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初めての連戦

ダークウルフとの激闘をリオは紅牙を磨きながら、昨日の戦いを思い返していた。


(影分身……影魔素……

 あれは本当に怖かった……)


だが、同時に胸の奥が熱くなる。


(でも……僕は勝てた。

 紅牙と……僕の力で……!)


そのとき、エルミナが小屋の扉を開いた。


「リオ。

 今日は“連戦”を行います」


リオは顔を上げた。


「連戦……?」


「ええ。

 中級モンスターを“二体同時”に相手にしてもらいます」


リオの心臓が跳ねた。


(中級モンスター……二体……!?)


エルミナは静かに言う。


「あなたは昨日、

 “単体戦”の壁を越えました。

 次は“連戦”の壁です」


リオは紅牙を握りしめた。


(怖い……でも……逃げたくない)



重力調整ドアを開く。


ズシッ――!


重力5倍の圧力が身体を押しつぶす。

だが、リオはもう慣れていた。


(昨日より……軽い……!)


エルミナが言う。


「リオ。

 今日は“森エリア”で戦います」


森エリアは、

初級モンスターが多い場所だと思っていた。


だが――


エルミナは首を振る。


「森エリアの奥には、

 “中級モンスターの縄張り”があります」


リオは息を呑んだ。


(そんな場所が……!)



森の奥へ進むと、

空気が変わった。


魔素が濃い


音が少ない


木々がざわついている


影が深い


リオは紅牙を構えた。


(ここ……危険だ……)


エルミナが言う。


「リオ。

 中級モンスターは“縄張り意識”が強い。

 あなたが入った瞬間、必ず襲ってきます」


そのとき――


ガサッ……!


茂みが揺れた。


リオは反射的に構える。


(来る……!)



茂みから飛び出したのは――


ダークウルフ(中級)

昨日戦った黒い狼。


そしてもう一体。


黒い毛並み、鋭い爪、

猫のようなしなやかな体躯。


シャドウリンクス(中級)


「グルルル……!」

「シャァァァ……!」


リオは息を呑んだ。


(狼と……猫……!?

 しかもどっちも影魔素……!)


エルミナが言う。


「リオ。

 この二体は“連携”します。

 ダークウルフが正面から攻撃し、

 シャドウリンクスが背後から狙う」


リオの背筋が凍る。


(そんなの……避けられるの……!?)



ダークウルフが突進してくる。


「グルルル!!」


リオは横へ飛ぶ。


ズシッ!


重力が身体を引きずる。

だが避けた。


(よし……!)


だが――


背後で影が揺れた。


「シャァァァ!!」


シャドウリンクスが背後から飛びかかる。


「うわっ!!」


リオは咄嗟に紅牙を振る。


ガキィィン!!


爪と剣がぶつかり合う。


(速い……!

 ダークウルフより……速い……!)


エルミナが叫ぶ。


「リオ、気をつけて!

 シャドウリンクスは“影移動”が得意です!」


影が揺れる。


リオは横へ飛ぶ。


ズシッ!


シャドウリンクスが影から飛び出す。


(危なかった……!)



リオは紅牙を構えた。


(このままじゃ……押し切られる……!

 魔法……使わなきゃ……!)


リオは火の魔素を剣に流した。


紅牙が赤く燃える。


「フレイム・スパーク!!」


ボッ!!


火花が散り、

ダークウルフが後退する。


(よし……!)


だが――


影が揺れる。


「シャァァァ!!」


シャドウリンクスが背後から飛びかかる。


リオは風魔法を使った。


「ウィンド・カッター!!」


シュバァッ!!


風の刃がシャドウリンクスの頬をかすめる。


「シャッ……!」


リオは息を荒げた。


(魔法と……剣……

 同時に使うの……難しい……!)


エルミナが言う。


「リオ、落ち着いて!

 魔法は“補助”。

 剣が“主軸”です!」


リオは頷いた。


(剣が主軸……!)



ダークウルフが影に潜る。


シャドウリンクスも影に溶ける。


(影……二つ……!?)


影が揺れる。


右からダークウルフ。

左からシャドウリンクス。


「うわっ!!」


リオは紅牙で右を防ぎ、

左は風魔法で弾く。


ガキィィン!!

シュバァッ!!


だが――


影がもう一つ揺れた。


(えっ……!?)


三つ目の影。


「シャァァァ!!」


シャドウリンクスの影分身が飛び出す。


「うわあああっ!!」


リオは避けきれず、

爪が胸を裂いた。


ザシュッ!!


「っ……痛っ……!」


血が流れる。


エルミナが叫ぶ。


「リオ、下がって!!」


だが――


影が四つ揺れる。


(四方向……!?

 そんなの……避けられない……!)


リオは紅牙を構えた。


(僕……死ぬの……?)



その瞬間――

リオの胸の奥が熱くなった。


(魔素……流れろ……!)


世界が“遅く”見えた。


影の魔素が、

どこから来るのか“見える”。


(右……左……後ろ……上……!)


リオは紅牙を振る。


ガキィィン!!

ガキィィン!!

ガキィィン!!

ガキィィン!!


四方向からの攻撃を、

すべて弾いた。


エルミナは息を呑んだ。


(魔力感知……進化した……!?

 この子……本当に……!)


リオは叫んだ。


「僕は……負けない!!」



リオは紅牙に魔力を流した。


紅牙が赤く燃える。


「はぁぁぁぁっ!!」


リオは地面を蹴った。


ズシッ!!


重力5倍の世界で、

リオは“加速”した。


ダークウルフが影から飛び出す。


リオは剣を振り下ろした。


ズバァッ!!


ダークウルフが霧散する。


(あと一体……!)


シャドウリンクスが影に潜る。


リオは魔力を拳に集めた。


(魔力……拳に……!)


拳が光る。


「うおおおおっ!!」


リオは拳を叩き込んだ。


ドゴォォッ!!


シャドウリンクスが吹き飛び、

霧散した。


リオはその場に膝をついた。


「はぁ……はぁ……!」


エルミナが駆け寄る。


「リオ……よくやりました!」


リオは震える声で言った。


「僕……勝った……?」


「ええ。

 あなたは“連戦”の壁を越えました」



小屋に戻り、

リオは若返りの泉に浸かった。


――光が身体を包む。


痛みが消え、

疲労が溶け、

魔力が満ちていく。


泉から上がると、

魔素文字が浮かび上がった。


《ステータス更新》

■ 新スキル

・魔力感知(D → B)

・影読み(強化)

・魔力武技(萌芽 → 発現)

・剣術(D → C)

・風魔法(強化)


■ ステータス

能力前後

STR1418

VIT1317

AGI1014

SPD1014

MP5563

INT1719

WIS1618

エルミナは言う。


「リオ。

 あなたは今日、

 “戦士としての第二段階”に入りました」


リオは紅牙を握りしめた。


「次は……もっと強い敵と戦いたい!」


エルミナは微笑む。


「ええ。

 あなたなら、どこまでも強くなれます」

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