7話
「けっ、どっちが本当の化物かわかんねーな」
「なんだクソジジイ、文句があるなら直接言いにこいよ」
「気にいらねーやつは殺すってか?お前も化物と同じじゃねーか!」
まともに話し合うだけ時間の無駄だな。
「お兄ちゃん!すごかった!」
「そうか?外までちゃんと守ってやるからな。大人しくしておけよ?」
「うん!」
純粋な子供はいいな…
クソジジイのあとだから余計に沁みる。
「翔琉!テレビ局の人が話したいって!」
「わかった。代わりました、燈黒です」
『何名の方が見つかりましたか?』
「10人ほどですね。今から外まで送るところです」
『怪我をしている方は?』
それからも色々質問に答えながら出口まで移動していた。この辺りはすでに倒してるおかげでゴブリンにも見つからず無事に出口まで到着することができた。
「「「ありがとうございます!」」」
「お兄ちゃん!お姉ちゃん!ありがとう!」
「化物が…」
クソジジイは最後までクソジジイだった。
「これからどうするの?」
「2階に行こう」
「…本気?」
みかが立ち止まった。
顔色が悪い。やっぱり上で何かあったんだな。
「本気だ」
「危ないよ」
「この状況が続く方が危険だろ」
「でも!…死んじゃうよ」
「怖いならここにいればいい。ゴブリンも少ないし、隠れてればなんとかなるだろ」
「いや」
嫌って…
どうしたいんだよ…
俺も戦いたい訳じゃねーんだよ…
「…パーティ組んで」
「は?」
「パーティ組むなら一緒に行ってあげる」
「いや、別に来なくていいよ。俺一人で…」
「パーティ!組んで!」
「わ、わかったよ…どうやって組むんだ?」
若い女の子怖い…
「ウィンドウを開いたらパーティっていうのがあるでしょ?そこから招待を送って」
「詳しいな」
「さっき色々さわってて見つけたの」
「そうか…おい、1レベルってなんだよ」
パーティを組むと現在の装備とレベルと職業を見ることができた。
「しょうがないでしょ!?こんな棒でどうやって戦えって言うのよ!」
付与士の杖:攻撃力0
たしかに戦えないな…
「翔琉は…8!?8レベルであんなに強いの!?」
「相手がゴブリンだから強く見えるだけだろ」
「いやいや、私でも勝てる気しないよ!?」
「そんな棒きれで勝てるわけないだろ」
「うるさいー!」
元気になったか。
女の子はなにを考えてんのか本当にわからん…
2階につくと1階よりも地獄だった。
ゴブリンが死体を叩いたり色々して遊んでいるし、明らかに数も多い。
「すごい数だな」
「戻る?」
「戻らない」
「だよね〜。どうするの?」
「ここで待っててくれ」
「嘘でしょ?一人で戦うつもり!?」
「エンチャントだけ頼む」
やるしかないだろ。
とりあえず見える限りのゴブリンを倒そう。
隠密を使用し、孤立している奴から仕留めていく。
称号とエンチャントのおかげでかなり楽に処理することができている。
数体を狩るだけならわからなかったけど、30体以上も狩っていると流石に違いがわかってくる。
今までよりも力をいれずに斬りさくことができるから体力を温存しながら戦うことができる。
それとゴブリンの種類が増えた。
ゴブリンアーチャーとゴブリンナイトだ。
逆に普通のゴブリンは減っている。
もしかすると普通のゴブリン達は追い出されて1階まできたのか?
50体ほど倒すとようやく近くのゴブリン達の反応がなくなった。
【レベルアップしました】
【レベルアップしました】
普通のゴブリンではなく、ゴブリンナイトとゴブリンアーチャーを倒しまくったおかげでレベルも2つ上がった。
「うそっ…本当に倒しちゃった…」
「レベルも上がったみたいだな」
「ほんとだ!スキルポイントってなにに使ったらいいの?」
「わからん」
「翔琉って戦闘以外役に立たないよね」
「うるせーよ」
連絡先をテレビ局の人に教えたので、その人のスマホとビデオ通話を繋いでいる。
店長のスマホと通話を繋いでいるときは話しにくくて仕方がなかった。
『生存者はいそうですか?』
「少し待っててください」
急いでスキルポイントを振ろう。
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名前:燈黒 翔琉 レベル:10
職業:暗殺者
HP:450 MP:200
筋力:25 防御力:1
速度:14 知能:2
感覚:15 運:1
スキルポイント:0
<スキル>
隠密 煙幕
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筋力と感覚にスキルポイントを振った。
なんとなくさっきよりは気配に敏感になった気はするけど、よくわからないな…
「この辺りに生きている人はいなさそうですね」
『そうですか…引き続きよろしくお願いいたします』
みかの方を見るとウィンドウを見ながら悩んでいる。
あれ?他の人のウィンドウって見れるのか?
