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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

幼馴染に親が死んだと婚約破棄を持ちかけたら薬を飲まされました

作者: びわ
掲載日:2025/11/14

「ルージオ様、ちょっといいかしら?」

 ルージオは「もちろんだ」と言って人払いをする。

「で、何?リリア」

 ルージオはご機嫌の様子で少し安心した。

「あのね、こっ婚約解消しましょう。」

「は?」



☆★☆


 私、サミット・リリアーナは、好きな人がいる。婚約者である、ミレズム・ルージオだ。

 私は平民、ルージオは子爵令息、身分はあれど両親が親友で、それなりに大きな商家の娘だった、だから生まれた婚約で、いわゆる政略結婚。しかし私は幼い頃からずっと一緒だったルージオが大好きで、政略でも嬉しかった。


 15歳の時、私と彼の両親が亡くなった。

 両親がいなくなったショックで1日中寝込んだ。でも、それ以上にルージオとの婚約は両親が決めた婚約、もうどっちの両親もいなくなってしまった今、ルージオと婚約する理由がなくなってしまった。ルージオは私がいたとしてもモテているんだ。私が縛って良いはずない。

 でも私は悲しんでいる時間もなく、商会を継ぐことになった。潰さないように仕事の受け渡しをしていたら気づけば3日間も徹夜していた。

 両親が死んで、ルージオとの婚約の理由がなくなってしまった。感情をを落ち着かせるためにぶっとうしで、仕事をし続けた。

 本来だったら結婚するまで商会は継ぐはずなかったのに…そうやって現実逃避をしながら。

「リリア、大丈夫?やつれてるよ。」

 ルージオは優しい。私を好いてくれてると思うほど。でもわかってる。ルージオが優しいだけで私を特別好いてくれてるわけじゃない。

 キスどころかハグだって一度だってされたこともないのに。

「大丈夫だよ。もうひと頑張りだから今は休んでられないもん。」

「そう?手伝えることない?もうすぐ結婚するんだから手伝わせてよ。」

 その言葉に私はほだされているのはわかっていた。ルージオも子爵を継いで大変だろうに…

 ルージオに甘えているばっかりでは負担をかけてしまうだけだ。

(重荷になりたいわけじゃない…)


★☆★


「へ?リリア、何か俺しちゃったかな?」

 ルージオは固まっていた。私はてっきり愛のない婚約、解消を持ちかけたらすぐにでも受け入れてくれると思っていた。

(やっぱりルージオは優しいわね。)

 私は偽りに微笑みを浮かべる。

「ううん。ただ両親も居なくなってしまって愛のない婚約を続けることないと思って。」

 嘘は本当と混ぜると分からないなんてよく言ったもんだ。ごちゃごちゃになった感情を必死に隠すように完璧過ぎる笑みを浮かべた。

「リリアそんなふうに思ってたんだ。」

 軽く微笑んでいるけれど目が笑ってなくて圧を感じる。

 私は頷くこともできずに苦笑する。

「えっとね…」

「リリア、お茶淹れるからそこで待っててね。」

 話題をそらすようにその場をルージオは立つ。しかし重くなった空気は消えずに私は動けなかった。

 俯いている間にルージオはお茶を持ってくる。そうして私の前にお茶を置いて自分は飲みだす。

(ルージオ様の注いだお茶か…)

 嗅いだことのない匂いがするその紅茶に目を移すと、空気を紛らわしたくなってグビッとお茶を飲み干す。

「…リリア、ごめんね。」

「…」


◆◇◆◇


 私はその時倒れた。ルージオは少し顔をゆがませながら私を横抱きにして運ぶ。


「……んっ」

 起きたのは見たことのない部屋、天幕のあるベットの上で眠っていた。

「ここどこ?」

「家だよ。」

 声がした方に目を移すとルージオがベットに座っていた。ねっとりとした、熱のこもった目で、私を見つめる。

「なんで…」

「そりゃー」

 怖い顔をしてベットに詰め寄ってくる。引き下がろうとするもののまた詰めてくる。

「リリアがいきなり婚約解消とか言ってくるからだよ~」

 微笑んでいるのにも関わらず怖くなってしまった。でもちょっとドキドキしてしまっている自分にも引いてしまう。

「絶対に別れる事はないよ。婚約者じゃなくて結婚なら良いけどね」

 なんでここまで執着されているのか、全く理解できない。

「リリア、絶対に何処にも行かないって言って?」

 甘~い声で言われ、つい頷きそうになってしまう。でも、ダメだ。私なんかが縛っちゃ駄目。

「……」

首を横に振るとルージオは私を睨んだ。

「そう。じゃあしょうがないよね。」

そう言ってルージオは私の目を塞ぐ。見えなくともジャラジャラとした金属の音がした。

「何を…!」

カチャッと足首辺りから音がしたと思うとルージオは目を塞いでいた手をどけた。

 足元に無意識に目を向けると…足枷がついていた。足枷に繋がった鎖がベットに繋がっている。

「へ?何、これ…」

「しょうがないじゃん。リリアが離れるなんて言うから、だから離れないようにしただけだよ?リリアが何処にも行かないって言えばつけなかったんだよ?」

 どうにか私のせいにしようとするルージオは恐怖さえ感じた。

「なんでこんなの⋯」

「愛してるからだよ。」

「!!」

 好かれていてもそれはきっと幼馴染としての好意。恋愛に繋がることはないと諦めていた。

「結婚前倒しにしよっか♡早くここに荷物運ばなくちゃね。何しても怒られないし。」

 嬉しそうに話すルージオの目には一切の光がなかった。私のせいで。

「リリア、愛してるよ。だから、ず〜と俺に縛られてね。」

 好きな人に愛された私はきっと幸せものなんだろう。いきっと⋯


◆◇◆◇


10年後

 その後、私達はすぐに結婚した。特に喧嘩もなく、いつしかおしどり夫婦なんて呼ばれるようになった。

 今、私は満足している。愛してる人に愛されている私はきっと世界一の幸せ者だ。

 それでいいではないか。

何故か2人の間に子供ができなかったそうですwww

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