銀姫の戦闘
女視点やりにくすぎ
そして携帯のボタンが半壊してて打ちにくい……
あとタグに亀更新を追加したほうがいい気がしてきた
思い出すは、数日前の出来事。
あの白髪金眼のイケメンに出会い、頼み、武器を貰ったこと。
『コイツはな、森羅万象の杖っていうんだ』
効力は魔力の底上げと、炎、土属性の魔法強化。
それだけか、と少し落胆したが、この杖は他の魔法杖の二倍や三倍以上の効力があるとわかったとき、歓喜した。
この手で――やっと――。
――仇が……。
「姫様が相手とは……つ魔らないですねぇ……あちらの勇者のほうが楽しめそうだったのですが……」
目の前の小太りな魔族がやれやれといった具合に手を顔に当てる。
なんだかバカにされてるようだ。
「……なめやがって……!」
「ルリ、落ち着いて、いつも通り行くわよ」
怒る妹を宥めて、前に出る。
杖を持った私が前衛で、槍――これもクレットから貰ったもの、風と水を強化する力があるらしい――を持った妹が後衛に。
いつものスタイルだ。
「おや? てっきり杖を持った銀姫が後衛で槍を持った金姫が前衛だと思ったのですが……変わったフォーメーションですねえ」
「御託はいい、始めるぞ」
戦闘用の口調に切り替える。
そりゃ、戦闘中にいちいち言葉遣い丁寧に敬語なんて使ってられないよ。
「纏え、炎、輪、“Fire arms”」
業っ、と森羅万象の杖に炎の渦が巻きつけられる。
以前使ってた杖の、数倍の火力だ。
そのまま突貫を仕掛ける。私の得意分野は肉弾戦なのだ。
「ぬぅ……!?」
まさか私が肉弾戦を仕掛けてくるとは思ってなかったのか、焦る魔族。
魔族とは肉体特化か魔力特化のどちらかだ、見たところこの魔族は魔力特化の魔族、このまま押し切れば――!
「ふっ……!」
「おふぉう!?」
妹の槍が突如私の首の数cm横から飛び出てきて魔族を襲った。
……惜しい、あと少しでこいつの頭を貫けたのに……。
もうお分かりだろうが、私たち姉妹の戦術は前衛の私による近距離戦闘と妹の槍と魔法による中~遠距離からの援護だ。
しかし、今ので決まらなかったのは拙い、次からは間違いなく警戒される。
「成る程ねぇ! 理解しましたよ! 貴女たちの戦術!」
ほらやっぱり、もうさっきみたいな奇襲は通用しないだろう。
なら仕方ない。
「ルリ!」
「うん!」
双子ならではの意志疎通、これも私たちの武器だ。
「ならば特大の“魔”法で崩してあげましょう! 葬れ、烈火、業火、“Fire elemental burning”!」
魔族の右手に赤い光が集まり、私たちの足下に巨大な魔法陣が現れた。
そして次の瞬間、私たちのいた場所に火柱が降り注いだ。
「シ、シシシシシ! 私は魔族一の炎使い、【炎熱爆隷】のツイス! 私に燃やせぬものなどなぁあい!」
魔族にはその魔族の強さを表す二つ名が付く。
二字なら下級、四字なら上級、六文字以上なら最上級というふうに分けられるのだが。
「この程度で上級か、たかがしれるな」
「いやメル、この槍が凄すぎるだけだよ……前までこんな強力なバリア張れなかったもん」
今私たちはルリの作った水のバリアの中にいる。
火柱と煙の所為で魔族の声を聞くことは出来た。
【炎熱爆隷】、炎使い。
それならルリの水魔法でどうにかなるはずだ。
「ルリ、でかいのいくぞ」
「わかった、……それにしてもやっぱ違和感あるなぁ……メルの喋り方」
何を今更。
あ、でも戦闘のたびにルリからツッコまれてた気がする。
「龍よ、天駆け、水流押し寄せ、滝となり、降り注げ――」
「縛、砂塵、理を基に、則せよ、鎖を巻きつけろ――」
――火柱が止み、煙が晴れた。
「“Water dragon”!」
「“desert Chain”」
以前では考えられないほどの難易度を誇る魔法も簡単に発動できる。
この武器は、本当にすごい。
まず現れた私の岩の鎖が魔族――ツイスを拘束し、妹の水の龍が魔族を飲み込んだ。
龍は鎖を千切りながらも砂漠を進み、数km離れたところで漸く消えた。
よし、勝ち。
ヒロさんを見ると、まだ大男と戦っていた。
頑張れ、ヒロさん。