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世界樹の試練

エルミナに案内され、

リオは小屋の奥にある巨大な石扉の前に立っていた。


扉には、

火・水・風・土の四大属性を象徴する紋様が刻まれ、

中央には“世界樹”を象った巨大な紋章が輝いている。


リオは息を呑んだ。


(これが……世界樹の試練の入口……)


エルミナは静かに言った。


「リオ。

 この扉の先は“世界樹の根”。

 世界の魔素流が集まる場所です」


リオは紅牙を握りしめた。


「僕……行くよ。

 裂け目を閉じるためにも……

 もっと強くなるためにも……!」


エルミナは微笑んだ。


「ええ。

 あなたなら必ず乗り越えられます」


エルミナが手をかざすと、

扉がゆっくりと開いた。


ゴゴゴゴ……


中から吹き出す風は、

魔素が濃く、重く、温度すら感じるほど。


紅牙が震える。


――リオ。

 この奥……とんでもない魔素量だよ。

 気をつけて。


リオは頷き、

一歩踏み出した。



扉の先は、

巨大な地下空間だった。


天井は見えないほど高く、

壁一面に巨大な根が張り巡らされている。


根は脈動し、

魔素が流れ、

まるで“生きている”ようだった。


リオは息を呑んだ。


(これが……世界樹の根……

 世界の魔素が……全部ここに集まってる……!)


紅牙が震える。


――リオ。

 この場所……僕でも息苦しいくらいだよ。

 魔素が濃すぎる。


リオは魔力循環を使い、

身体を安定させた。


(魔力循環……!

 これなら……耐えられる……!)


エルミナは言う。


「リオ。

 世界樹の試練は“三段階”あります。


第一段階:魔素の奔流

 第二段階:根の守護者

 第三段階:世界樹の心臓との対話」


リオは拳を握った。


(全部……乗り越える……!)



エルミナが指を鳴らすと、

世界樹の根が光り始めた。


ゴォォォォ……!!


魔素が暴れ、

空間が揺れる。


リオは魔素視を使った。


(魔素の流れ……速い……!

 まるで……川みたいに……!)


紅牙が言う。


――リオ、気をつけて。

 魔素の奔流は“魔力暴走”を引き起こすよ。


リオは魔力循環を強めた。


(魔力……流れろ……!

 魔素に飲まれないように……!)


だが――


ドンッ!!


魔素の奔流がリオの身体を叩く。


「くっ……!」


身体が押し戻される。


(強い……!

 魔素の圧力が……!)


エルミナが言う。


「リオ。

 魔素の奔流は“押し返す”のではなく、

 “受け流す”のです」


リオは息を呑んだ。


(受け流す……!

 武術の“無芯”……!)


リオは身体の芯を消し、

魔素の流れに身を任せた。


スッ……


魔素の奔流が、

リオの身体をすり抜けるように流れていく。


(できた……!

 魔素の流れを……受け流せた……!)


エルミナは微笑んだ。


「第一段階、突破です」



世界樹の根が震えた。


ゴゴゴゴ……!!


根の間から、

巨大な影が姿を現した。


黒い樹皮のような身体。

赤い瞳。

腕は枝のように鋭く、

全身から魔素が溢れている。


世界樹の守護者(中期修業専用)


リオは息を呑んだ。


(強い……!

 魔素の密度が……ドラゴン上位種並み……!)


紅牙が震える。


――リオ。

 この相手……本気で行かないと危ないよ。


リオは紅牙を構えた。


「行くよ……紅牙!」


守護者が腕を振る。


ズバァァッ!!


空気が裂ける。


リオは横へ飛ぶ。


(速い……!

 でも……見える……!)


魔素視で、

守護者の魔素の流れを読み取る。


(あそこ……!

 魔素が薄い……!)


リオは踏み込んだ。


「魔力流し……!」


紅牙が赤黒く輝く。


ズバァァァッ!!


守護者の腕に傷が入る。


だが――


ゴォォォ!!


守護者が魔素を爆発させる。


リオは吹き飛ばされる。


「ぐっ……!」


紅牙が叫ぶ。


――リオ!!

 魔力循環を強めて!!


リオは魔力を巡らせた。


(魔力……流れろ……!)


身体が安定する。


リオは立ち上がった。


「まだ……終わらない……!」


守護者が突進してくる。


リオは奥義の構えを取った。


(零距離……

 無重……

 無芯……

 全部合わせる……!)


「奥義――

 零閃・真!!」


スッ……!


距離が消え、

紅牙が閃く。


ズバァァァァッ!!


守護者が光に包まれ、

霧散した。


エルミナは微笑んだ。


「第二段階、突破です」



世界樹の根が光り、

空間が揺れた。


リオの頭に声が響く。


――来たか、選ばれし者よ。


リオは息を呑んだ。


(この声……!

 村の事件の時に聞いた……!)


――我は世界樹。

 世界の魔素を司る存在。


リオは拳を握った。


「世界樹……

 僕は……裂け目を閉じたい。

 現実世界を……守りたい!」


世界樹の声は静かに言った。


――ならば、力を示せ。

 “世界の理”に触れる覚悟を示せ。


リオは紅牙を握りしめた。


「僕は……覚悟してる!

 どんな試練でも……乗り越える!」


世界樹の声が響く。


――よかろう。

 中期修業を許可する。

 お前は“世界の理”に触れる資格を得た。


光がリオを包む。


紅牙が震える。


――リオ……

 すごいよ……!


エルミナは微笑んだ。


「リオ。

 あなたは今日から――

 中期修業の正式な挑戦者です」


リオは拳を握った。


「行くよ、エルミナ……紅牙……

 僕は……もっと強くなる!」

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