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創世の蒼い不死鳥

何ヶ月ぶりの更新だろう……

楽しみにされてた方、万が一いたら申し訳ございませんでした。


ちなみに今回の更新は気まぐれによるものです。

また次の更新まで日にちが開くかもしれませんがその時はスイマセン

 黄金の剣から放たれた光は、寸分の狂いもなくヒロ君に直撃し、尚も威力を失わないまま森を駆け抜けていった。


「ちょっ……!」


 双子のどちらかが叫んだ。多分、金髪ツインだろう。


 光はある程度進むと、段々と威力を弱めていき、末には消えた。


「ヒロ!」


 光が通って荒れ地みたいになった道を金髪ツインが駆けていく。

 まあ、心配だろうな。


「クレットさん」

「ん?」


 銀髪ロングがこちらを見ている。


 厳しい目つきで、杖を持ちながら。


 ――臨戦態勢である。


「――殺したんですか?」


 ビリビリっとした殺気が俺の頬を撫でる。


 うっわ、これ一介の姫様が出せるような殺気じゃねえぞ……。


「殺しちゃいないよ、気絶程度にしといた」

「そうですか……」


 っと、銀髪が杖を降ろす。

 それでも、警戒は解いてくれないけど。


「さてと、俺はそろそろ行くよ、ヒロ君に鉄甲はプレゼントだって言っといて。それと……」

「それと?」

「アイを君らの旅に連れてってやってくれないか?」

「アイ?」

「あの子」


 俺は猫化して木の上に登っているアイを指差す。


「ネコですか……?」

「ああ、ちょっと特別だがな。アイ! こっち来て!」


 ニャンっとアイは返事し、木から飛び降りこっちに来た。


「アイ、元に戻ってご挨拶」

「ニャ」


 ボフンっと黒い煙がアイから噴出した。


 しばらくすると煙が晴れ、人型になったアイが現れた。


「――あ!」


 銀髪が驚きの声を上げる。

 ネコが人間に変化するというのにも驚いただろうが、自分の妹(姉?)を拉致した実行犯だというのにも驚いただろう。


「この子を……ですか?」

「ああ、名前はアイ、コミュニケーション能力とか言語能力とかは低めだが純粋な戦闘力だと俺すら越えるぞ」

「――この子を私たちに預ける理由は?」

「第一の理由はそのほうが面白いから、第二の理由はアイにもうちょっと人間味があったらなと思ったから」

「ふぅん、まあいいですよ、その代わり一つ条件があります」

「条件?」


 条件かー、まあ、できる範囲だったらやってやろう。


「私とルリ――妹に、武器をください」







*****







 あの後、望み通り双子用の武器を創造して、よく考えたら名前を知らなかったので教えてもらってあいつらと別れた。


 そして超時空エンジンを使って神殿にやってきた。


 崩れた白い柱と台座、相当暴れたみたいだな、アイツ。


 時刻は午後に入ったばっかり、腹は減らないが、ハンバーガーをかじる。


 食事は神にとって娯楽の一つだ、しっかり習慣づけとかないといけない。


 ピクルスの酸っぱさを味わいながら崩れた台座を登っていく。


 台座には俺が昔適当に書いた紋様が刻まれていて、中央に蒼い炎が灯った松明が差し込まれている。


 ゴクンっとハンバーガーを飲み込む。


 すると――


『何故だ……』


 どこからか、声が聞こえた。


『何故我らを見捨てた……主!』


 ああ、そういうことになってるのか。


「すまんな、フェニックス。火の神よ」


『我らはずっと待っていた! 信じてた! そして……裏切られた!』


 松明の炎が大きく揺らぐ。


 それはやがて形を成し、蒼い不死鳥となった。


『どうしてだ! 主!』


 半端じゃないほどの威圧感が俺を襲う。


 相当お怒りなようだ。


「許せブルーフェニックス、これには理由がある」

『ほう……! なんだ理由とは……!』

「全ては……モンハンが面白すぎるのが悪いんだ!」


 ゴウウウっと炎の勢いが増した。


 反省。シリアスなシーンでボケちゃいかんね。


『殺す!』


 蒼い不死鳥が羽を振るう。

 細かい羽根の形をした無数の蒼い炎が襲いかかってきた。


「はぁ……」


 ――創造(create)――


「ちょっと落ち着け」


 ――灯火消し去る神の剣――


 ――滅炎紺剣アンファイナルグ――


 炎の羽根を避け、ブルーフェニックスにその剣を突き刺す。


 滅炎紺剣アンファイナルグ

 文字通り、ありとあらゆる炎を滅する対炎属性最強の剣である。


 ちなみに剣を創るときに言ったあの詠唱……というより口上は、俺のイメージ力を高めるためのものだ。


 大雑把なイメージでも創造はできるが、やはり綿密にイメージしたほうが力が増す。神クラスの炎だと口上無しの滅炎紺剣アンファイナルグじゃ抑えきれない


 だから始祖聖剣エクスカリバー滅炎紺剣アンファイナルグや双焔などのよく使う武器はイメージも固まってて強い。特に始祖聖剣エクスカリバーは初めて創った武器だし思い入れも強い。


 まあ閑話休題。滅炎紺剣が刺さったブルーフェニックスは、目に見えるように縮み、やがて子犬程度の大きさになった。


 ふむ、カブトムシサイズにするつもりだったんだがな、この1200年で力を付けたか。


「少し落ち着け、ブルーフェニックス」

『ぐっ……』


 剣が刺さったままジタバタ暴れたブルーフェニックスだったが、やがて勝てないことを悟ったのか落ち着いた。


「今回、お前たちの給料を払うのを忘れてたのは全て俺の責任にある。悪かった」


 ぺこりと頭を下げる。


「だから今日は二回分の給料の支払いと、お願いがあって来たんだ」

『お願い……?』

「そう、まあまずは給料の支払いと行くか」


 俺は滅炎紺剣から神力を流し込む。


 神力。それは創造魔法でも創るのは不可能な唯一のエネルギーで、神が活動したり能力を行使するために使うエネルギーである。


 滅炎紺剣を離す。するとブルーフェニックスは、途端に巨大化し、天に舞い上がった。


 ブルーフェニックスが通った跡には蒼い炎が残り、火柱となった。


 凄く、幻想的だ。


 しばらくするとブルーフェニックスは元の場所、つまり俺の目の前に戻ってきた。


『……1200年前と同様、美味な神力だ……』


 ブルーフェニックスの蒼い炎に艶が出てる気がする。てか神力に味とかあったんだ。


「遅れちまった詫びとしてちょっと色付けて多めに渡した、嬉しいか?」

『ああ……ありがとう我が主、それで、お願いとは何だ?』

「それはな、かくかくじかじか」

『ふむ、成る程。その黒髪の異世界人に我の力の一部を一芝居した後に渡せばいいのか?』

「ああ、報酬は現界3日間でどうだ」

『3日間!? 勿論頼まれた、不肖ブルーフェニックス、神の名にかけてしかとその任務を遂行しよう』

「それじゃ、それっぽく改造するか」


 しかしブルーフェニックス、現界が許されたからって小躍りされると火花が散って熱いんだが。

火を司る神、ブルーフェニックス。

名前、安直過ぎましたw

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