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フリーターの俺に世界が救えると思いますか?  作者: 干物


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16/22

16話


「翔琉!大丈夫!?」

「大丈夫。ちょっと休憩させてくれ…もう、疲れたんだ。休みたい…」

「もう!無駄に心配させないで!」


疲れた、もう立ってられない。

あんな殺し合いはもうこりごりだ。


立つのもしんどいので座っていると、みかが抱きついてきた。


「え、おい!ちょっと!」

「死んじゃうかと思った」

「…それは俺も思った」

「なんであんな化物と真正面から戦ったの!?」

「慢心だな」

「バカじゃん!」


はい。バカです。自分でも思います。自惚れてました。


「悪かったって。泣かないでくれよ」

「泣いてないもん!」


なら見ないようにしよう。


ん?人か?誰かが走ってきている足音が聞こえる。


「翔琉?」

「誰かが近付いてきてる」

「え…またゴブリン?」

「人だと思うけど」

「燈黒翔琉さん!桜井みかさん!大丈夫ですか!?」


この声、テレビ局の人か?


それから俺達は救急隊の人や自衛隊の人達に外まで連れ出された。


外に出るまでの間に色々質問された。


身体や服は血まみれなのに傷は塞がっているのは何故か。生存者は他にいたか。覚醒者になって人を殺したいと思うようになったか。など失礼な質問もありつつ様々な質問をされた。


正直今は勘弁してほしい。

カメラも向けられてるから下手なことを言えないし。


こっちが疲れてるのがわからないのか?


自衛隊の人達は優しかった。

めっちゃ褒められた。

あんなに褒められたのは初めてで嬉しかったが少し恥ずかしかった。


そして、


「翔琉くーん!」

「あの、痛いです…」

「よかった…!よかった…!」


店長に抱きしめられている。

もう夜なのにずっと待っていたらしい。


「お前やるやんけ!」

「痛いですって…」


背中をバンバン叩いてきたのは桜崎さんだ。

他の人は帰ったらしく、2人で待っていたらしい。


「翔琉くんが化物に殴られたときは死んだと思ったわ」

「次に映ったときは血まみれになってたもんな」

「ずっとビデオ通話を見てたんですか?」

「ちゃうちゃう。テレビとか動画サイトで配信されてたのを見ててん」

「え!?テレビ!?」

「知らんかったんか?」


知らん!テレビ!?配信!?嘘だろ!?

みかがスマホを持ってたからほぼずっと映されていたのは俺…?恥ずかしすぎるだろ!


「知りませんでした…」

「かっこよかったで!人を助けるために戦ったりしてたし、やっぱ翔琉くんは凄いな!」

「あ、ありがとうございます」


穴があったら入りたいとはこのことか…


「燈黒さん、少しお話をよろしいでしょうか?」


テレビ局の人か?さっき会った人とは違う人達がカメラを持ってきた。

またですか…


「最後の巨大なモンスターを倒したあと、このショッピングセンターが光り輝いたのですが、何か知っていることはないでしょうか?」


光り輝いた?

ボスを倒したあと、入場制限を解除っていう通知が出てたよな。そのせいか?


