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《いや、意気込むのはいいけどさー》
《うん?》
《なんか引っかかることでもあるのか??》
《wktk》
《戦闘だ♪戦闘だ♪》
《どうでもいいけど、後衛いないのキツくないか?》
《万能薬とかあるからモーマンタイ》
《でも、それ持ってるのはメシアだろ》
《引っかかるっていうか、アレなんよ》
《今、【レンフィールド】関連の情報検索してみたんだけどさー》
《うん》
《探索者連盟のウェブサイト見たらさ、【レンフィールド】って探索申請書出さないと入れないはずなんだが》
《え》
《え?》
《はい?》
《うん》
《なんか、嫌な予感wktk》
視聴者の動揺がコメントとして現れる。
《うん》
《えっと、それで??》
コメントの向こう側で、姿を隠していたドラゴンが次々と現れる。
それを、冬真、雪華、恋がバッタバタと倒していく。
「豪炎剣舞!!」
冬真が剣を抜き差しする。
それだけで、ドラゴンが細切れとなる。
「風錐魔!!」
雪華の風魔法が渦となって、ドラゴンの体を容易く貫く。
「……――」
小さく、恋が囁いた。
続いて、
――パチンっ――
と、指を鳴らした。
それだけ、たったそれだけでドラゴンの体が潰れた。
また別方向から襲いかかってきたドラゴンに向かって、恋は同じように、
「――……っ」
なにかを囁いて、指をパチンと鳴らした。
今度は、ドラゴンの体がひしゃげてしまう。
一方、コメントはコメントで盛り上がっていた。
《それでさー、今、【レンフィールド】の探索申請出されてないんだよねぇ》
《出されてないから、当然許可もされてないわけで》
《なにしろ、精神に異常を来すからなぁ》
《普通のSランクオーバーのダンジョンとは扱いが違うみたいだ》
《ランクだけなら、バベル並っぽいけどなぁ》
《色々不明で、それでも数階層は行って帰ってきてる奴らがいるからじゃね?》
《いや、え?》
《申請、出されてない??》
《それってまずくね?》
《え》
《えぇ( ̄▽ ̄;)》
《ルール破ってるってことは、最悪資格剥奪とかになるんじゃ??》
《え、それ、メシア達知ってるの??》
《戦闘は戦闘でえげつない事になっとる》
《゜+。:.゜おぉ(*゜O゜ *)ぉぉ゜.:。+゜》
《恋たんの戦闘スタイルってこんななんだ》
《恋は、あの剣使わないのな》
《どの属性魔法かわからんな》
《……たぶん、重力系かなぁ》
《潰れたり、ひしゃげたりだからな》
《前のダイナミックお邪魔しますも、これだろうな》
《それはそうとルール破ってるのは、まずくね?》
どっかんどっかんとバトルが繰り広げられる横で、蛇がコメントに答える。
「知らんのか?
ルールって破るためにあるって」
そして、サムズアップ。
《何言ってんの?》
《ねぇ、何言ってんの??》
「あと悪いことするのってたのしいだろ?」
《わかる》
《(´・д・`)ワカルワァ》
《いや、申請書の件って雪華や恋は知ってるの??》
ここでドローンが蛇を映し出した。
蛇は蛇マスクをしたまま、
「てへ♡」
有名なてへぺろポーズをとったのだった。
結果、コメントが大炎上してしまった。
【引っ込めBBA】、【あざといポーズが許されるのは10代まで】、【恋映せ】、【雪華を映せ】、【BBAにも需要がある、それがわからんのか童貞ども】、【BBAと熟女は似て非なるものだろ】などなど、他にも見るも耐えない醜く口汚い弾幕で動画が埋め尽くされてしまったのだった。
視聴者同士のよくわからないレスバトルも始まってしまう。
その弾幕の中に、
《いやぁ、大混乱ですなぁ》
《スレ主の様子みに来たのに、何これぇ》
《熟女がどうしたって??》
《二階層までしか攻略してないって、え?》
《蛇、このダンジョンの常連なのになぁ》
《(*´・ω・)(・ω・`*)ナ-》
《しかも、蛇、20階層まで攻略してるよな》
《報告してなかったんだろ、どうせ》
という、スレ民達の書き込みが混ざっていたが、ほかのコメントに潰され、流されてしまうのだった。