13話
「おい!いつまで寝てんだ!」
「…ん?」
「ん?じゃねえ!いつまで寝てんだ!はやく起きな!」
「ふぁ〜。すまん。おはよう」
「おはようさん。さっさと立ちな!」
「はーい」
はぁ、よく寝た。身体がバキバキだ。どれだけ寝ていたんだろ?
「どれくらい寝てた?」
「4時間以上だよ寝坊助。みかはとっくに起きてるよ!さっさと飯食って行きな!」
寮で飯当番のおばちゃんが言ってそうなセリフだな。
「ここのご飯を食べていいのか?」
「いい!ただし、ここのボスを倒してくれるならな!」
「ボスかぁ…ここからでもヤバい気配が感じれるようなやつを倒せって?」
「あんたならできるだろ!できなくても殺れ」
むちゃくちゃ言ってくれるな。
みかのサポートがあればいけるか?
いや、相性次第だな…
「頼む。もうあんたしか頼める奴がいないんだ」
「…わかったよ。頼まれなくても倒すつもりだったしな」
「あんたもゲーム感覚で楽しんでんのか?」
「ゲーム感覚で戦ってたらとっくに死んでるよ」
この感じ、蓮太郎達はゲーム感覚で戦いに行ったのか?
「どうして戦うんだい?」
「…成り行き?」
「あんたに真剣に聞いたのが間違いだったよ…」
行ってしまった。
俺もご飯を食べよう。
この後も戦うし麺類にしようかな?
蕎麦が残ってたので持ってきた。
身体を動かす前は麺類にかぎるよな〜。
そういえばスマホを忘れてた。
みかが持ってるかな?
食べながら情報とか見ておきたかったんだけどな。
「はぁ…どうして戦うか。かぁ。」
なんで戦ってんのか自分でもわからんな。
強いて言うなら生き残るためか?
生き残ってなにになるんだろうな。
いや、待てよ。
龍と天、大丈夫か?
「…やばい」
完全に忘れてた。
家族に一切連絡とってねー!
急いでみかに会いに行こう。
探したらすぐに見つかった。呑気にフルーツを食べている。
「翔琉おそい!」
「俺のスマホ貸してくれ」
「え?うん」
そうだった。ビデオ通話をしてんのか。
とりあえずメッセージだけ送っておこう。
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翔琉:みんな生きてる?
天:バカにいにがやっと連絡してきて草
龍:母さんも父さんも無事だから、アニキは自分のことだけ考えてくれ
母:はやく帰ってきてね〜
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え、なにこれ。
心配されてなくない?
もしかして嫌われてる?嫌われてるよね?
24歳実家暮らしのフリーターは嫌われてもおかしくないか。そうだよな…
まぁ無事でよかったし、巻き込まれたのが俺だけでよかった。
「どうしたの?」
「なんでもない。そろそろ行けるか?」
「翔琉待ちです〜いつでも行けます〜」
「悪かったよ。それなら行こう」
ゆっくり寝ることができたし、ご飯も満足に食べることができた。
菫が見張りをしてくれていたおかげだな。
「あんたら準備できたのかい」
「あぁ、もう行くよ。ありがとな」
「菫のおかげでゆっくり休めたよ!ありがとね〜!」
「死なずにボスを殺せよ」
「死ぬ気なんかねーよ」
「わたしも!」
見送るのがトラウマになってそうだな。
気持ちはわかるけど。
それにしても、ボスってどんなゴブリンだ?ゴブリンじゃない可能性もあるのか?
戦士系じゃなくて魔法使い系がいいな。
「ねぇ翔琉。今まで手袋と指輪ってつけてなかったよね?」
「ゴブリンプリーストを倒したら特別報酬をもらえたんだ」
「そんなのあるんだ!」
「この指輪はすごいぞ。武器に火属性を付与できるんだ」
「そんなことできるの!?エンチャントみたいな感じ!?」
1回試してみるか。
短刀を指輪を着けている右手で持つ。
「火よ」
風と同じ感覚で武器に火を纏わせた。
「そんなことできるの!?かっこよくない!?」
「これで攻撃力アップだな」
「私のスキルでもっと攻撃力も上がるし、ボスも余裕じゃない?」
「慢心」
「はいはい気をつけます〜」
慢心して死ぬのはゲームの中だけで充分だ。
2階についたがゴブリンが見当たらない。
ゴブリンプリーストが引き連れてたので最後だったのか?
「3階に行ってみるか」
「うっ、うん。行こっか」
「無理しなくていいぞ?」
「…大丈夫。一緒に行く」
覚悟が決まってるなら大丈夫か。
3階に行ってもゴブリンの数は少なかった。
「4階に行くための唯一のエスカレーターの前にホブゴブリンが2匹。それ以外にゴブリンは見えないし気配もしないな」
「倒せる?」
「あれぐらいなら余裕だな」
「慢心」
「自信だよ。行ってくる」
「むぅ。ブースト」
ちゃんとバフはかけてくれるんだな。
なんか前よりも力が漲るのは気のせいか?
「風よ」
今回は短刀だけに風を纏わせ威力を上げてみる。
「気を抜くと風がブレるな。練習しないと」
ホブゴブリンに近付くが初めて出会ったアイツと比べるとコイツらは雑魚だな。
「グォォォォッ!」
「声は似てるな」
棍棒を躱し、短刀を振ると今までとは全く違う斬り心地であっという間に倒せてしまった。
「短刀じゃデカイ図体を斬り落とすのは無理だと思ってたけど、これならいけるな」
みかが近付いてきているが何故か睨まれている。
「なんだよ」
「強くなりすぎじゃない?」
「そういうみかだって、ブーストの効果が高まってないか?」
「え、わかるものなの?」
「なんとなく?」
「うわー…」
うわーってなんだよ。引くなよ。
お互いに成長してるんだから喜べよ。




