オカルト倶楽部発足
「名前だけだよ?私は箱推しだからLUFAの推し活続けるし。」推し活仲間の別クラスの友サキに名前だけ借りる事が出来た。
彼女はレオンと言うよりLUFAが好きなので、今まで通り推すらしい。
彼女はダンスも習ってて夢はLUFAと一緒に踊る事なのだ。動画もセッセと上げている。
次はサッカー部を引退した幼馴染のヒロだ。
保育園、学童とずっと一緒だった。
2人でオバケの本ばかり探して良く読んでたが、中学になってからかわれ、
何となく離れてしまった。
そこからヒロはサッカーバカとなり夏希はレオンバカになった。
「まあ、大好きだったもんなあ〜2人で口裂け女も探したよなあ〜♪」ヒロも懐かしがった。
「小学校の女子トイレにヒロも連れて花子さん召喚儀式したよね〜」夏希が楽しそうに話すとヒロが暗くなった。
小5で女子トイレ入ったのはトラウマらしい。
これでオカルト倶楽部発足の要件は満たした!
後は顧問だ…夏希はニヤッと笑う。
「どう?クラスなじんだ?」
夕食後、夏希が楊世に聞く。
「いや〜ずっと女の子に囲まれて質問攻めで、結局クラスの男子と全然話せなかったよ。
言われた通り皆平等に相手したけど…これ、どうしょう…」カバンから山ほどのラブレターが出てきた。
「これ返信書くだけでも大変だよね〜呼び出して断るのも何日掛かるんだろ?」夏希はビックリする。
「もっと少年マンガみたいな感じイメージしてたから。なんか面接試験みたい…」楊世がグッタリしてる。
確かに少年マンガのモテ方は、もっと女の子がさりげなくアピールしてくれたり、さりげなくボディータッチしたり
まず、一気に来ないで皆順番に来てくれる。(漫画のみ)
今日、遠目から見てても10人以上の女子がワサ〜ッと口々に話し掛けて
聖徳太子みたいに楊世がアチコチ返事してた。
「う〜ん、返信書かないで全部シカトして嫌われるとかした方が楽かもだね〜針のむしろだろうけど。」夏希が自分ならどうするかで考えてみた。
「ちよっと僕には無理だな。母が一筆箋と封筒くれたからこれで大量生産するよ。
宛名とか書かないでくれた人に直接渡せば…」楊世が止まる。
「…覚えてないんだね…」夏希が察した。
「まだクラスの人かどうかも把握してないよ〜どうしょう…」頭を抱えて絶望する。
1枚封筒を分けて貰い、夏希は同好会の申請用紙をしたためる。
「すごいね!昨日思い付いて、今日もう作っちゃうとか!顧問まで印鑑押してるし!」楊世が驚く。
「顧問は半分脅しでね。」夏希がへらへらする。
「脅し?」楊世が首をかしげる。
「まあ、バイトで六本木とかで夜ティッシュ配りとかしてると
色々大人の人間模様も分かるんすよ。」夏希が意味ありげに笑う。
「『オカルト倶楽部』って名前の同好会なんだね。
へ〜面白そう。」楊世も興味を示す。
「まあ、放課後、家庭科室の控室貸してもらって怪奇現象とか話持ち寄ってお菓子食べるだけのサークルだよ。」夏希がへらへら〜と首をふる。
「へ〜楽しそう。僕も良いかな?男子もいるし。
しばらく教室では無理な気がするし…」楊世がしょんぼりしてる。
「そだね!サキも私も推し活仲間だからクラスメイトの男子には全く興味ないし!
ヒロもスポーツバカだから大丈夫!」何が大丈夫なのか意味不明だが、メンバーの欄に楊世の名前も書き足す。
「4名かあ〜ヨシヨシ♪」夏希はまたへらへらする。
オカルト倶楽部、始動である。