第2話 新たな邂逅と明かされた秘密の一部
更新に時間がかかってしまい誠に申し訳ありませんでした。
今回はあることの秘密の一部が出てきます。
第2話 新たな邂逅と明かされた秘密の一部
剣の自室:
部屋の片付けと、出て行く準備を終えた剣は明日のために就寝しようとしていた。
「剣おきている?」
部屋の外から椿が声をかけた。
「おきていますよ母上。」
剣が答えたことによって椿は部屋に入ってきた。
「どうかしましたか母上?」
剣は部屋へ入ってきた椿が荷物を持っていたためそう問いかけた。
「明日すぐに出て行けるように一緒にいようと思ってね。
だから、今日は一緒に寝ましょ?」
椿は剣にそう答えた。
「そうですね、その方がいいですね。」
「後は、私たちが明日出て行くことを良く思っていない人たちがあなたを襲ってきたた時にあなたを守りたくてね。」
椿は紫皇院一族で自分たちを良く思っていないものの中には自分たちが生きていることすら気に入らないものたちがいることを知っていたため、そのことも伝えた。
「ああ、なるほど。
そんな人たちもいましたね。」
「後は私が剣と一緒に寝たかったから。」
「母上、僕はもう寝ようと考えていたのですがどうします?」
剣は椿に寝ようと考えていることを伝えた。
「それじゃあ、私も寝るわ。」
そう言って椿は剣のベットへ入った。
「いらっしゃい剣。」
椿はそう言って剣にベットに入るように言った。
「それじゃ、失礼します。」
剣は椿のいる自分のベットにそう言って入った。
椿は剣がベットに入ったために抱きしめた。
「剣とこうして寝るのははじめてね。」
椿は笑顔でそう言った。
「そうですね。
母上と一緒に寝るのは初めてですね。」
剣も笑顔でそう答えた。
「剣は桜のことをどう思っているの?」
椿は今まで剣に今まで聞けなかったことを聞いた。
「どう思っているとはどういうことですか?」
「恨んだりしたことはないかってことよ。」
「そんなことは考えたことはありませんよ。
ただの妹としか考えていません。」
「そう。
なら良かったわ。
恨むのなら私を憎みなさい。
あなたを魔力のない身で産んだのは私なのだから。」
「僕は魔力がないことをなんとも思っていません。
だから誰かを恨んだことはありません。」
「そう。」
椿は一言だけ答えた。
「それより母上、離れていただけませんか?」
「あらどうして?」
「その・・・。
恥ずかしくてこのままじゃ眠れませんよ。」
「ふふ。
いいじゃない。
今日はこのまま寝ましょ。」
「わかりました。」
剣はあきらめたそう答えた。
「明日からはたまに一緒に寝ましょうね。」
「えっと、それは・・・。」
「明日からは私たちだけなんだから。
ね、いいでしょ?」
「たまにはですよ。」
剣は明日から椿とふたりだけで生きていくことから椿の支えになろうと考えたため、自分にできることで支えようと思ったため、そう答えた。
「おやすみなさい、剣。」
「おやすみなさい、母上。」
そして、ふたりは眠りに付いた。
とある場所:
今そこにいるのは剣だけだった。
「いよいよ明日あの家を出るのね。」
剣しかいない空間で女の人の声が聞こえてきた。
「うん。
明日母上と一緒にあの家を出ることになりました。」
「ついに剣がこの世界を変えるときが来たわ。
世界を剣がどう変えるのかとても楽しみだわ。
がんばってね剣。」
「本当に僕の好きにしていいんですか?」
「ええかまわないわよ。
剣は私の大切な息子なんですもの。
だからこの世界はあなたの好きにしていいのよ。」
「剣があなたの息子とはどういうことですか!!
剣は私の息子です!!」
今までそこにいなかった椿が姿の見えない人物にそう言った。
「何で母上がここに?」
「彼女は私がここに招いたの。」
「母様が?
なぜです?」
「彼女もあなたのことを知っておいてもらうためよ。」
「それは今まで僕にも教えてくれなかったことですか?」
「ええ、でもすべてはまだ教えられないけどね。」
「そうですか。」
剣と姿の見えない女性が話している間に椿は姿の見えない女性を探していた。
「どこに居るんですか!!
姿を見せなさい!!」
椿が魔法を使用して女性の姿を探したが見つけることができなかった。
その為、椿は姿の見えない女性にそう言った。
「残念だけど私は姿を見せることができないの。
たとえ剣にもね。」
「そんなことが許されると思っているの!!
話をしたいのなら姿を見せなさい!!」
「母上、落ち着いてください。
母様は姿を見せることができないと言ったんです。
なら、見られるようになればいいんです。
言い換えれば見る側が見られるだけの実力を必要としているんです。
だから僕たちの近くにいるけれど僕たちが認識できていないんです。」
「そういうことよ剣。
私を見る側が認識することができない状態で私が姿を見せると見たものは必ず死んでしまうの。
だから私からは姿を見せることができないのよ。
でも、剣はもう少ししたら私を見られるようになるからね。
だからもう少し私の姿を見たくても我慢してね。」
「わかりました。」
剣は素直にそう答えた。
しかし、椿はそうもいかなかった。
「なら姿を見せないなら名前くらい名乗りなさい!!
