複合魔法の応用
複合魔法を習得した翌朝。
リオは魔素湖のほとりで、
昨日の魔法を思い返していた。
(火×風……水×風……
火×土……風×土……
全部すごかった……
でも……)
リオは拳を握った。
(上級モンスターには……まだ足りない……!)
初級魔法では通じない。
複合魔法でも、まだ足りない。
(もっと……もっと強い魔法が欲しい……!)
そのとき、エルミナが現れた。
「リオ。
今日は“複合魔法の応用”を行います」
リオは目を見開いた。
「応用……?」
エルミナは静かに頷いた。
「ええ。
あなたには“三重複合”を教えます」
リオは息を呑んだ。
(三重……!?
魔法を……三つ同時に……!?)
エルミナは言う。
「三重複合は、
“魔法使いの限界”と言われています」
リオの胸が高鳴った。
(限界……!
僕は……その限界を越えたい……!)
魔素湖の中央の小島。
魔素が濃く、
空気が震えている。
エルミナは三つの魔素球を取り出した。
赤(火)
緑(風)
茶(土)
「リオ。
まずは“火×風×土”。
最も扱いやすく、最も危険な三重複合です」
リオは魔素球を握りしめた。
(火……風……土……
三つの魔素を……同時に……!)
胸の奥の熱が、
三つの魔素球へ流れていく。
魔素球が赤・緑・茶に輝く。
エルミナは言う。
「三重複合は、
“魔素制御”がなければ不可能です」
リオは頷いた。
(僕には……魔素制御がある……!
できる……!)
エルミナは手本を見せる。
「術式は――
“燃えよ、駆けよ、砕けよ、火風土の精霊”」
リオは深呼吸した。
(火……風……土……
三つの魔素を……一つに……!)
魔力が渦巻く。
リオは叫んだ。
「燃えよ、駆けよ、砕けよ、火風土の精霊――
フレイム・ブレイカー!!」
ドォォォォォォン!!
爆風が生まれ、
火と風と土が混ざり合い、
巨大な爆裂球が湖面を吹き飛ばす。
湖面が割れ、
水柱が上がる。
リオは後ろに吹き飛ばされる。
「うわっ!!」
エルミナが魔力で受け止める。
「リオ、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫……!
でも……すごい威力……!」
エルミナは頷いた。
「ええ。
三重複合は“初級魔法の十倍”の威力を持ちます」
リオは息を呑んだ。
(十倍……!)
エルミナは青・緑・茶の魔素球を取り出した。
「次は“水×風×土”。
これは“切断・粉砕・流動”の三重複合です」
リオは魔素球を握りしめた。
(水……風……土……
三つの魔素を……同時に……!)
魔力を流す。
魔素球が青・緑・茶に輝く。
リオは叫んだ。
「流れよ、駆けよ、砕けよ、水風土の精霊――
アクア・テンペスト!!」
シュバァァァァァッ!!
巨大な水の竜巻が生まれ、
風が加速し、
土が混ざり、
湖面を削り取る。
水柱が天へ伸びる。
リオは息を呑んだ。
「これ……上級モンスターにも……通じる……!」
エルミナは微笑む。
「ええ。
あなたは三重複合の才能があります」
エルミナは赤・青・緑の魔素球を取り出した。
「最後は“火×水×風”。
これは“蒸気爆裂系”の三重複合です」
リオは魔素球を握りしめた。
(火……水……風……
相性が悪い……!
でも……僕なら……!)
魔力を流す。
魔素球が赤・青・緑に輝く。
リオは叫んだ。
「燃えよ、流れよ、駆けよ、火水風の精霊――
スチーム・バースト!!」
ボォォォォォォン!!
火と水がぶつかり、
蒸気が生まれ、
風が加速させる。
巨大な蒸気爆発が起き、
湖面が吹き飛ぶ。
リオは吹き飛ばされる。
「うわあああっ!!」
エルミナが受け止める。
「リオ……!
あなた……本当に……!」
エルミナの目が震えていた。
(この子……三重複合を……初日で……!)
リオは息を荒げていた。
「はぁ……はぁ……
すごい……でも……魔力が……!」
エルミナは真剣な表情で言う。
「リオ。
三重複合は“魔力暴走の極致”です」
「極致……?」
「ええ。
三つの魔素を同時に扱うため、
魔力操作が乱れれば――」
エルミナは手をかざした。
湖の魔素が暴れ、
巨大な爆発が起きる。
ドォォォォン!!
リオは後ずさった。
「うわっ……!」
「これが“三重魔力暴走”。
あなた自身が消し飛びます」
リオは拳を握った。
(僕……もっと魔力操作を上手くしなきゃ……!)
エルミナはリオの手を取り、
魔素湖の中央に立たせた。
「リオ。
あなたには“無詠唱”の素質があります」
リオは目を見開いた。
「無詠唱……!?
魔法を……詠唱なしで……!?」
エルミナは頷いた。
「ええ。
無詠唱は“魔素制御”がなければ不可能です。
あなたはすでに魔素制御を持っています」
リオは胸が熱くなった。
(僕……無詠唱が……できる……!?)
エルミナは言う。
「無詠唱の条件は三つ。
1. 魔素の流れを完全に理解すること
2. 魔力操作を“意識せず”行えること
3. 魔法の形を“イメージだけで”作れること」
リオは深呼吸した。
(魔素……流れろ……!
魔力……動け……!
魔法……形になれ……!)
リオは手を前に出した。
詠唱なし。
ただ、イメージだけ。
ボッ!!
小さな火球が生まれた。
リオは息を呑んだ。
「で、できた……!
無詠唱……!」
エルミナは微笑む。
「ええ。
あなたは本当に……特別です」
エルミナは言う。
「リオ。
最後に――
三重複合の無詠唱を行いなさい」
リオは固まった。
「えっ……!?
三重複合を……無詠唱で……!?」
エルミナは静かに頷いた。
「ええ。
あなたならできます」
リオは深呼吸した。
(火……風……土……
三つの魔素……
魔力……流れろ……!
魔素……混ざれ……!
魔法……形になれ……!)
リオは手を前に出した。
詠唱なし。
ただ、イメージだけ。
ドォォォォォォン!!
巨大な火風土の爆裂球が生まれ、
湖面を吹き飛ばす。
水柱が天へ伸びる。
エルミナは息を呑んだ。
(この子……本当に……!
三重複合を……無詠唱で……!)
リオは膝をついた。
「はぁ……はぁ……!」
エルミナは駆け寄る。
「リオ……!
あなたは……魔法の壁を越えました……!」
若返りの泉で回復した後、
魔素文字が浮かび上がった。
《ステータス更新》
■ 新スキル
・三重複合魔法(新規習得)
・無詠唱(新規習得)
・魔素制御(強化)
・魔力操作(B → A)
■ ステータス
能力前後
MP95110
INT2833
WIS2934
エルミナは言う。
「リオ。
あなたは今日、
“魔法使いとしての第三段階”に入りました」
リオは拳を握った。