「ボスを倒したからだと思います」

「ボス?いったいどういうことでしょうか?」

「なんて言ったらいいんですかね。この場所にいた主を倒したあと、入場制限を解除したっていう情報が出てきたんです。なのでそのせいではないですかね」

「情報が出てきたとのことですが、どこから情報を得たのですか?」


そりゃ聞くよなー。頭がおかしい奴だとか厨二病って思われそうで言いたくないのに。


「今俺の目の前に青い画面のようなものがあります。見えますか?」

「い、いえ。なにも見えないです」

「なら覚醒者にしか見えないようですね。ここにいた主を倒したときにそこから情報を得ることができました」

「な、なるほど…」


周囲の目が痛い…

そうだよな。完全に厨二病みたいなことを言ってるよな…


「わかりました。お疲れのところ申し訳ございませんでした。我々はここで失礼致します」

「あ、はい」


よかった。終わった…と思ったらみかが来た。

帰らせてぇ…


「あの、翔琉…」

「どうした?」

「連絡先、教えて」

「連絡先?いいけど…」


連絡先を教えたら走ってどこかに行ってしまった。


「燈黒翔琉さんですか?私は早乙女と申します。少しお話を聞いてもよろしいでしょうか?」

「警察…ですか」

「逮捕とか罰金とかではないので安心してください。家までお送りしながらお話を聞かせていただきたいだけです。さぁ、こちらへ」


家まで送ってくれるならいいか。


という訳で車に乗せてもらった。


「ふぅ」

「お疲れですよね。申し訳ございません。ですが、あのままいたら…」

「わかってます。助かりました、ありがとうございます」


あの場にはまだまだカメラを持っている人や偉そうな人がたくさんいた。

このまま帰れるならラッキーだ。


「実は私も覚醒者なんですよ。職業は鑑定士で戦闘には不向きなんですけどね」

「そうだったんですね」

「はい、私のスキルは鑑定。相手のステータスなどを視ることができるだけです」


鑑定士か。使いようによっては便利そうだけどな。


「燈黒さんのステータスはとんでもないですよね。レベルを上げるにはやはり、モンスターを倒すべきなのでしょうか?」

「そうですね。それ以外のレベルの上げ方はわかりません」

「そうですか…でしたらその装備はどうやって手に入れたのですか?」

「そんなこともわかるんですか?」

「はい。普通の服には鑑定は効かないのですが、燈黒さんの服は鑑定できたので、覚醒者関連かと」


装備のステータスまで見れるのか。

悪用されたら怖いな…


「警戒しないでください。あなたが本気になれば私達など手も足も出ません」

「すみません。この装備もモンスターを倒したときに入手しました」

「やはりそうですか。聞きたいことは聞けました。ありがとうございます。ちょうど着いたみたいですね」

「こちらこそありがとうございました」


この人、こんなにベストタイミングで家に着くとか会話にかかる時間とか計算してるんじゃないか?


「警戒しないでくださいよ」

「さっきまで殺伐とした場所にいたので許してください」

「そうでしたね。この度は市民の方を救っていただきありがとうございました」


丁寧にお辞儀をしたあと車に乗り去っていった。


「はぁ…やっと帰ってこれた」


家の鍵を開けドアを開けた。


「あー!お兄ちゃん!うわっ血だらけ…おかーさーん!」

「はいはい、あらー、すごい血。さっさとお風呂に入っちゃいな」

「…ただいま」


さっぱりしすぎだろ。妹も母さんも…


「おーアニキ、おかえり」

「ただいま」

「これ着替え。できるだけ床に血を垂らすなだってさ」

「わかってるよ」


弟の龍も淡白な性格をしているのでこんな感じだ。


「はぁ〜、気持ちいい…」


シャワーを浴びるだけで気持ちがいい。

汗と血が流れていく。


装備していた服はインベントリにしまえたし、ステータスを上げて力が制御できない、なんてこともなかった。


湯船に浸かりステータスを見る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



名前:燈黒 翔琉 レベル:19


職業:忍


HP:675 MP:290


筋力:39 防御力:1


速度:20 知能:2


感覚:20 運:1


スキルポイント:20


<スキル>

隠密 煙幕 風 空蝉 まきびし



ーーーーーーーーーーーーーーーーー


職業が忍に変わった。

たしか中級職業って書いてたよな。


それにスキルも増えた。

空蝉は忍者がよく使う身代わりの術。

まきびしはただのまきびしだった。


わかりやすい攻撃系のスキルが欲しかったな。


いや、もういらないか。

戦う必要がなくなったもんな。


日本のゲートの主は残り4体か…

いやいや、俺には関係ない。


はやく風呂から出て寝よう。


「翔琉か、お前怪我はないんか?」

「大丈夫だよ」

「そうか」


怪我の心配をしてくれたのは父さんだけだった。


なんかみんなの空気重くない?


