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四重複合

三重複合と無詠唱を習得した翌朝。

リオは魔素湖のほとりで、

昨日の魔法を思い返していた。


(火×風×土……

 水×風×土……

 火×水×風……

 三重複合……全部すごかった……)


だが、胸の奥に残る“違和感”があった。


(でも……まだ何か……足りない……

 もっと……もっと強い魔法がある気がする……)


そのとき、エルミナが現れた。


「リオ。

 今日は“魔法の限界”について教えます」


リオは首をかしげた。


「魔法の……限界?」


エルミナは静かに頷いた。


「ええ。

 あなたはすでに“三重複合”を使える。

 これは普通の魔法使いなら一生かけても到達できない領域です」


リオは胸が熱くなった。


(僕……そんなすごいことを……!)


だが、エルミナの表情は暗かった。


「しかし――

 その先にある“禁術級”の領域には、

 絶対に踏み込んではいけません」


リオは息を呑んだ。


(禁術……!?)



エルミナは魔素湖の中央へ向かった。


湖面が揺れている。

昨日よりも魔素が濃い。

空気が震えている。


「エルミナ……湖が……!」


「ええ。

 あなたが三重複合を使った影響です」


リオは目を見開いた。


「僕の……魔法で……湖が……?」


エルミナは頷いた。


「三重複合は“世界の魔素の流れ”に干渉します。

 あなたの魔法は、

 この世界の魔素循環に影響を与えたのです」


リオは息を呑んだ。


(僕の魔法が……世界に……!?)


エルミナは続ける。


「だからこそ――

 四重複合は“禁術”なのです」



エルミナは四つの魔素球を取り出した。


赤(火)


青(水)


緑(風)


茶(土)


リオは息を呑んだ。


(四つ……!

 四大属性……全部……!)


エルミナは魔素球を湖面に浮かべた。


「リオ。

 四大属性は“世界の根源”。

 これらを同時に扱うことは、

 世界の法則そのものに干渉する行為です」


リオはごくりと唾を飲んだ。


(世界の……法則……)


エルミナは続ける。


「四重複合は、

 “世界樹の根源魔素”に触れる行為。

 管理者である私でさえ、

 完全には扱えません」


リオは息を呑んだ。


(エルミナでも……!?)



エルミナはリオの手を取り、

魔素湖の中央に立たせた。


「リオ。

 あなたには“異常な魔素制御能力”があります」


「異常……?」


「ええ。

 あなたは魔素の流れを“視る”ことができる。

 これは普通の魔法使いには不可能です」


リオは胸が熱くなった。


(僕……そんな能力が……!)


エルミナは続ける。


「さらに――

 あなたは魔素を“混ぜる”ことができる。

 火と風、

 水と土、

 火と水……

 本来混ざらない魔素を、

 あなたは混ぜてしまう」


リオは息を呑んだ。


(僕……そんなことを……!)


エルミナは静かに言った。


「だからこそ――

 あなたは“禁術級”の領域に触れられる唯一の存在です」



エルミナは四つの魔素球をリオの前に並べた。


「リオ。

 絶対に四重複合を使ってはいけません。

 しかし――

 “前兆”だけは見せます」


リオは息を呑んだ。


(前兆……!)


エルミナは魔素球に魔力を流した。


四つの魔素球が輝き始める。


火が燃え


水が揺れ


風が渦巻き


土が震える


四つの魔素が互いに干渉し、

空気が震え、

湖面が揺れ、

空が歪む。


「エルミナ……空が……!」


「ええ。

 四重複合は“世界の法則”を揺らします」


リオは息を呑んだ。


(これが……四重複合……!)


エルミナは魔力を止めた。


四つの魔素球が静まる。


「リオ。

 これが“前兆”。

 これ以上は危険です」



リオは四つの魔素球を見つめた。


(火……水……風……土……

 全部……混ぜたら……どうなるんだろう……)


胸の奥が熱くなる。


(僕なら……できる……!)


その瞬間――

リオの魔力が暴走した。


ボォォォォォォン!!


四つの魔素球が同時に輝く。


エルミナが叫ぶ。


「リオ!!

 やめなさい!!

 それは――!!」


だが遅かった。


リオの手が勝手に動く。


詠唱なし。


ただ、イメージだけ。


(火……水……風……土……

 全部……混ざれ……!)


四つの魔素が渦巻く。


空が歪む。


湖が震える。


世界が揺らぐ。


エルミナが叫ぶ。


「リオ!!

 それは――

 “世界を壊す魔法”!!」



その瞬間――

リオの頭に声が響いた。


――混ぜるな。


リオは息を呑んだ。


(誰……!?)


――四つの根源は、世界の柱。

 混ぜれば、世界は崩壊する。


リオは震えた。


(世界……崩壊……!?)


――だが、お前は……

 “混ぜる資格”を持っている。


リオは目を見開いた。


(僕が……!?)


――いずれ来る“世界の終わり”に備えよ。

 四重複合は……最後の鍵。


声は消えた。


リオは膝をついた。


「はぁ……はぁ……!」


エルミナが駆け寄る。


「リオ!!

 あなた……今……何を……!」


リオは震える声で言った。


「エルミナ……

 僕……声を聞いた……

 世界樹の……声……!」


エルミナは息を呑んだ。


(まさか……

 この子……本当に……!)



エルミナはリオの肩を抱きしめた。


「リオ……

 あなたは……世界樹に選ばれたのです」


リオは息を呑んだ。


「選ばれた……?」


「ええ。

 四重複合は“世界樹の魔法”。

 管理者である私でさえ扱えない。

 しかし――

 あなたは“根源魔素”に触れた」


リオは震えた。


(僕……そんな存在に……!?)


エルミナは涙を流した。


「リオ……

 あなたは……世界を救う存在。

 でも同時に――

 世界を壊す存在にもなり得る」


リオは拳を握った。


(僕は……世界を壊したくない……

 守りたい……!)


エルミナは微笑んだ。


「だからこそ――

 四重複合は“禁術”。

 あなたが使うその日まで、

 絶対に封印しなさい」


リオは頷いた。


「うん……

 僕は……絶対に間違えない……!」



若返りの泉で回復した後、

魔素文字が浮かび上がった。


《ステータス更新》

■ 新スキル

・根源魔素感知(新規覚醒)

・四重複合(封印)

・魔素制御(A → S)

・無詠唱(強化)


■ ステータス

能力前後

MP110125

INT3338

WIS3440

エルミナは言う。


「リオ。

 あなたは今日、

 “世界の根源”に触れました」


リオは拳を握った。


「僕……もっと強くなる。

 でも……四重複合は……絶対に使わない。

 その時が来るまでは……!」


エルミナは微笑んだ。


「ええ。

 その決意を忘れないでください」

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