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その襲撃を間一髪、回避する。
「来たな」
蛇がニヤリと楽しそうに笑う。
一方、動画コメントは、
《!?》
《!?》
《!?》
《!?》
《!?》
《はい、恋おわた》
《!?》
《楫取恋、終了のお知らせ》
《!?》
《!?》
《襲☆撃》
《syu☆u☆ge☆ki☆Da☆》
《!!??》
《ま、まさか、この某探偵アニメの犯人みたいな見た目なのが、噂の影のモンスターか??》
《影のモンスターさん!!待ってた!!》
《キターヾ(°∀° )/ー!》
《影のモンスター、略してカゲモン、キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!》
《キタ━━( ゜∀゜ )━( ゜∀)━( ゜)━( )━(゜ )━(∀゜ )━( ゜∀゜ )━━!!!!》
《待ってた》
《影のモンスターさん、待ってた!》
《影っつーか、真っ黒いマネキンじゃん》
《犯人言われてて草》
《わからんくはないけど、モンスターが犯人扱いされてて草》
《www》
《!?》
《!?》
《!?》
《!?》
《これが、影のモンスターかぁ》
《真っ黒だけど、シルエットは恋なのな》
《動きは、あ、真似してるね》
《つーことは、見た目もだけど動きもコピーするモンスターか》
《!?》
《!?》
《一体だけか?》
《どうだろ??》
《だぁぁあ、っくそ、弾幕で見えねぇwww》
《影が持ってるのは、短剣か》
《さすがに武器をまんまはコピーできないのね》
《でも、こんなモンスターほかのダンジョンだと見たことねぇぞ》
《それな( ´-ω-)σ》
《(´・д・`)ワカルワァ》
《ワンチャン、影のモンスター自体が幻覚かと思ったんだが違ったか》
《少なくともドローン越しの俺たち視聴者にも影のモンスター見えてるからなぁ》
《Sランクダンジョン攻略者もここまでか》
《恋を殺したがってる視聴者いて草》
影のモンスターと戦闘しつつ、そのコメントを見た恋が流石にツッコム。
「人を勝手に殺そうとしないでください!」
《集中した方がいいぞー》
《影は、恋の影だけ?》
《他の奴の影は??》
《怒った声がかわいい》
《罵られたい》
《恋たん、この豚野郎って言って♡》
「…………」
《スゲェ、戦いながら腐った生ゴミを見るかのような目をしてやがる》
《ありがとうございます!ご褒美です!!ブヒブヒ!!》
《恋ちゃん、罵って♡》
《美少女から合法的に罵ってもらう機会を逃すまいとする、ブタというか犬の鑑だよおまいら》
コメントを受けて仕方ないとばかりに、
「この豚野郎共が!!」
蛇が恋の代わりに罵った。
途端に、
《お前じゃない凸(゜Д゜#)》
《ガッデェェム!!( ºДº)_バァン!!》
《引っ込め蛇野郎(凸´∀`*)凸》
《蛇は呼んでねぇ!凸(゜Д゜#)》
コメントが荒れた。
それを蛇が見て、ケラケラ笑った時だ。
《おおお?!》
《影のモンスター増えた!!》
手持ち無沙汰になっていた、冬真と雪華の影も現れた。
ほかのモンスターの姿はなく、それぞれが乱闘となった。
そんな中、
――ヴヴヴ――
と、蛇が複数所持している携帯端末の一つが震えたのだった。
画面を確認すると、蛇の探索者仲間の一人からの着信であった。
「はいはーい、こちらスネーク」
蛇は直ぐにその着信に出る。
直後、蛇の影も出てきたが、電話しつつ蹴り飛ばす。
その一度目の蹴りで、影は近くの壁に激突し、倒れ、死んだ。
即死だった。
一方、冬真達のほうは少し苦戦している。
ドローンはその全てを映し出していた。