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蒼聖の驚愕

今回伏線張りまくり

 気づけば結構な数の野次馬がオレらの周りに集まっていた。


 恥ずかしくなり、いそいそとその場を立ち去った。


 その間も考えるのはさっきの男のコト。

 白髪金眼、ロン毛でセンター分け、赤いローブに黒いズボンのイケメン。

 そして何よりもあの圧倒的な威圧感、存在感……


 あんなの……前の世界でも……千年戦争中でも感じたことのなかった。


 何者なんだ。そんな考えが頭の中をグルグルと渦巻き消えていく。


「……ろ……」


 つーか人間にあんな真似出きるのか……? いや、異世界だから不思議でもな「ヒロ!」「うぉっ!?」


 突然ルリに話しかけられた。

 びっくりしたなもー。


「な、何だよいきなり!」

「いきなりじゃないよ! さっきから何回も何回も呼んでるのに無視しやがってー!」


 あれ? そうだったの?


「そうか、ごめん」

「わ……分かればいいのよ」


 そう言ってルリは腕を組みながらそっぽを向いた。


 メルはそれをニコニコしながら眺めてる。


 本当にこの姉妹性格反対だよなー、



 ――オレにもまだ(・・)兄弟がいたらこんな風になってたのかなぁ……。


 頭を振って、脳裏に思い浮かべられたアイツを打ち消す。


 過去。そうだ、アレはもう過去の存在だ。


「お腹空いたー」

「どこかでお昼にしましょうか」


 双子のそんな会話に生返事しながらオレは必死にアイツの思い出を忘れようとしていた。



 そうしないと、きっとオレは泣いてしまうから。
















「此処が私のオススメの店です」


 そう言ってメルが指差した店、赤い外装にm字型のトレードマークが目印の飲食店。


 オレはそれに見覚えがあった。

 ていうかこの世界に来るちょっと前に此処で食事してた。


 ――ハンバーガーショップ、“マクドナルド”――


「何でやねん!」


 思わず叫んでいた。












 メル曰わく、この“マクドナルド”は神話とか伝承とか呼ばれる時代の時にこの世界を創った創造神と呼ばれる最上位の神から伝わった伝説の料理だという。


 伝説と言ってもそれは昔の話で今はごく一般のお手軽料理として普及してるらしいが。


 うん、てかその創造神って明らかに日本人だよな、多分。可能性は高いか。


 そんなわけでオレたちは今店内で食事中だ。


 オレは普通のハンバーガー5個にフィッシュバーガーってやつを2個。

 メルは小食なのかチーズバーガーってやつを1個とフライドポテトを食べている。

 ルリは……大食いだ、20種類以上あるハンバーガーを2個づつ食べてやがる、とことん相反した性格してるなこの姉妹……。


 フィッシュバーガーを一口、結構美味い。


「ところでさぁ」


 咀嚼しながら話し出す。


 メルはこっちを向いたがルリの意識は食事に移ってしまってるようでその目は何も見てない。


「お前ら王族だろ? 勢いで出てきちまったけど王様が捜索とか出すんじゃないか?」

「そうですね」


 メルは比較的軽い口調で言った。


「まず明日には捜索隊が派遣されるでしょう、そして私たちと一緒にいるヒロさんが誘拐犯とかに勘違いされて追っ手も出されるかもしれませんしいくら王位に付いて無いと言っても王族ですからね、大変なことになるでしょう」


 成る程。


「とりあえず王様に連絡して旅に出る許可貰え、てか貰ってくださいお願いします」


 逃亡人生なんて真っ平だ!



 メルはポケットから水晶玉を取り出してそれに話し始めた。


 おそらく携帯電話みたいな物だろと予測し、しばらく待つ。


 ルリは最早10分の9を食い尽くしていた。あえて突っ込まない。


「はい、ええはい、ありがとうございました」


 メルは水晶玉を仕舞う。


「意外とすんなり許可されました、てっきり一度ヒロさんと会わせろとか言うと思ってましたがその辺は何も言ってこずに、体調管理に気をつけろとかそういった類でした」


 ……へぇ。


「それは……あっさりしすぎだな、……何か裏があるのか?」


 多少、警戒しといた方がいいかな。


「それとヒロさん、父から伝言です」

「ん?」

「襲ったら殺す……とのことです」

「襲わねーよ」



 恋とか愛とか、友情とか信頼とか、そんなもの、そんなこと、


 もうオレには関係ないのだから。

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