「なにかあった?」

「わしもな、覚醒者になったんや。戦いに行かなあかんかもしれん」

「俺もだ」

「私も覚醒者になっちゃったんだ〜」


なんで。どうして。


「どういうこと?」

「覚醒者はモンスターを倒すために集まらなあかんかもしれん」

「行かなくていい」

「でも…」

「そうなったら俺が行くから。行かなくていい」


弟は大学生、妹は高校生、まだ親が必要だ。

それになにより、あんな地獄に行かせたくない。


「モンスターはどうやった?」

「強いやつも弱いやつもいた。覚醒者でも普通に負けれる」

「そうかぁ…わしは鍛冶師やから戦いに行かんくていいかもしれんけど、龍と天がな…」

「俺は魔法使いだ」

「私は結界術士!」


欲しい人材だな。

この2人がいたら戦闘がかなり楽だっただろうな。


「アニキ?」

「鑑定士っていう職業がある。できるだけ見つからない方がいいな」

「職業がバレたら戦場に行かされるってことか?」

「たぶんな。魔法使いなんてわかりやすく戦えそうな職業、連れて行かれるだろうな」

「私は?」

「その場にいる人間次第。使えなさそうならいらないって言われるだろうな」

「なっ!」


選ばれない方がいいだろう。


「私も行きたい!モンスターを倒す!」

「駄目だ!」

「ちょっ…と…そんな怒んなくてもいいじゃん」

「絶対に行くな。死ぬかもしれないんだぞ」


自分は死んでもいい。夢も希望もないからな。

でも家族が死ぬのは我慢できない。


「だってさ天。お前も家でお留守番だ」

「龍も行くなよ」

「わかってるよ。誘われても行かないっつーの」

「それならいい。父さんも行かないでくれよ」

「わしの代わりに息子が行きますって言えって言うんか?」

「そう」

「ふざんけんなよ!息子を売るようなことをしろって言うんか!?」


普段怒らない父さんが怒った。

俺も心配されてんだな。


「まぁまぁ、落ちついて。鍛冶師って戦うことが専門じゃないんでしょ?適材適所ってやつじゃない?」

「それでもお前、あんなバケモンがおる場所にまた翔琉を行かせるんか!?」

「翔琉なら大丈夫でしょ。なんとかするわよ」

「そんな適当な…」


父さんまで呆れている。

まぁ俺もびっくりしてるけど。


「それにまだ決まったわけじゃないでしょ?大丈夫よ!」

「はぁ…わかった。翔琉、変な服着てたやろ?だしてみろ」

「え、うん」


へ、変な服…

多分漆黒のローブとかのことだよな。


「なるほどなー。リペア」

「え?」

「これでええんか?ちょっと見てみろ」


ボロボロだった漆黒ローブとグローブが新品みたいに綺麗になった。


「ありがとう」

「わしは作ることと治すことしかできんみたいや。やから、まぁ…行かせたくないけど、お前に行ってもらうことになるかもしれん」

「それでいいよ」

「少しは嫌がれ」

「俺は死なないから大丈夫」

「慢心するなアホが!」


怒鳴られた…


「人は死ぬ、お前が一番実感したやろ?」

「わかってるって。大丈夫、なんとかなる」

「はぁ…ほんまお前は…」


呆れられた。

まぁいい。みんなが行かなくて済むならなんでもいい。


「もう寝るから」

「おやすみ」

「お兄ちゃん一緒に寝てあげようか?」

「いらない」


天が騒いでるけど近所迷惑だろ。


もう24時か。

ゴブリン達と戦って12時間ちょっと。

思ったよりも早く帰ってこれた。


寝よう。明日は休みだ。たくさん寝よう。


ベッドに寝転ぶとすぐに眠ることができた。


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