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上級最上位戦

紅牙・魔導を手にしてから数日。

リオは小屋の前で軽く素振りをしていた。


スッ……!


紅牙が空気を裂く。

その軌跡は、以前よりも滑らかで、鋭く、重い。


(すごい……

 紅牙・魔導は……僕の魔力に合わせて動いてくれる……)


紅牙が震えた。


――リオ。もっと振って。

 まだいける。


リオは微笑んだ。


「うん。

 僕も……もっと強くなりたい」


そのとき、エルミナが現れた。


「リオ。

 今日は“紅牙・魔導の初陣”を行います」


リオは息を呑んだ。


(ついに……!)


エルミナは静かに頷いた。


「行き先は――

 上級地帯奥地(危険度S)」


リオは紅牙を握りしめた。


(危険度S……!

 でも……行く……!)



重力調整ドアを抜け、

上級地帯へ向かう。


だが今日は、

さらに奥へ――

エルミナでさえ滅多に踏み入れない領域へ。


空気が重い。

魔素が濃い。

視界が揺れる。


だが、リオは魔素視で世界を見通す。


(魔素の流れ……全部見える……!)


エルミナは言う。


「リオ。

 ここから先は“魔素の海”。

 魔力操作を止めれば、

 魔素に飲まれて死にます」


リオは魔力を巡らせた。


(魔力……流れろ……!)


身体が軽くなる。


(大丈夫……行ける……!)



奥地へ進むと、

世界が牙を剥いた。



ズドォォォン!!


リオは跳んで避ける。


(魔素爆裂……!

 地面そのものが攻撃してくる……!)



ヒュンッ! ヒュンッ!


リオは紅牙で弾く。


(氷……!?

 さっきは炎だったのに……!)



モヤァァ……


だが、魔素視で見通す。


(見える……!

 霧の向こうの魔素の流れ……!)



ゴォォォォ!!


リオは地面に伏せる。


(これ……上級魔法級の威力……!)


エルミナは言う。


「リオ。

 ここでは“環境そのもの”が上級最上位級。

 あなたの魔素視と魔力循環がなければ、

 生き残れません」


リオは頷いた。


(紅牙・魔導……頼む……!)


紅牙が震えた。


――任せて。

 僕が守る。



奥地のさらに奥へ進む。


空気が変わった。


重い。

冷たい。

鋭い。


リオの背筋が凍る。


(この気配……!

 ヘルハウンド上位種とは……比べ物にならない……!)


エルミナが言う。


「リオ。

 ここから先は――

 上級最上位モンスターの縄張り」


リオは紅牙を構えた。


(来る……!)



黒い霧が揺れ、

巨大な影が姿を現す。


翼は完全に発達し、

鱗は黒曜石のように硬く、

瞳は赤く輝く。


魔素体ドラゴン・上位種(危険度S)


「グルルルル……!」


リオは息を呑んだ。


(幼体とは……比べ物にならない……!

 魔素の密度が……桁違い……!)


エルミナが言う。


「リオ。

 これは“上級最上位”。

 あなたが戦う中で最も危険な存在です」


リオは紅牙を握りしめた。


(でも……逃げない……!

 紅牙・魔導がある……!)


紅牙が震えた。


――行こう、リオ。

 僕たちの初陣だ。



ドラゴンが地面を蹴った。


ドォォォォン!!


地面が砕ける。

洞窟が揺れる。


(速い……!

 幼体の比じゃない……!)


リオは横へ飛ぶ。


ズシッ!!


だが、ドラゴンの爪がかすめる。


ザシュッ!!


「っ……!」


腕から血が流れる。


エルミナが叫ぶ。


「リオ!!

 上位種は“魔素装甲”が完全体!!

 普通の攻撃は通りません!!」


リオは紅牙を握りしめた。


(魔素装甲……!

 なら……魔力流し……!)



リオは魔力を腕に流す。


(魔力……流れろ……!)


紅牙が赤黒く輝く。


リオは踏み込んだ。


ズシッ!!


