・・・。