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【ダンジョン】人助けしたら、知らんとこでバズってた件【実況】  作者: アッサムてー
お人好し掲示板実況者と名家出身の女の子
55/117


――――――――




――――




――……



《スレ主、戻ってこないなー》

《恋が起きたとこまでは、書き込みあったけどな》

《現場逃走したゴーストリーマンはどうなったんだろ?》

《そして、彼の行方を知るものはいない》

《羅生門かよwww》

《恋と話してるんだろ》

《つーか、なんでゴーストリーマン逃げたんだろ?》

《だよなー、顔見られても平気とか言ってたのにな》


《今北産業》


《メシア、趣味で掲示板実況

恋が別のダンジョンにて死亡

発見者のゴーストリーマン、逃亡》


《スレ主、久方ぶりの掲示板実況

何故か恋がバベル敷地内にて死亡

発見者リーマン逃亡》


《なるほど、わからん》

《最初から見てこい》

《(。_。(゜д゜(。_。(゜д゜ )ンダンダ》

《その方が話早い》


いつも通りの書き込みが行われる。

その時だった。


《ゴーストリーマン参上∠( ˙-˙ )/スタ》


今回、冬真に諸々押し付けて逃げやがった諸悪の根源が現れたのだ。


《えwww》

《本人??》


スレ民達も一斉に、本人かと確認する。

当人の答えは決まりきっていた。


《本人なう》


続く質問は、


《どうして逃げたんだよ??》


というものだった。

これにも、逃走ゴーストリーマンは答える。


《いやぁ、ふと冷静になってさ、めんどい事はゴメンだなって》


スレ民達は画面の向こう側で呆れるしか無かった。


《それで、逃げたと?》

《だって、スレ主の友達なら、スレ主に任せた方がいいだろ?

こんな枯れたおっさんだと、いくらダンジョン内が無法地帯とはいえ、あらぬ誤解と罪を着せられかねないし》

《あー、訴訟になっても有罪にはならんけど、あるあるなやつな》

《ましてや恋の場合、良いとこのお嬢様だしな》

《噂じゃ、今どき珍しい血筋を大事にしてる家出身と聞いたことがある》

《だろ?

その点、スレ主なら恋と知り合いだし、その実力も知られてるから安心じゃん?》

《なにがどう安心なのかはわかるよーな、わからんよーな》


スレ民達が雑談していると、今度はスレ主こと冬真が書き込んだ。


「来たぞー」


冬真が携帯端末で音声による書き込みをする横で、命を救われた恋がそれを眺めている。

傷を負った腹部は綺麗に傷も消えているが、破けた服はそのままだ。

まるで人形のように滑らかな肌が見えている。

なるべくその箇所を見ないようにして、冬真は書き込みを続行した。

ちなみに、紙袋はそのまま被っている。


《お、来たか》

《待ってた》

《恋はどうした?》

《また入口に放置プレーでもかましたか??》


「まさか。

ちょっと事情聞いてたんだよ」


《事情?》

《なんでバベルの敷地内にあるダンジョンに挑戦してたか、話してくれたの??》


スレ民のそんな書き込みを読んでから、ちらりと冬真は恋を見た。

恋の表情は暗かった。


「……まぁな」


《恋はなんでそこにいたんだ?》


「なんか、探し物をしてたみたいだ」


《探し物?》

《珍しいアイテムとか??》


「たぶん、かなり珍しいアイテムだと思う。

初めて聞くやつだ」


《なんてアイテム?》


そこでまた、冬真は恋を見た。

恋も冬真を見つめ返す。


「……賢者の書ってアイテムなんだけど。

知ってるやついるか??」


《へ?》

《え?》

《いや、え???》

《ええ??》

《待って?ちょっと待って??》

《( ;゜д)ザワ(;゜д゜;)ザワ(д゜; )》


スレ民達が戸惑う。


《あのさ、スレ主?

そのアイテムのこと、スネークから何も聞いてないの??》

《これ、話してないんじゃないのか??》

《え、待って??

もしかして、かなりややこしいことになってないか、これ??》


スレ民たちの反応に、冬真は訳が分からず首を傾げるのだった。

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