創世の到着
軽い浮遊感の後、無事地面に着地する。 どうやら森の中に到着したようだ。
途端に軽くなる身体、この世界って地球と較べて重力を半分以下にしちゃったから身体が軽くてしょうがない。
トリップして来た子も同じような感覚味わってんだろうなぁ。
多分、俺を除いたらそいつは身体能力世界一だ、筋力、頑丈さ、速さ、どれを取っても一位だろう。
まあ魔法は使えないだろうがな、地球に魔法も魔力も無いし。
とりあえず神様っぽい服を着替えることにする。動きにくいんだよこれ。
「create」
創り出すのは赤いローブと黒いアンダーシャツ、そして黒い長ズボンとそれを止めるベルト。
森の中だし誰も見てないだろうということで着替えだす。
数分後、着終えた俺は行動を起こすことにする。目的は異世界人との接触だ。
「create」
剣を創る。橙色の鞘に黒色の柄、緑色の刀身。玩具のような剣。
それを腰にさす。すると剣が消えた。否、見えなくなった。
この剣は『異人選定の剣』という剣で、この世界の住民が触ると姿を現し、それ以外では不可視になるという今思いついた剣である。
これで異世界人を捜す。
「そのためには……ライアス王国、だっけか」
道がわかんね。まあ適当に進んでけば着くだろう、なんせこの世界は所謂王道ファンタジーでご都合主義とテンプレの塊と言って良いほど厨二病患者的な世界だからな。
今頃異世界人もテンプレを連呼してるだろうな、日本人ならだが。
あ、ちなみにこの世界の言語は日本語だ、だって世界の名前がニホンなのに別の言語だと萎える。
「……行くか」
歩みを進める。俺の勘だと東だ、方位磁石を創って東へ進んでいく。
ガサガサと周辺の草が揺れる。
魔物か? 数は……俺の勘が鈍ってなかったら15ってとこか。
魔物が出てくる。出てきたのは3匹の狼型モンスターだった。俺の勘大はずれ。
「ギャウ……!」
「ギャンギャン!」
「グルルルル……」
灰色のくすんだ毛に狂った瞳、見た目は普通に狼だが魔力が内包されてるから魔物だろう。
「とりあえずな、お前ら……」
微笑みながら、意識を集中させる。
慈愛に満ちた母のように、不器用な父のように。
「親に牙剥けてんじゃねぇぞ餓鬼」
そして――叱る時の母のように、厳しい父のように。
躾を――――。
「create」
創り出すのは二振りの刀、朱い刀身に朱い柄、モデルは某狩りゲームの双焔。属性は無いけど。
武器を何処からともかく出した俺に怯む狼たち、でも逃げない、逃がさない、逃げれない。
「ギャン!」
中央の狼が吼え、一斉に突貫してくる。
俺は双剣をまるで舞うように扱い切り裂いていく。
長年、永年モンハンやってた所為で俺の双剣の扱い方はあのゲームが基準だ、最後に乱舞を叩き込み戦闘は終了した。
「描写するまでもなかったな……」
訳の分からないことをぼやきながらも俺は再び歩き出した。西に。
いやだってさぁ……あんだけ派手に勘外しといて今更勘になんて頼れねーよ! だからおっさんと念話したら西だって教えてくれたよ! 勘大はずれだよ!
そんなわけで俺は自分に自分で突っ込みをいれながら歩き出した。
眠いから誤字脱字あるかも、あったら教えてください。