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900階層を進み、901階層へ。
901階層を進み、902階層へ。
じりじりと、攻略を進めていく。
900階層より先は、【バベル】のラストスパートということもあり、他のダンジョンでは低級モンスターとされるモンスターまでもが、最強クラスとなってお出迎えしてくれる。
元々、上級とされる激強なモンスターもいる。
そう、むしろいないモンスターなど存在しない。
どこかのダンジョンで必ず出現するモンスターが、まさに勢揃いしているのである。
しかもほぼ全てのモンスターが物理法則を無視して襲いかかってくるのだ。
《すげぇなー》
《(*´・ω・)(・ω・`*)ナ-》
《なんか、探索者としての自信無くしそう》
《化け物と比べるなよ……》
《そうそう、比べるなら他人じゃなく、過去の自分とだよ》
《たしかに、他人と、それも自分より能力上な人と比べても心折れるだけだしな》
バッタバッタとモンスターを倒していく冬真と、体のあちこちを欠損しつつもその都度回復し、前に進む恋。
冬真のことはともかく、恋の姿は雪華とはまた違う狂気を孕んでいるようにも見えた。
《恋の動き、良くなってきてる??》
《良くなってる、というよりもこれは……》
《早くなってる》
《速くなってるな》
《しかし、魔族出てこないなぁ》
《魔族、wktk》
《魔族がそんな簡単にでてくるわけないだろー》
《はやく魔族みてみたい》
《って、ん?》
《ん?》
《え??》
《はい??》
《そんな簡単に出ないって、なんでわかるの??》
訳知りらしいコメントに、他の視聴者達がザワつく。
《ザワ……ザワ……》
《ざわ……ざわ……》
《( ; ゜д)ザワ(;゜д゜;)ザワ(д゜; )》
《まさか、これって……》
《スレ民か?!》
《おい!訳知りコメントの人!!なんか知ってるのか?!》
《んー、知ってるっていうかー、スレ民って言えばそうなんだけどー》
《ヮ(゜д゜)ォ!》
《Wow…》
《ここでバベル知ってる人とーじょーwww》
ザワつくコメント群。
流れていくコメントを見て、冬真は紙袋越しに疲れたように額を押さえ、あーあ、と言わんばかりの反応を見せた。
(来ると思ったんだよなぁ)
むしろ、来ない方が変だ。
そんな反応をドローンはばっちり撮影している。
《おや、メシアのこの反応……》
《メシアの知り合いか!》
《ということは、スネーク?》
《まじか、スネークなのか》
《スネークがきた》
《え、このコメントスネークなの??》
今度は訳知りコメントの主が、冬真のマネージャーをしているスネークでは、という書き込みがされ流れていった。
しかし、それを、
《えー、違う違う(ヾノ・∀・` )》
当の本人が否定する。
《違うんかいwww》
《違うの?》
《え、違うの??》
視聴者たちが困惑する。
《どっちかと言うと、スレ主の愛人、みたいな?www》
ここで、コメント群が消えた。
けれど、訳知りコメントの主は構わず、自分のことを書き込んだ。
《んで、そこのツンツン美少女、恋ちゃんに魔族のこと教えた考察厨でーすwww》