犯人探し
翌日学校はグチャグチャだった。
マスコミの車や人が溢れて登校生はアチコチで捕まってる。
昨日の事もあるし気を使って楊世と離れて歩いていたが、
「君だよね?亡くなった女の子にDi〇r30万ボディーバッグ貢がれてたとか。」変な男が楊世に突撃してきた。
ダメだ!ヤバい!
「楊世、待たしてゴメンね〜
何ですか?あなた達?
さっ、行こ行こ♪」腕を引っ張って校門の中に入る。
「ダメじゃん!無視だよ、無視!
相手しても一銭にもならないんだから!」
夏希が怒る。
「う、うん、分かった…けど手」楊世の目線の先にはしっかり手を繋いでる自分の手が!
「ひえええええ〜っ、ごめん!つい!」
思わず2人で赤くなって見つめる。
「男子校育ちだから、ごめん!慣れなくて。手ぐらい共学は普通なんだよね。」
そんな訳はない。
「いや、ヤバいマスコミから逃げる事ばっかりに気がいって、ゴメン!」
昨日で自分と噂になってる楊世に気を使ったつもりだったが、
今日はもっとヒドい事になりそうだ。
案の定、朝から教室前には楊世のクラスの子達が待ち伏せてた。
「アンタ、何なの?厚かましくない?」教室前で声を掛けられた。
無視するかと思ったが、兄弟なんだと知られた方が良いかと説明する事にした。
勝手に噂が広がるだろうし。
「親同士が再婚して兄弟なったんだよ。それだけ」
簡潔に説明する。
「で?」と返された。
なんで、「で?」なんだ!納得しろよ!
「ただの同居人でしょ?自分の彼氏とか誤解してない?お姉ちゃん?」嫌味っぽく言われる。
確かに半年夏希の方が年上だが…まあ、良いか!
「そうだよ!弟の危機を守って何が悪いの!
変な虫がついたら、親に同じ学校通わせてるのにって文句言われるからね!
変な虫は退散して!
それでなくても変な虫がカバンなんか送りつけてくるから今大変なのよ!」
この際だから、楊世がねだったみたいな噂立たない内に消しとかないと!
手で追っ払った。
「なによ!このブス!」捨て台詞を吐いて楊世のクラスの子は去った。
「ハア、朝から疲れる〜」夏希はグッタリした。
職員室はそれ以上のパニックだった。
なんせ亡くなった来栖舞が登校するのは目撃されてた。
が、その後教室には姿を現さなかった。
そして死亡推定時刻は朝の9時。
つまり、校舎内で殺され、放課後非常階段に遺体が置かれていたのだ。
それが可能なのは教員だけだ。
職員室には警察が入り、先生達を1人づつ個室に呼び尋問が、始まった。