それが話をするものとしての礼儀でしょ!!」
「確かに人間ではそうでしょうね。
でも、私を認識できないものに私の名前を聞くことはできないわ。
名前は相手を認識してはじめて理解できるもの。
だから今私が名前を名乗ってもあなたたちには理解できないゆえに、名乗らないの。」
椿は姿の見えない女性が言ったことを理解して悔しそうな表情をした。
「それで母様、僕のことを教えてくれませんか?」
「それもそうね。
剣が私とそこにいる椿さんの息子と言うのは簡単なことよ。
剣の魂は私が生み出し、器である肉体は椿さんが生み出したからなの。」
「確かに魂を生み出すことはできるけれど私はそんなことをされた覚えはありません!!
でたらめを言わないでください!!」
「私を認識できないのだから私の行動を認識できるはずないでしょ?
それに、私があなたに剣の魂を入れなければ剣は産まれることはなかったわ。」
「そんなことはありません!!
あなたが何もしなくても剣は産まれてきました!!
私は双子を身ごもっていたのですから!!」
「それは無理よ。
男の子は魂の死んだ状態だったために生まれても生きてはいなかった。」
「そんなことはありません!!」
「いいえ、これは事実よ。
剣の妹さんがあなたの内にいたときから強大な魔力を有していたために魂は徐々に弱っていっていたの。
そして、彼女は自分を維持するために男の子の魂を自らに取り込んでいたの。
その為、魂のない肉体は死ぬしかなかったの。」
「そ、そんな・・・。」
今までは怒りの感情をあらわにして話していた椿は姿の見えない女性の言っていることを理解したため、言葉を失った。
「だから剣は私の息子であり椿さんの息子でもあるの。
そして、魔力量は魂の強さによって決まるの。
だから剣は魔力を持っていないのよ。」
「何で剣の魂を魔力を持つこともできないほど弱く作ったんですか!!
そのせいで剣がどんな目にあったかわかっているんですか!!」
椿は剣が魔力を持っていないのが姿の見えない女性にそう言った。
「何か勘違いしていないかしら?
剣以上に魂の強いものはこの世に存在しないわ。
同等なのは私だけ。」
「なら、なぜ剣は魔力を持っていないんですか!!」
「それは簡単よ。
魔力がこの星にとって異物だからよ。」
「魔力が異物?」
今まで黙っていた剣が疑問に思ったことを口にした。
「そうよ。
魔力は地球に落ちてきた隕石の粉塵によって発生したものなの。
だから魔力を持ったものは本来この星にとっての異物なの。
その為、剣は魔力を持っていないの。」
「それでも今の世界は魔力によって維持されているわ。
魂を作ることができるのなら魔力を持たせるくらいできたはずよ!!
なぜ魔力を持たせなかったの!!」
「剣には魔力なんて必要ないからよ。
そんなものがなくても剣は強いからね。
それに、人は地球以外では無力な存在でしかないもの。
そんな欠陥な状態で私が魂を生み出すわけないでしょ?」
「私たちが欠陥品だとでも言いたいの!!」
「そのとおりよ。
あなたたち人間は欠陥品と言えるわ。
でも、剣だけは違うわ。
剣は完璧な人間よ。
だから魔力なんて必要ないの。
剣にはそれ以上のものを持っているのだから。」
「魔力以上のもの?」
剣はどんなものなのか気になったためその事を口にした。
「ええ、そうよ。
でも今はまだ使えないけどね。」
「どうしてですか?」
「魂の器である肉体がその力に耐えられないからよ。
もう少ししたらその力を理解して使えるようになるわよ。
それに、あなたを待っている者たちもいるからね。
力が使えるようになったら迎えにいってあげるのよ。」
「その待っている人のことも力を使えるようになればわかると言うことですね。」
「そういうことよ。
それで椿さんは他に聞きたいことはないかしら?
答えられることは答えるわよ。」
「これだけは答えてください。
あなたは剣の見方なんですか?」
真剣な顔をして姿の見えない女性に聞いた。
「当然見方よ。
どんなことがあろうと私は剣の見方。
そして、私は剣であり、剣は私である。
これは変わらない真実だからね。」
姿の見えない女性の声が今までと違い真剣さが伝わってきた。
「なら、あなたが何者でもかまいません。
私の聞きたかったことはそれだけです。」
「そう。
それじゃあ、またね剣。」
「次はいつ会えますか?」
剣は今まで姿の見えない女性に言ったことがない言葉をいった。
「どうしたの剣?
次にいつ会えるかなんて今まで言わなかったのに。」
「今まではあなたはなぜ母なのかわかったからです。
母に会いたいと思うことはいけませんか?」
「いいえ。
そんなことはないわよ。
私は剣に次にいつ会えるのか聞かれたから嬉しかったのよ。」
「そうですか。
それなら良かったです。」
「次に私たちがここで合うのはあなたが力を使えるようになった日よ。
私はその日を楽しみにしているからね。」
「はい。
僕も楽しみです。」
「それでは私はこれで失礼するわね。」
その言葉を聴き終えた剣と椿の姿が色を失いだし、完全に色がなくなった後、形を成していたものは消えてなくなった。
次回は紫皇院からの旅立ちと剣君の秘密が少しあきらかになります。
また、内容をいろいろ検討するため、更新が遅くなってしまうと思いますがよろしくお願いいたします。