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The Nerima Galaxy  作者: 双鶴


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第5章 バーゲンは戦場よ(老婦人マツコ)

「バーゲンってのはね、いくさなのよ」


老婦人マツコは、銀河屋の入り口で深呼吸をした。

閉店セール最終日。

この空気、このざわめき、この殺気。

——懐かしい。まるで昭和三十年代の銀座デパート。


「さあ、いくわよ」


彼女はカートを押し、店内へ突入した。

目指すは、冷凍食品コーナー。

特売のシュウマイが、今日限りで半額なのだ。


だが、そこには——


「ネリマ銀河、発進まであと300秒!」


「危険人物発見!交戦準備!」


「銀河連邦、通信管制室を封鎖します」


「撮れてる?今の、撮れてる!?」


「…あら、にぎやかねぇ」


マツコは一歩立ち止まり、店内を見渡した。

冷凍庫の前でポーズを決める青年。

その横でカメラを構える女子高生。

レタスの山に突っ伏す警備員。

レジでは、制服の女の子が「銀河通貨で換算します」と言っている。


マツコは、にっこり笑った。

「まるで昔の福袋争奪戦ね」


彼女はカートを押しながら、冷凍庫の青年に声をかけた。

「お兄さん、そこ、どいてくれる? シュウマイ、取れないのよ」


青年は振り返り、敬礼した。

「銀河の民よ、ここは危険だ。退避を」


「なに言ってんの。あたし、戦後の砂糖配給も並んだのよ。これくらい、屁でもないわよ」


ミチルがカメラを向ける。

「すみません、おばあちゃん、今のもう一回言ってもらえますか?」


「いいけど、撮るならこっちの角度がいいわよ」


マツコはカメラに向かって微笑んだ。

「バーゲンはね、命がけなのよ」


---


SNS投稿まとめ


@nerima_jk2:銀河屋でおばあちゃんが“戦後の砂糖配給”って言ってた。強すぎる。 #銀河屋なう

@tokyo_trucker:銀河屋、今度は老婦人が参戦。練馬の民度、底が知れない。 #バーゲンは戦場

@super_staff:冷凍シュウマイ完売しました。おばあちゃんの動きが速すぎて記録できず #店内混乱中

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