14話
4階。映画コーナー。
いつもならポップコーンの香りなのか独特の香りがするのに、今は血の匂いしかしない。
「悲劇だな」
「劇場だけに?」
「つまんないこと言ってないで行くぞ」
「翔琉が言ったんじゃん!」
この辺りも気配を感じないというか、この先の強い気配のせいでよくわからない。
「ボス以外にゴブリンがいると思うか?」
「少しはいるんじゃない?」
「適当だなぁ」
「翔琉にだけは言われたくない」
みかも周りのことを警戒しているからかふざけた様子がない。
「行くか」
「うん」
周囲を警戒しながら進むと鎧を着けたホブゴブリンが30体ほどいたがすぐに倒せたしレベルも2上がった。
「鎧ごと真っ二つって怖いんだけど」
「風のスキルに慣れてきたおかげだな。みかはボス戦まで温存しておけ」
「スキルポイント振るからちょっと待ってて」
俺も今のうちに上げるか。
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名前:燈黒 翔琉 レベル:15
職業:暗殺者
HP:575 MP:250
筋力:39 防御力:1
速度:20 知能:2
感覚:20 運:1
スキルポイント:0
<スキル>
隠密 煙幕 風
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鎧を着たホブゴブリンがいたってことはボスも着てておかしくないので筋力を上げた。
みかもスキルポイントを振れたようなので進む。
「あの光ってるとこだよな?」
「う、うん。緊張するね」
1箇所だけドアが開いている場所があり、明るいし音も聞こえてくる。
「もしかして映画を見てるのか?」
「まっさかー?モンスターがそんなことするわけなくない?」
「だよな?」
ゴブリンだぞ?映画を見たりするか?
もしも見ているなら相当頭が良さそうだ。
「入るぞ」
「うん!ブースト、エンチャント!」
「助かるよ」
覚悟を決め、劇場内に入る。
「ようやく来たか。人間よ」
「最悪だ」
ゴブリンジェネラル。名前が赤いのはボスだからか?
ホブゴブリンとは違い、全身が鎧に包まれていて隣に剣と盾を置いている。そして図体もデカイ。
身長はゴブリンプリーストと同じぐらいありそうだな。
相性は最悪だ。今回も殴るのが一番効きそうだな。
「君達はこれを映画と呼ぶのだろう?これは良い物だな。見ていて飽きない」
「そうかよ。悪いけどお前には死んでもらう」
「それはこちらの台詞だ。人間」
「お前が…ママを…!」
「みか?」
ゴブリンジェネラルのことを今まで見たことがない形相で睨みつけている。
こいつに母親を殺されたのか。憎いだろうな。
「落ち着け」
「わっ」
「戦うのは俺だ。絶対に殴りに行ったりするなよ?」
「わかってるよ」
「本当か?今にも突撃しそうな雰囲気だったぞ?」
「気を付けるから!頭撫でないで!」
頭をガシガシ撫でると緊張が解けたのかいつもの調子が出てきた。
「痴話喧嘩はもういいのか?」
「どこでそんな言葉を覚えたんだよ…」
「映画で見たのでな」
ゴブリンジェネラルが剣と盾を持ち、構えた。
「我は誇り高き戦士、ゴブリンジェネラル!王の剣であり、盾である!王の命により君達人間を滅ぼしにきた!」
「圧が凄いな」
「構えよ、人間」
「風よ」
全身に風を纏わせ少しでも身体能力を上げる。
「準備は出来たか?ならば我と死合おうぞ」
迫力満点、奴が構えているだけでプレッシャーが凄い。
みかを見ると少し怯んでいる。
負ける訳にはいかないな。




