表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/23

紅牙の強化

上級モンスター・ヘルハウンドとの死闘から一夜。

リオは小屋のベッドで目を覚ました。


胸の奥がまだ熱い。

昨日の戦いの余韻が、身体の奥に残っている。


(僕……生きてる……

 あんな強い相手に……勝てたんだ……)


だが、

ベッドの横に置かれた紅牙を見ると、

胸が締めつけられた。


刃が欠け、

柄の部分には亀裂が走っている。


(紅牙……)


リオはそっと紅牙を手に取った。


「……ごめん。

 僕が……弱かったから……」


そのとき、扉が開いた。


「リオ、起きていますか?」


エルミナだ。


リオは紅牙を握りしめたまま、

エルミナを見た。


「エルミナ……紅牙が……」


エルミナは静かに頷いた。


「ええ。

 上級モンスターの攻撃を受ければ、

 初級素材の武器では耐えられません」


リオは唇を噛んだ。


「僕……もっと強い武器が欲しい……

 紅牙を……もっと強くしたい……!」


エルミナは微笑んだ。


「その言葉を待っていました。

 リオ。

 今日は“紅牙の強化”を行います」



重力調整ドアを抜け、

リオは火山エリアへ向かった。


だが、今日はいつもの場所ではない。


エルミナは火山の奥へ進む。


「エルミナ……こんな奥まで来るの?」


「ええ。

 紅牙を強化するには、

 “上級素材”が必要です」


火山の熱気が強くなる。

地面は赤く光り、

溶岩が流れ、

空気が震えている。


(すごい……!

 こんな場所があったんだ……!)


エルミナは立ち止まった。


「リオ。

 ここが“火山エリア最深部”。

 この世界で最も熱く、

 最も危険な場所です」


リオは息を呑んだ。


(ここで……紅牙を強化するんだ……!)



エルミナは岩壁を指さした。


「リオ。

 あれが“炎心鉱”。

 上級武器の素材です」


岩壁の奥で、

赤黒い鉱石が脈動している。


まるで心臓のように、

ドクン……ドクン……と光っている。


(これが……炎心鉱……!

 すごい……魔素が……熱い……!)


エルミナはツルハシを渡した。


「リオ。

 炎心鉱は“魔力でしか砕けません”。

 魔力操作を使い、

 ツルハシに魔力を流しなさい」


リオは深呼吸した。


(魔力……流れろ……!)


ツルハシが赤く光る。


リオは岩壁に振り下ろした。


ガンッ!!


火花が散る。


(硬い……!

 紅炎鉱とは比べ物にならない……!)


だが、リオは諦めなかった。


ガンッ! ガンッ! ガンッ!


汗が流れ、

腕が震え、

呼吸が荒くなる。


それでも――


(僕は……紅牙を……強くしたいんだ!!)


ガキィィン!!


炎心鉱が砕けた。


リオは崩れ落ちるように座り込んだ。


「はぁ……はぁ……!」


エルミナは微笑んだ。


「よく頑張りました。

 あなたは本当に……強くなりましたね」


リオは炎心鉱を握りしめた。


(これで……紅牙を……!)



洞窟の奥。

巨大な魔素炉が赤く輝いている。


エルミナは言う。


「リオ。

 今日は“魔素鍛冶の応用”を行います」


「応用……?」


「ええ。

 炎心鉱は、

 ただ溶かすだけでは武器になりません。

 “魂の再調律”が必要です」


リオは紅牙を見つめた。


(紅牙の……魂……)


エルミナは紅牙を手に取り、

炉の前に置いた。


「リオ。

 紅牙はあなたの魔力と心を宿した武器。

 しかし、上級モンスターとの戦いで、

 “魂が傷ついています”」


リオは胸が痛くなった。


「紅牙……ごめん……」


エルミナは首を振った。


「謝る必要はありません。

 あなたと共に戦った証です」


エルミナは炎心鉱を炉に入れた。


ゴォォォォ……!


炉が赤く輝く。


「リオ。

 紅牙を炉に入れなさい」


リオは紅牙を炉に入れた。


刃が赤く染まり、

魔素が渦巻く。


(紅牙……!)



エルミナはリオの手を取り、

炉の上にかざした。


「リオ。

 紅牙の魂を“あなたの魔力”で癒しなさい」


「僕の……魔力で……?」


「ええ。

 武器は持ち主の心を映す鏡。

 あなたの魔力が、

 紅牙の魂を再び輝かせます」


リオは目を閉じた。


(紅牙……僕は……もっと強くなる。

 一緒に……戦いたい……!)


胸の奥の熱が、

腕へ、手へ、炉へと流れていく。


炉の中の紅牙が光り始める。


ポワァァァ……!


炎心鉱の魔素が紅牙に吸い込まれていく。


エルミナは息を呑んだ。


(この子……本当に……!

 武器と心を繋ぐ才能がある……!)



炉から取り出された紅牙は、

赤く輝いていた。


エルミナはハンマーを渡した。


「リオ。

 ここからが本番です」


リオはハンマーを握りしめた。


(重い……!

 前より……ずっと……!)


エルミナが言う。


「炎心鉱は“魔素の密度”が高い。

 叩くたびに魔素が暴れます。

 魔力操作で抑えながら叩きなさい」


リオは深呼吸した。


(魔力……流れろ……!)


ハンマーを振り下ろす。


ガンッ!!


火花が散る。


ガンッ! ガンッ! ガンッ!


腕が震える。

肩が痛い。

呼吸が荒い。


だが――


(僕は……紅牙を……強くしたいんだ!!)


リオは叩き続けた。


エルミナは静かに見守る。


(この子は……本当に折れない……

 努力(E)なんて……最低ランクじゃない……

 “最強のスキル”だ……)



最後の一撃を叩き込む。


ガンッ!!


紅牙が赤く輝き、

魔素が収束する。


エルミナは紅牙を手に取り、

魔素を読み取った。


「リオ……これは……」


リオは不安そうに見つめる。


「失敗……?」


エルミナは首を振った。


「いいえ。

 これは――

 “上級武器”です」


リオは目を見開いた。


「僕……そんなすごいもの……!」


エルミナは微笑んだ。


「ええ。

 あなたの魔力と心が、

 紅牙を“上級武器”へ進化させました」


紅牙は赤黒く輝き、

刃には炎心鉱の紋様が浮かんでいる。


リオは紅牙を握りしめた。


(これが……僕の……紅牙……!)



若返りの泉で回復した後、

魔素文字が浮かび上がった。


《ステータス更新》

■ 新スキル

・魔素鍛冶(E → C)

・魂調律(新規習得)

・武器共鳴(新規習得)


■ ステータス

能力前後

STR2326

VIT2225

MP7582

INT2224

WIS2225

エルミナは言う。


「リオ。

 あなたは今日、

 “真の武器を持つ戦士”になりました」


リオは紅牙を握りしめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