表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/26

中級モンスター戦

若返りの泉で身体を整えたリオは、

小屋の前で深呼吸した。


右手には、

自分で鍛えた赤い刃――紅牙こうが


(今日こそ……この剣を使って戦うんだ)


エルミナが静かに近づく。


「リオ。

 今日は“中級モンスター”と戦ってもらいます」


リオは息を呑んだ。


「中級……!」


「ええ。

 あなたが作った紅牙は、

 初級モンスターでは力を持て余します」


エルミナは重力調整ドアに手をかざした。


《重力設定:5倍》


「今日の戦闘は、重力5倍のまま行います」


リオは頷いた。


(怖い……でも……逃げたくない)


ドアを開く。


ズシッ――!


重力が身体を押しつぶす。

だが、リオはもう慣れていた。


(いける……!)



白い砂の大地に出ると、

空気が違った。


重い。

冷たい。

魔素が濃く、ざわついている。


エルミナが言う。


「リオ。

 中級モンスターは“知性”を持ちます。

 初級ウルフのように単純な突進はしてきません」


「知性……」


「ええ。

 あなたの動きを読み、

 罠を張り、

 弱点を突いてきます」


リオは紅牙を握りしめた。


(僕……勝てるかな……)


エルミナは微笑む。


「大丈夫。

 あなたなら、必ず乗り越えられます」


そのとき――


ザッ……ザッ……


砂を踏む音がした。


リオは振り返る。


そこにいたのは――



黒い毛並み。

赤い瞳。

初級ウルフより一回り大きく、

筋肉が盛り上がっている。


魔素体ダークウルフ(中級)


「グルルル……!」


リオの背筋が凍る。


(初級ウルフとは……全然違う……!)


エルミナが言う。


「リオ。

 ダークウルフは“影魔素”を操ります。

 影に潜り、影から攻撃してきます」


「影に……潜る……?」


「ええ。

 あなたの魔力感知が試されます」


リオは深呼吸した。


(僕は……逃げない)



ダークウルフが低く唸る。


グルルル……!


次の瞬間――

影が揺れた。


「っ……!」


リオは横へ飛ぶ。


ズシッ!


重力が身体を引きずる。

だが、避けた。


影からダークウルフが飛び出す。


ガッ!


爪が地面を裂く。


(危なかった……!)


エルミナが言う。


「リオ、影を見て!

 影が揺れたら、そこから来ます!」


リオは影に意識を集中させた。


(影……影……)


影が揺れる。


「右……!」


リオは右へ飛んだ。


ズシッ!


ダークウルフの爪が空を切る。


(読めた……!)



リオは紅牙を構えた。


(僕の剣……僕の力……!)


ダークウルフが突進してくる。


リオは魔力を剣に流した。


紅牙が赤く輝く。


「はぁぁぁっ!!」


リオは剣を振り下ろした。


ガキィィン!!


火花が散る。


ダークウルフの爪と剣がぶつかり合う。


(硬い……!)


ダークウルフは後退し、

影に溶けた。


「また影……!」


エルミナが言う。


「リオ、落ち着いて。

 影の“魔素の流れ”を感じなさい!」


リオは目を閉じた。


(魔素……流れろ……)


影の中で、

魔素が渦巻く。


(そこだ……!)



影が揺れる。


リオは剣を構えた。


「来い……!」


影からダークウルフが飛び出す。


リオは剣を横に振った。


ズバァッ!!


ダークウルフの肩に浅い傷が入る。


「グアァァッ!!」


リオは息を呑んだ。


(当たった……!

 紅牙が……通じた……!)


だが――


エルミナが叫ぶ。


「リオ、下がって!!」


「えっ――」


ダークウルフの影が膨らむ。


影分身。


影から二体目のダークウルフが飛び出した。


「うわっ!!」


リオは避けきれず、

爪が肩を裂いた。


ザシュッ!!


「っ……痛っ……!」


血が流れる。


エルミナが叫ぶ。


「リオ、集中して!

 影分身は“本体より魔素が薄い”!」


リオは歯を食いしばった。


(魔素……魔素……!)


影分身の魔素は薄い。

本体は濃い。


(見える……!)



リオは紅牙を握りしめた。


(僕は……負けない!)


魔力を剣に流す。


紅牙が赤く輝く。


「はぁぁぁぁっ!!」


リオは影分身に突進した。


ズバァッ!!


影分身が霧散する。


(次は……本体!)


影が揺れる。


リオは剣を構えた。


「来い……!」


ダークウルフが飛び出す。


リオは剣を振り下ろした。


ガキィィン!!


爪と剣がぶつかり合う。


だが――


リオは魔力を拳に集めた。


(魔力……拳に……!)


拳が光る。


「うおおおおっ!!」


リオは拳をダークウルフの腹に叩き込んだ。


ドゴォォッ!!


ダークウルフが吹き飛ぶ。


「グアァァァッ!!」


エルミナは息を呑んだ。


(魔力武技……!

 この子……もう使えるの……!?)



ダークウルフは立ち上がる。


だが、足が震えている。


リオは紅牙を構えた。


(これで……終わらせる!)


影が揺れる。


リオは魔力を剣に流した。


紅牙が赤く輝く。


「はぁぁぁぁぁっ!!」


リオは地面を蹴った。


ズシッ!!


重力5倍の世界で、

リオは初めて“加速”した。


ダークウルフが影に潜ろうとする。


だが――遅い。


リオの剣が閃いた。


ズバァァァッ!!


ダークウルフの身体が光に包まれ、

霧散した。


リオはその場に膝をついた。


「はぁ……はぁ……!」


エルミナが駆け寄る。


「リオ……よくやりました!」


リオは震える声で言った。


「僕……勝った……?」


「ええ。

 あなたは初めての中級モンスターに勝利しました」


リオは紅牙を見つめた。


(ありがとう……紅牙……)



小屋に戻り、

リオは若返りの泉に浸かった。


――光が身体を包む。


痛みが消え、

疲労が溶け、

魔力が満ちていく。


泉から上がると、

魔素文字が浮かび上がった。


《ステータス更新》

■ 新スキル

・影読み(新規習得)

・魔力武技(萌芽)

・剣術(E → D)

・体術(D → C)

・魔力操作(D → C)


■ ステータス

能力前後

STR1014

VIT1013

AGI710

SPD710

MP3542

INT1314

WIS1113

エルミナは言う。


「リオ。

 あなたは今日、

 “戦士としての第一歩”を踏み出しました」


リオは紅牙を握りしめた。


「次は……もっと強い敵と戦いたい!」


エルミナは微笑む。


「ええ。

 あなたなら、どこまでも強くなれます」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