剣を“抜く”ように振る。


ズバァァァッ!!


ドラゴンの装甲にヒビが入る。


「グアァァァッ!!」


リオは息を荒げた。


(通った……!

 紅牙・魔導……すごい……!)


紅牙が震えた。


――もっと流して。

 僕はまだ耐えられる。


リオは頷いた。


(行く……!)



ドラゴンが口を開く。


黒炎が集まる。


エルミナが叫ぶ。


「リオ!!

 “魔素ブレス・完全体”が来ます!!」


リオは叫んだ。


「フレイム・ブレイカー!!」


無詠唱。


ドォォォォン!!


火風土の爆裂球がドラゴンのブレスを相殺する。


だが――

押される。


(強い……!

 幼体の比じゃない……!)


リオは叫んだ。


「アクア・テンペスト!!」


シュバァァァァッ!!


水風土の竜巻がブレスを切り裂く。


ドラゴンが怯む。


(今だ……!)



リオは魔素視を使った。


世界が光で満ちる。


ドラゴンの身体の中で、

魔素が渦巻いている。


(あそこ……!

 魔素の流れが薄い……!

 装甲の弱点……!)


リオは踏み込んだ。


ズシッ!!


紅牙を振る。


ズバァァァッ!!


ドラゴンの装甲が砕ける。


「グアァァァァ!!」



紅牙が震えた。


――リオ。

 魔力をもっと流して。

 僕が循環させる。


リオは息を呑んだ。


(魔力循環……!

 紅牙が……僕の魔力を増幅してくれる……!)


リオは魔力を紅牙に流した。


紅牙が赤黒く輝く。


(すごい……!

 魔力が……増えてる……!)


エルミナは息を呑んだ。


(この子……

 魔導武器を……完全に使いこなしている……!)



ドラゴンが吠える。


「グルァァァァァ!!」


魔素が暴れ始める。


エルミナが叫ぶ。


「リオ!!

 “魔素爆裂・完全体”が来ます!!

 避けなさい!!」


リオは魔素視を使った。


(魔素の流れ……見える……!

 爆発の予兆……!)


リオは横へ飛ぶ。


ズシッ!!


爆発が起きる。


ドォォォォン!!


だが、リオは避けた。


(見切れる……!

 魔素視が……進化してる……!)



ドラゴンが最後の突進を仕掛ける。


リオは紅牙を構えた。


(僕は……もう逃げない……!

 奥義……使う……!)


魔力が身体を巡る。


芯が消える。

重力が消える。

紅牙が消える。


リオは踏み込んだ。


スッ……!


距離が消える。


紅牙が閃く。


「奥義――

 零閃!!」


ズバァァァァッ!!


ドラゴンの身体が光に包まれ、

霧散した。


リオは膝をついた。


「はぁ……はぁ……!」


紅牙が震えた。


――やったね、リオ。


エルミナが駆け寄る。


「リオ……!

 あなた……本当に……!」



その瞬間――

リオの頭に声が響いた。


――よくやった、選ばれし者よ。


リオは息を呑んだ。


(世界樹……!)


――四つの根源が揺らいでいる。

 お前の力が……世界を動かし始めた。


リオは震えた。


(僕の……力が……!?)


――いずれ来る“終焉”に備えよ。

 四重複合は……鍵となる。


声は消えた。


エルミナは震えていた。


(まさか……

 この子……本当に……!)



若返りの泉で回復した後、

魔素文字が浮かび上がった。


《ステータス更新》

■ 新スキル

・魔導武器操作(強化)

・魔力循環(強化)

・剣術(SS → SSS)

・武術(S → SS)

・三重複合(極致)

・魔素視(S → SS)

・環境適応(極致)


■ ステータス

能力前後

STR5260

VIT5260

AGI5058

SPD5058

MP190220

INT6068

WIS6875

エルミナは言う。


「リオ。

 あなたは今日、

 “上級最上位を倒せる戦士”になりました」

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