「なぁみか」
「うわぁ!なに!?」
「他人のステータスウィンドウって見れるのか?」
「試してみる?」
そう言われたのでみかのウィンドウを覗くと見ることが出来た。
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名前:桜井 みか レベル:6
職業:付与士
HP:250 MP:400
筋力:1 防御力:1
速度:2 知能:5
感覚:3 運:1
スキルポイント:25
<スキル>
エンチャント ブースト
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「見れるな」
「マジ!?翔琉のも見せて!参考にしたい!」
「いいけど…参考にならないと思うぞ?」
「いいからいいから!」
みかに俺のステータスを見せると睨むように見てきた。
「ただの脳筋じゃん」
「うるせーな。その脳筋のおかげで生きてんだよ」
「私も筋力を上げようかな」
「みかは知能を上げた方がいいんじゃないか?」
「はぁ?なに?喧嘩売ってんの?」
「売ってねーよ!ステータスに書いてんだろ!」
「なんだ、ステータスの話か」
怖ぇ…なんだ今の圧…
「そういえばスキルも増えたみたいだな」
「ほんとだ!ブーストか。武器じゃなくて人にかける強化みたい!」
「強敵が現れても安心だな」
「…翔琉は死なないよね?」
怒ったり悲しそうな顔をしたり、忙しい奴だな。
「普通に死ぬぞ」
「こういうときは嘘でも「死なないぞ」って言うもんでしょ!」
「はいはい、死なない死なない」
「もう…心配する身にもなってよ…」
「悪かったよ」
心配してくれてたんだな。
いきなり一人であの数のゴブリン達を倒しに行くなんて自殺行為と同じか。
ゴブリンじゃない気配がゆっくり近付いてきた。
「お、おい…お前ら…」
傷だらけの男だ。
ゴブリンと戦ってたのか?
「助けて…くれ…!」
男の後ろからゴブリンの気配がする。
「みか!この人を見ててくれ」
「ちょっと!」
ゴブリンアーチャーとゴブリンナイト、そしてゴブリンメイジか。
ゴブリンメイジは初めて見るな。
「グギャア!」
ゴブリンメイジが持ってる杖を掲げるとゴブリンナイトとアーチャーの身体がオレンジ色のオーラを放ちはじめた。
「あいつ、サポート系のスキルを使うのか。」
とりあえずいつも通り戦ってみるか。
ナイトの首を斬りおとそうと短刀を振ると、盾で防がれた。
その隙をつかれアーチャーに弓を放たれたので一度距離をとった。
「エンチャント!ブースト!」
「助かるよ」
これで俺も同じ強化された状態だ。
「煙幕」
念には念を。まずはエンチャンターであるゴブリンメイジからだ。
ゴブリン達が煙幕で困惑してるうちにゴブリンメイジの身体を斬りさくとナイトとアーチャーのオーラもなくなった。
術者を倒すとそのスキルなどもなくなるみたいだな。覚えておこう。
それからナイトとアーチャーも倒した。
「ははっ、あんたら…強いな」
「大丈夫?」
「あぁ…なんとかな…。1階の食品売り場が、あるだろ…?そこまで連れて行ってくれないか…?」
「任せて!」
みかが全て決めてしまったが、まぁいいか。
「なんで外じゃなくて食品売り場なんだ?」
「外に出られない奴らが…集まってんだ…」
「そうか。とりあえず薬草でも食べておくか?」
「薬草?」
使い方がわからない…
とりあえず食べさせてみよう。
「ねぇ、それ食べて大丈夫なの?」
「薬草って書いてるし大丈夫だろ」
「もしかして、実験台にされるのか…?」
嫌そうな顔をしているが回復効果があるといったら覚悟を決めたようで食べた。
うわぁ、めちゃくちゃ不味そうな顔をしている。
「あれ?HPが回復した?傷もマシになってる…」
「おぉー!実験成功だー!」
「回復してよかったな」
「あんたらひどいな…でもありがとう。助かったよ」
先程よりも顔色がマシになっている。
「俺は秋風 蓮太郎だ。よろしく!」
「覚醒者じゃないの?」
「そうか、職業も言った方がいいか!職業は弓使いだ!」
俺達も自己紹介を済ませると、蓮太郎が俺のことをジッと見てきた。
「どうした?」
「いやぁ、暗殺者似合ってるなーと思ってな」
「ぷふっ!」
「褒めてんのか?」
「褒めてるって!睨むなよ!」
はぁ…暗殺者が似合ってるって多分このローブのせいだよな?
性能がいいせいで脱げないのが腹立たしい…




